78年前の今日
アメリカ時間、1941年12月7日(日本時間、昭和16年12月8日)
日本は、アメリカと戦争を始めました。
してはならぬ戦争でした。
国力を冷静に分析すれば、どうなるかは、分かっていたはずでした。
しかし、アメリカの日本への石油輸出停止。軍艦製造数制限など、日本に極めて厳しい国際協定や要求を突きつけられたまま、八方塞がりな状態に置かれていたのも事実として、認識しておかなければなりません。
日本は南方への石油資源入手のため、東南アジアに標的をさだめ、虎視眈眈と武力侵略の軍事作戦を展開させようとしていました。
その為に、邪魔が入らぬよう隣国であるアメリカ軍へ打撃を与えておき、南方への作戦を優位にしておく必要がありました。
軍備に勝るアメリカ軍への対抗作戦としては、太平洋艦隊が集結しているハワイに、奇襲攻撃するのが効果的と判断されました。
この時期になったのは、これ以上は日本軍の石油備蓄が底を付いてしまい、待てなかったからです。
攻撃をする前に、宣戦布告は必要です。
奇襲に入る前に、それは実行される予定でした。
でも、結果的には、事前通告は出来なかったようなのです。
アメリカ側も、うすうす気づいていました。ただ、はっきりとした攻撃目標、日時までは、分かっていたのかいなかったのか、分かっていても日本の出かたを待っていたのか、今となっては分かりません。
1970年に公開された、映画「トラ!トラ!トラ!」では、12月8日の開戦にいたる軍部、外務省の緊迫した様子が、克明に描かれています。
日米双方の緊迫した攻防は、他に類を見ない秀作です。
さらに、真珠湾攻撃の再現に至っては、ミニュチュアでの特撮はもとより、実際の航空機をかき集めて、空中戦の様子を実写で撮影している点が、この映画の魅力に繋がっているのではないでしょうか。
休憩をはさんで、後半には、その奇襲攻撃を実戦さながらに描いています。
日本のゼロ戦、陸攻など、アメリカでよく似た飛行機を改造し、そっくりに仕上げ、また、その戦闘機がハワイの上空を飛び、爆弾や魚雷を投下して行きます。
アメリカ側の戦闘機も、飛べないものは標的用に設置し、すべて実写で再現されています。(映画が公開された1970年にはコンピュータ画像はありませんでしたから)
ミニュチュアでは作れない迫力が、シネマスコープの画面で迫ります。
日米双方で監督を配置し、冒頭の軍艦の撮影に至っては、実寸大のセットを作ってしまうと言う壮大なものでした。
この映画はアカデミー賞で「視覚効果賞」を受賞しています。
まだでしたら、DVDやBlu-rayなど、現在も多数出品されていますので、ご覧いただければ、と思っております。
しかし、ビデオやDVDなどが以前から多数出回っているにも関わらず、なぜかサントラ盤は発売されていませんでした。
私がこの映画を見たのは、中学生の頃で、テレビで2週にわたり放送されましたから、2回めの放送時に、カセットテープに、内蔵されているマイクで、タイトルバックを録音しました。
タイトルバックには…
日本の「黒田節」を彷彿とさせるアレンジで重厚なテーマが流れていきます。
情報が飛び交うシーンでも、緊迫した曲が流れ、観るものへの緊張を高めてくれていました。
サントラ盤が世に出たのは、CD時代からで、レコード盤はありません。
録音テープが発見されCDで発売されたのが2000年5月31日のことだそうです。
しかも、限定3,000枚。
ほしい人が沢山いたのか、2011年に追加で限定2,000枚で発売されたのが…
音楽はジェリー・ゴールドスミスが担当しました。
今は廃盤となっていて、中古品として、時々ネットオークションに出品されている程度です。
私も、最近になるまで、CD化されていたのは知りませんでした。
このCDをオークションで買えた時は、ドキドキしました。
今では、私の宝物になっています。
飛行機が大好きなだけで、戦争はダメだと思っています。決して奇襲攻撃を肯定しているつもりはありません。
が、この1970年に封切られた映画「Tora! Tora! Tora!」以降にも「パールハーバー」など、真珠湾攻撃を題材にした映画も作られましたし、見にも行きましたが、やはり、実機を飛ばし、地上スレスレに編隊で攻撃する様は圧巻を呈しています。
撮影では地上の特殊爆破班と、進入してくる戦闘機の連繫で、実戦さながらな様子を描きだしている映画「Tora! Tora! Tora!」の右に出る作品は、ないと感じています。
追伸: トラトラトラとは「我、奇襲に成功せり」を意味し、和文のモールス信号では「トトツートト、トトト。」を3回繰り返し打電することと、なります。
真珠湾攻撃の際、攻撃に入ると同時に、対抗してくる迎撃機がないのを確認した攻撃隊の隊長機から旗艦赤城宛に発信されたこのモールス信号は、直接日本でも受信され、小型機から送信された記録にもなっているそうです。
参考文献 : 淵田三津雄 著
1970年に公開された当時の映画のパンフレットです ↓
Blu-ray盤
日本上映版には、一部コメディタッチのシーンが挿入されていて、渥美清さんと松山英太郎さんが、艦艇の料理人として登場します。
ただ、この Blu-ray では、空母から戦闘機が発艦していくシーンが暗くて、よく分かりません。DVD盤のほうが、少し荒く現像されていて見えるようになっています。
ご参考までに。
DVD盤
ではでは またまた