アネモネです。
録画しておいた、小林麻央さんの追悼番組を観ていた。
私は実は、麻央さんのキャスター姿を1度も見たことがない。
「恋の空騒ぎ」時代も知らない。
お名前だけは知っている、そんな感じでした。
追悼番組の後半にロングインタビューがあった。
一月に放送された「海老蔵にござりまする」の密着ドキュメンタリーの時のものだが、
私が覚えていないのか、知っている箇所とはじめて見る箇所があったような気がした。
その中で、
「海老蔵さんは、「死んだあとに何年生きるか」とよく言っていた」と麻央さんが驚いた顔で語っていた。
なんだか、その言葉、腑に落ちた。
まず、「どれだけ上に行けるか」を考える。
上手くなりたい、売れたい、日本で一番になりたい。
次にある程度まで上に来たら、
「横にどれだけ拡がれるか」を考える。
国境を越えてどこまで行けるか、世界で有名になれるか。
そしてそれから、
「何年有名でいられるか」という時間軸に入るのだが、
更に時間軸を伸ばしていくと、
「死んだあとに何年生きるか」にたどり着く。
そしてその頃になると、
「これからの時代に何を還して、恩返しして行けるか」とも考えるようになる。
死後も自分の芸が語り継がれる。
その作品が語り継がれる。
自分の同時代に生きた人が、誰一人地球からいなくなったあとに、
後世の人がリレーのように語り継いでくれるか、
その為に今をどう生きよう。
この追悼番組から、受けとる物は他にもたくさんあった。
昨日も師匠Yちゃんと話していたが、
みんなの心に色んな気づきを与えてくれて、
少しだけ強くなろうとか、少しだけ前向きに考えてみようとか、1日1日を大切にしようとか、
家族の時間を大切にしようとか。
日本人の心を一斉に浄化してくれ旅立たれたように思う。
命は聖火みたいだから、
麻央さんの火は皆自分の聖火バトンに少しずつ分けてもらい
沢山の火に増えたのだなぁ。
そんなことを感じながら、
今日のフランス語のヒアリングは『マルセルのお城』。
いつもヘビロテしているのは『マルセルの夏』で、
なんで私が『マルセルのお城』をあまり観ないのかと言えば、
最後にマルセルのお母さんが30代ぐらいの若さで亡くなるシーンがあるから。
控えめで、美人で、優しくて、でも芯が強くて、病弱で、
いつも家族のことを思い、旦那さんを愛し、マルセルの一番の味方だった母オーギュスティーヌ。
こんな絵に描いたようなお母さんなんているのかと思うようなお母さんだった。
そう、
マルセルのお母さんは、
麻央さんにどこか似ていた。
改めて、ご冥福をお祈りいたします。