というわけで、2幕の感想も書く。

 

ネタバレ嫌な人はスルーしてね。

 

 

怪物君が逃走したあの日から早くも3年が過ぎ、ビクターとジュリアは結婚して戦争もなく平穏な日々・・・

だけどビクターの頭の中からは怪物君のことが忘れ去ることなどできないまま苦悩の日々を過ごしていることをジュリアは気が付いていてどうしたらよいものかと思案に暮れているという場面から始まるのね。

で、突然平穏な日々に衝撃が走る・・・

という怒涛の展開。ここからがおぞましい人間のダークサイドのオンパレードが始まるのよね。

露崎さんの「欲と血の世界」の歌のパンチは流石!R&Bシンガーの真骨頂だと思うんですけど、そのほかにもミュージカル特有のロングトーンなんかもしっかりマスターしていてトレーニング積んだんだろうな~ってムネアツになる瞬間。

この時にダンサーの皆様の陰でイゴールに扮している鈴木壮麻さんのノリノリ加減がキャワタン音譜

でも、私、このコロシアムで繰り広げられる一連のシーンはあまり好きではないの。目を背けてはいけない真実なのかもしれないけれど心が辛くなるのよね・・・

そうそう、カッキーのジャックは噂通りに本当にゲス野郎そのもの。アッキーの小者感満載の小悪党とはずいぶん違います。

カッキーのジャックはエヴァと同等の仲良し悪夫婦って感じですけどアッキーのジャックはエヴァの勢いと悪知恵に便乗していてオイシイ奴感満載音譜

「お前は怪物だ」「人間のふり」の曲なんかは凄く難しいテンポの曲で二人とも歌いこなし軽やかに踊る姿は本当に流石だな~って思うんですけど内容は本当にひどい歌なので苦笑いしか出ないショボーン

怪物君が狂暴で残忍になるように調教されそうになるのだけれど、ほんの隙をついて逃げ出し、「自分のこと怪物とか言うけど人間なんて最低じゃん!っつかこんな惨めで辛い人生を強いられているのは創造主のせいじゃんか!?」と、自分を作り出した創造主を探しに奔走していく訳ですね。怪物君は見た目こそ継ぎはぎだけれど心は純粋で言っていることは正論。

で、怪物君の復讐劇が始まるのですが・・・

ここで怪物君の目的は、「孤独」という地獄を味わった自分の苦しみを創造主であるビクターにわかってほしかったんですよね。

「貴様も味わってみろ!」と言わんばかりの猛攻にでるわけです。

だから、ビクターが自分の近親者を次々と奪われていく苦しみに打ちひしがれ、「殺すなら自分を殺してくれ」と懇願するのですが、怪物君は「見苦しいぞ!」と一括します。まだ早すぎるぜ!もっと苦しめ!という苦しみの連鎖を与えるのですが、この時の怪物君の冷たい美しさはトート閣下がルドルフの棺の前で私を死なせてくださいと懇願するシシイを拒絶する姿に重なってしまってどうも萌えポイントで自分のビューキの重さを認識するという始末(苦笑)

 

あ、そうそう、原作ではここまで来る前に怪物君はお友達が欲しいとビクターに言うんですよ。お友達を作ってくれたら二人でどこかへ行ってひっそり暮らすからって言うの。孤独から解放されたいって。そんで、ビクターは女の人の死体を使ってお友達を作ってあげるの。でも、その作業中に「まてよ!このままこのお友達を与えてしまったら恐ろしいことになりませんか?」という考えがよぎって、怪物ちゃん(仮名)を亡き者にしてしまうの。怪物君はまた心が裂けそうな悲しみに打ちひしがれてビクターのことが益々嫌いになってしまって人間に絶望するのえーんで、ビクターに対して孤独という苦しみを与える天罰を下す決意を固めるという流れだったような・・・(間違っていたらごめんなさい)

というわけで、暴徒と化した民衆に捕まって絞首刑になった姉を生き返らせようとするのだけれど怪物君が「まだわからないのか?また惨めで悲しい命を生み出そうとするのか?」ってビクターを一括するシーンでは、鉄のベットに横たえられた姉の姿を見て原作の怪物ちゃんのエピソードを思い出すの。。。えーん

怪物君は、不幸な命は自分一人でもう終わりにしてほしいと言ってビクターの研究室にある装置を全部壊してしまうのね。

これ、正解。本当に。ビクターは命の創造と言って心拍再開にはこぎつけたけれど、その心拍再開した生命体の取り扱いについてあまりにも無慈悲で無責任で未熟すぎるんだもの。

まるで育てられないくせにペットの数を増やしすぎて崩壊してしまう飼い主とか育児放棄して遊興に明け暮れる親たちに向けられた非難の叫びにも聞こえるの!プンプンビックリマーク

で、ビクターは最後の最後愛するジュリアを失って初めて心臓が痛むのではなく心が痛むのだという事を知るの!

がしかし!時すでに遅し!!

怪物君は「北極で待つ!」と言い残してその場を去るの。

 

先に北極に行く怪物君、道の途中で迷子の男のことのシーンがあるのよ。ここの怪物君、凄くトート閣下み!なんだけど、男の子に自分のお友達(ビクター)の事をお話してあげた後に軽く首絞めるのなぜ?ってちょっと消化不良。誰か正解教えてほしい!!!

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これー!誰か正解教えて~!!

お子様、怪物君に「お兄さんは人間なの?」って質問するの。質問した理由が「だってその首の傷」っていうの。「ね~?ボク?首に傷有ったら人間じゃないのかい?」と逆に質問したいの私だけ??で、怪物君が「君も大人になったら他の人間のように・・・」って言って首絞めるじゃない?わざと怖がらせてるの??

なんで??

~・~・~・~

で、エンディングね。

木の枝を杖に息も絶え絶えのヨレヨレビクターが北極圏突入!

怪物君、自分を追ってきてくれた事にちょっと嬉しそうドキドキ

そして再会。「ねえ!二人とも薄着すぎじゃね?」と突っ込みたくなるの私だけ?

で、ビクターは今まで自分の近親者を殺された恨みを込めて怪物君を亡き者にしようと(処分しようと)ナイフを振りかざして攻撃開始!怪物君は余裕でかわしてビクターの太ももにナイフをぶっさして動けないようにするの。で、ビクターは拳銃で応戦!

でも、ビクターちょっと怪物君を撃ち殺すこちに躊躇するの。

そこで怪物君はワザとナイフで襲い掛かるふりをしてビクターに引き金を引かせるのね。そして倒れこむ・・・ガーン

 

これはどう意味かと言いますと、私の私見ですが・・・

怪物君は創造主様の手によって葬り去られる。これが一番理想的な結末だと悟っているのです。そして、親の腕に抱かれてぬくもりを感じて死ぬのね。これ、鉄のベットで生を受けた時にビクターに抱きしめられてぬくもりを感じた記憶があるからなのよね。自我が芽生えた怪物君の歌の中にぬくもりを感じた記憶があることがはっきり歌詞に込められてるの。これが怪物君の唯一の幸せな記憶なのよ。「温かい」という幸せね。だから最後は幸せだったという事になるのね?で、自分が死ぬことでもはや歩けない体のビクターは北極の地で一人孤独に死の恐怖を味わってジワジワ死ぬという罰がスタートするという仕組み。

で、一方の天才ビクターは怪物君の迫力に押されてつい引き金ひいちゃうんだけど、怪物君の脳の中にアンリの面影を感じるとともに自分の最大の弱点が犯した罪に気が付くの。

本当に遅すぎる!でも気が付いただけましなのよね。

で、アンリの名を呼んで怪物君の亡骸を抱きしめ号泣。

天を仰いで歌うの「いっそ呪いをかけろ・・・何も恐れぬ・・・」「俺は・・・フランケンシュタイン」と絶唱するのね。

ここ、カッキーの方が「うわ~ん!!!」と泣きじゃくる子供のように爆発するの。アッキーは「・・・・・う~・・・・・」とこみ上げる思いを声にならない声で湧き上がらせて表現するの!すごいの、エネルギーの湧き上がる勢いとその渦の高さたるや!で、俺こそが何物も恐れぬ呪われてしかるべきフランケンシュタインなんだぞ!と神に懺悔することを放棄するといわんばかりの慟哭を歌い上げて終演音譜

 

は~・・・見終わったときのエネルギーの消耗たるや半端ないの!

演じる方も凄く消耗すると思うけど、観る方も覚悟のいる演目ね!

今回、DVDが発売になることが本当にありがたい!

歌詞カード付きのCDも添付してくれないかしら?

空耳で勘違いしてるところたくさんありそうだし(汗)

 

あとね、自分的には同じメロディーをリプライズしているシーンや登場人物の関係性をもっと整理したいの。でも今は無理なの。

エリザとかレミゼラブルみたいに20年観続ければ流石に身に染みてわかると思うのだけれど・・・怪物君、初演も含めて4回しか観てないから記憶の限界ねショボーン

 

という訳で、私のフランケンシュタイン感想日記2020はこれにて。

名古屋、大阪もあるのかな?

本当は見たいけど諸事情によりかなわないので皆様のレポを見つつ、DVDの完成を待つとします口笛

 

最後に・・・

梅芸さん、こんなイラスト作ってくれてありがとう!爆  笑ラブラブ