『複製された男』に引き続きドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品。
『灼熱の魂』は良くも悪くもなかなか衝撃的な作品だったが、『複製された男』やこれは割と普通な作品だなーという印象。
ただ、『複製された男』みたいに脳力を試される究極の心理ミステリーとやらじゃなく、こっちの作品は普通のミステリーなので普通に面白い。
ちょっとネタばれっぽいかもしれないが、あれを思い出すのね、『ミスティック・リバー』。『ミスティック・リバー』の方が見応えのあるドラマですけどね。
この作品に関してはネタの割には長すぎるかなーという印象。
前半は当然ミスリードなのはわかってるんで、じゃあ、どういう風に真相を持って行くのかなーと思ったけど、やたらひねりまくりで訳がわからんというか、わかったところで「ふーん」というレベルというか。
だって、別段誰が犯人でもありっちゃーありじゃないですか。犯人の動機とか一連の事件の関連とか、それなりに伏線張ってるんだろうけど、どうにもこうにも唐突感は否めないのですよ。それでいて犯人そのものは逆にひねりがないなーという印象。
メインは犯人どうこうではなく、ヒュー・ジャックマンの葛藤にあると思うのだけど、そこももうひとつ深みを感じないんですよね。
いやいや、多分もっと短くまとめていればそれほど気にはならないのだろうけど、長い割にはこの程度の話か…という感じになっちゃうのが残念かも。
作品の落とし方はよかったです。
ヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホール共演ってことで、監督はなにげにジェイク・ギレンホールがお気に入りなのか?
ジェイクは顔はいつも通りなんだけど腹が出ていて、中年太りしている印象。あれは役作りの為と思いたい。