④横浜 ストリートミュージシャン
親友の美咲に頼んで、彼のことは少しわかってきました。
そんな薫は、ある日、七里ガ浜のバス停で彼と再会します。
時間は、朝の4時頃です。
あっ…。こんばんは。
こんばんは。きみ、あのときのだよね…?
あ、うん。あの時は、ごめんなさい。
いや、それはもういいんだけどさ。
こんな時間に、なにやってるの?
あ、歌った帰り。駅前でよく歌ってるの。
あぁ、ストリートライブっていうやつ?
まぁ、そうなのかなぁ。
薫は、ストリートミュージシャンをしていることを、彼にうちあけます。
さっき歌ってた曲、いい曲だよね。なんて曲なの?
まだ決めてないの。
と、会話は続きます。
そっちは? サーフィン?
このへんに住んでるの?
(あ〜 青春や〜 )
ベンチは、待合室の中に、ありました。
そら、そうでしょうね…。
ねえ、今度、行けたら行こうかな、ストリートライブ!
行けたら行く、って言う人に限って、来ないんだよ!
じゃ、休み入ったら、絶対行く!
この時、まだ青年には、薫が難病にかかっている事は、わかっていませんでした。
夏休みに入って、鎌倉のいつもの場所にいけば、その日は、既に別の人が陣取っていました。
あの、歌ってさあ、ここでなきゃだめなの?
えっ?
バイクなんて、初めて、どこに行くの?
いいとこ!
横浜でした。
初めての遠出。
その時の彼女を連れて…。
嫁さんには内緒ね!
だから、少し、この映画の、このカットに共感を覚えました。
この日は、バイクは宿に置いて、電車でロケ地に向かいました。
田舎だとバイクを適当に置いておけますが、都会だと、最近は置く場所がないので仕方ないですね。車のパーキングはたくさんあるのに。バイクは、あまりなくて探すのも面倒ですから…。
この日本丸では、元乗組員の方に艦内をくまなく案内していただきました。ありがとうございました。
また、後日にブログで、ご紹介させていただきたいと思っています。
さて、そうこうして…。
場所は、横浜駅にほど近い、ビブレにある広場です。
壁の色が変わっているのは、ここに看板があった名残です。
映画では、看板だったスペースに、美術担当さんが、コマーシャルを隠すために、ひまわりのポスターを貼ってくれていました。
この、ひまわり は、美術さんの、この映画へのいたわりでした。
いつも、夜にしか出歩けない薫への、ささやかなプレゼントでした。
(タイヨウのうた InvitationBook より、内容を抜粋、脚色)
なんて、素敵なんでしょう。
その ひまわり の前で薫は歌い出します。
始めは、彼一人だけが聴いているだけでしたが…。
薫には見ることが出来ない世界…。
爽やかな歌声に…。
いつの間にか聴衆の人波が出来ていました。さらに、近くで歌っていたグループもバックに加わって来て、盛大なステージになりました。
薫の嬉しそうな顔も。
こんな素敵なシーン。
私の涙腺が、ここで爆発しました。
後ろに一歩下がってしまった彼が、また、奥ゆかしくて…。
この拍手の渦。薫の嬉しそうな顔も。
素敵なシーンでした。
彼への恋の歌を暗示させるには、じゅうぶんでした。
タイヨウのうた ロケ地を訪ねて、その⑤に続きます。
ではでは またまた