チンポウってなかなか際どい名前だなーと終始思いつつ、これが主人公の名前なのでしょうがない。
去年チャウ・シンチー監督の『西遊記~はじまりのはじまり~』を観た時に、悟空の性格がチャウ・シンチーっぽいなーと思って、その流れからチャウ・シンチー自身が悟空を演じたこの映画の存在を知った訳です。
映画シリーズとして前編・後編の2部作で製作された作品で、ベースは西遊記ですがそこはまあ自由奔放に作られております。
やっぱりね、
悟空はかっけー!
と思うのですよ。
実はあまり悟空の出番ってなくて、殆ど悟空が人間として転生したチンポウの物語なんですが、満を持して悟空になったチンポウが大暴れするクライマックスはやはり爽快。
なにしろ天帝も手を焼くほどの強力な神通力を持ったボス猿なんで、基本強気で実際強いときている。この最強無敵っぷりが観ていて実にすっきりします。
実は高校の頃に西遊記の原作を読み、非常に魅力的な猿だなと思っていたのですが、そんな悟空の自信満々余裕綽々っぷりに今もなんだか惚れてしまうのです。
映画においては悟空の決めポーズもカッコイイですしね。アクションシーンも魅せます。
チャウ・シンチーのキャラにもはまっていて、魅力増しでした。
さらにチャウ・シンチーの出演する映画は、恋愛もロマンティックで、いつも最後はほろりとさせられます。今回も年甲斐もなくきゅんとなる結末が待っております。
登場する女性も美女揃いだし、相変わらずハリウッド映画では観られない新鮮な描写を楽しめました。
日本では女性が演じることの多い三蔵法師が、男性が演じているのも新鮮というか、この三蔵法師がまたキャラ立ちしていて面白かったですね。やたらに正論を言う説教臭いうざい男って感じでよかったです。
ネタバレ
自殺したヒロインを助ける為に何度も過去に戻る描写がくどいほど繰り返されるあたりはすごいなーと思いました。いったいいつまで繰り返すんだろうとどきどきするほどです。
突然オンリーユーを歌い出す三蔵法師とか、500年前のヒロインとの再会のシーンでチンポウがふたりの出会いを寸劇する様など、ほんと、予測の出来ない描写で楽しいです。
でも前編であんなにラブラブだったヒロインに対して後編は別のヒロインに心変わりと言う展開は若干拍子抜けします。
さらに後編は人間関係が複雑になる上に、中身が入れ替わったりするもんだから何がなんだかな感じも致します。
そういう意味では途中から話がどこに向かって進んで行くのかわからなくなる感じで若干迷走しますが、悟空大活躍のカタルシスでチャラですね。