日曜日の夕方、夕飯の支度が終わり

スマホを見ると、ショートメールが1件。


知らない番号。


詐欺メールか?


でも、内容の書き出しが怖かった。



【昨日、母が他界しました。】



え?なにコレ。詐欺じゃ、ない?


でも、下手にメッセージ開きたくない。

とりあえず、この電話番号が誰か調べよう。


スマホの連絡先を、番号で検索。


無い。


けど、過去の着信履歴に引っかかった。


昨年の9月、10月に1度ずつ、不在着信が

あった記録。


覚えてないし、不在着信ってことは

私は電話に出てないんだ。


メッセージを開くか、削除か。


迷う。



開いてみよう。ウイルスや詐欺なら

URLや連絡先をクリックしなければいい。


えいやっ!


果たしてメッセージの内容は、



【昨日、母が他界しました。生前は大変

お世話になり、ありがとうございました。

86歳。老衰。大往生でした。

ありがとうございました。】



えぇ〜!?ホントに誰から?

間違いでは!?


86歳になる親?


私の親世代なら75歳位だけど、それより

1回り上くらいの親の年齢。


私にはそんな年上の友人は、いません。


もし宛先間違いなら、大切なメッセージが

届くべき人に届いていないことに。。。


困った。


それでも、該当しそうな知り合いはいないか、

熟慮。。。


いました、思い当たる人。



あぁ、そうか。

うん、きっとそうなんだろう。



その人とは


離婚した元夫。



私より1回り上だった。


義母の年齢も、今は86歳位だろう。



そうか、お義母さんが。。。



離婚してから、元夫や結婚いた頃の事は

考えないようにしていた。


その中で、義母の事は時折思い出し、

どうしているか、心配していた。


結婚していた頃、義母とは別暮らし

だったものの、


夫無しでも義母の元を訪ね2人で

出掛けたりする、良い関係だった。


いつも、あんこちゃん、あんこちゃんと

気にかけ可愛がってくれた。


義母が自転車で転倒して大腿骨を骨折し、

入院、リハビリなどに渡り全て私が

世話をした。


その時の経験が、今の実母の介護にも

役立っている。



離婚した直後、義母は認知症の症状が

出ていたらしい。



義母の住む地域の交番から、


義母が保護されているので、迎えに来て

ほしいと


何度か私に電話が掛かってきたものだ。



義母は交番で、


お嫁さんのあんこちゃんに連絡してと、


私の携帯番号を派出所で告げていたようだ。



頼りにならない実の息子より、私を頼りに

してくれた義母。



電話をくれた派出所の警官に


離婚した事情を説明し、


もう対応できないと断る時は


義母に申し訳なく胸が痛かった。



離婚後は一切連絡を絶っていた元夫が


義母の訃報をわざわざ連絡してきたのは


その後も義母が私のことを口にしていた

からなのだろう。



偶然にも、この訃報が来る前日、


私は久しぶりに義母のことを思い出し


どうしているかと考えていた。



虫の知らせ



あれは、お義母さんが私に別れの挨拶に

来てくれた瞬間だったのではないだろうか。



お義母さん、お疲れ様でした。

可愛がってくれて、ありがとうございました。


お線香もあげに行けないけど、御冥福を

お祈りしています。安らかに。