『チャイニーズ・オデッセイ』を観たら、久しぶりに見直したくなりました。
言わずと知れたチャウ・シンチーの出世作ですが、公開当時は少林寺拳法とサッカーの掛け合わせなんて、完全にキワモノ映画だとなめてました。
しかし、いざ観るとこれが面白い。ベタをここまで徹底的にベタに描くというのも才能なんですよね。中途半端にやるとヘボな出来になるのだけど、ここまでやれば突き抜けた面白さがあります。

チャウ・シンチーの映画は少々暴力描写が過激できつい部分もあるし、食に関わる衛生面では眉をひそめる描写もあり、お話とまったく関係ない饅頭屋のダンスシーンとか、兄弟子と主人公のしょーもない歌とか、どうでもいいシーンがやけに長かったりするんですが、サッカーをやるために少林寺の兄弟弟子が集合する場面や、その兄弟弟子が覚醒する場面など、随所に燃える展開があって、その後の展開は馬鹿馬鹿しくもありながら無駄なく実によく組み立てられています。
兄弟弟子も皆キャラ立ちしてるので、すぐに各自の特徴が入ってくるのも見事です。

また、チャウ・シンチーは恋愛の描き方が上手だったりするんですよね。
ヒロイン、ムイのなんとも言えない切ない気持がよく描かれていて、観ていてきゅんとなるんです。

とにかく何度観てもスカッと爽快な気分を味合わせてくれるあたりは、見事なエンターテインメントですね。

って、なんだか、絶賛し過ぎかな?