歌舞伎ですら座付はいません。江戸時代は狂言作者といい専業がいました。近松門左衛門が有名です。
少なくとも日本の常設公演を行う商業演劇で座付作家がいるのは宝塚くらいと思います。
そして四季と宝塚のみ自劇団専門劇場を持っています。歌舞伎座は歌舞伎以外も上演されますので。
その意味でも宝塚はとても恵まれた劇団です。関西1の電鉄会社を親会社に持ち資金面でも独立し、そこも四季とは違いますよね。
金、インフラ、作家。どんな劇団でも喉から手が出るほど欲しいでしょう。
つまり生徒は己の役に没頭すればいいわけです。多くの劇団役者がそうであるようにアルバイトで生活費を稼ぎ芝居に専念できないほど資金繰りに困ることもありません。
現在の商業劇団で宝塚と四季は役者がアルバイトしなくても生活していける劇団とか。
そんな宝塚の屋台骨を支える1つ、座付脚本家。
不定期な募集で脚本家を目指す若者にとって宝塚は常設劇場を持ち、資金面の心配も必要なく理想的な劇団でしょう。
しかも内容はショーにレビュー、海外ミュージカル、コスチュームもの、現代者、日本物とあらゆる時代、世界に富んでます。
優秀な人材が募集により集まってくると思います。何年か演出助手を経て、バウデビューし、いよいよ大劇場デビューとなります。
新しい人材が発掘され、挑戦的な内容を目指すには既存の脚本家には少し控えてもらわねばなりません。
どんな世界も経験を積まねば下は育ちません。
でも何でしょう、昨今の宝塚は。既存も既存!同じ脚本家が1年のうち数回登用される始末。
○田に至っては昨年は2度のベルばら、年末の風とで3回も!
さらに今年のベルばら、全国公演ベルばらと!
ありえないでしょ?!
大劇場は年9公演です。そのうち3分の1をひとりで占めてるんですよ!
これで若手が育ちましょうか?斬新的、前衛的、なものに挑戦したかつての若い女性脚本家は退団させられ旧弊がのさばるなら200年、いや150年の宝塚も怪しいものです。
古いものが悪いわけではありません、テクニックは既存脚本家には新人脚本家は及びません。
けれど若手に移行していかなければ、いつその若手がベテランと呼ばれるようになれるのでしょう?
観劇する側も世代交代し、現代のPCカルチャーを把握しないと宝塚も時代に取り残されて行きます。
あの昭和のベルばらを上演すると決めたときの画期的な決断を思い出してください。
当時、文化としても認識のない少女漫画を舞台化するなんて、「とんでもない!宝塚の品位が落ちる」と大反対がありました。
でも結果、ベルばらは空前の宝塚大ブームを巻き起こし今の100年の立役者となりました。
あの時の決断を21世紀の宝塚にも求めます。安易に海外ミュージカルに頼らずベルばらのように原作ありきでも結構。オリジナルでの大ヒットを生み出し、新しい風を作れる新進の脚本家を育てるべきです。
旧弊は旧弊として全体を締めてください。そして旧弊のテクニックを後進に学ばせてください。
後進の育成を早急に宝塚に望んでやみません。
