母親の呪縛に苦しむ方へ

母親から見た息子と娘の関係は、心理的にも期待度や介入度が全く違うことは心理学的にも明らかになっています。

息子よりも娘の方が心理的距離が近いらしい。

まあ、そうですね〜。

母は娘に対して親しいあまり，娘との境界が曖昧になり，結果として娘の人生に支配的に関与することが多いと言われています。

うんうん。

わかります。私も母娘関係で悩んできた１人でしたから。

最近、コーチングや占い、友人の課題から母親との関係についての話題がいくつかありました。

また、以前、仕事やボランティアで関わっていた虐待関係の相談でも母娘関係の負のスパイラルにも何度も立ち会ってきたし、私自身も母との関係に苦しんできた娘の１人なので、よく気持ちがわかります。

そういった諸々の事を思い出したので、スピリチュアルとは毛色が違うかもしれないけれど、書き起こそうと思いました。

・娘に自分の味方でいるように求める心理は、夫との関係が悪い時に高くなると言われています。

→よくわかる〜。そりゃあそうですよね！

・母親が自分と娘と「同一化」してしまう背景には母親の不幸、家庭内離婚等のライフヒストリーに要因があるというのは昔から言われてきました。

→私の母は祖母から虐待を受けていたと言われています。祖母は幼い頃に母親を亡くして苦労して下の子を育てますが、兄弟は病死をしたり、戦争で亡くなっています。祖母は、母親の本を燃やしてしまったり、叩くだけでなく包丁を突きつけたというエピソードもあります。(ちなみに私も同じことをされました。)読む本、持ち物、着る服、友人、友人の親、私からの匂いに関しても全て自分の思い通りにならないと気がすまない人でした。

私も若い頃、うつ病を患ったこともあります。

・娘への期待は学歴が低いほど大きいというデータがあります

→戦後直後生まれにも関わらず短大を出ている母は決して学歴が低い方ではありませんでしたが、叔父(母のお兄さん)は早稲田大学を出ていて、兄と母の扱いが違ったこともあり、学歴に関してはものすごくコンプレックスを持っていました。コンプレックスが娘に自分の肩代わりをさせて、しまうんでしょうね。思い通りの結果が出なかった時、勝手に期待しておきながら「私を裏切った」となるのでしょう。非常に重いプレッシャーをかけてくるのも特徴です。

・夫とのコミュニケーションで順調なほど、親子のライフヒストリーが順調なほど、母親は娘に将来的に頼りたい気持ちが大きくなる

→意外かもしれませんが、同一化しているような母親は娘に頼りたいって思っていないんです。コミュニケーションがよく取れている仲良し家族ほど「頼りたい」と思う心理。1人の人として認めるから、信頼できるから頼れるんですよね〜。

こんな私でしたが、今は母からの呪縛はすっかりと消えています♫

どうしたと思いますか？

答えは簡単。

まずは、自分の立場を認識します。

あれ？この関係って病的？

認識することが第一歩！

けれども、なかなか自分で気づけないものです。「私が母から愛されないのは自分が至らないからだ、もっと頑張らなきゃ」高校まではこう思っていました。

ただ、高校の時にすごい拒食症の友人がいて、ケーキホール一個とか食べては吐くという行為を繰り返していました。遊びに行ったり彼女の話を聞くうちにお母さんとの関係、お母さんとおばあちゃんの関係が自分のと似てるなぁと気づいたのです。

彼女の病気も関係していそうだと気づきました。客観的に人のことは自分よりもよくわかるものです。

他の高校の友人からも、あなたのお母さんおかしいってよく言われました。

徐々にですが、母と離れたい欲求が強くなり、距離を取るようになりました。ただ、何度も母に認められたい欲求やなんとも言えない不安定さに苦しくなることはありましたが...

第一子を出産して、母から「あんたも子育ての苦しみを味わうがいい」と呪いのような言葉をかけられてからは、年１〜３回は行きますが泊まることはしていません。

結構、強烈な感じでしょ？

もう一つのポイントがあります。

「母親が自分自身の人生の中で精神的に安定し自立した豊かな人生を送ること。

これが、娘が母親から束縛されず、自由で豊かな娘の人生を可能にする前提条件です。」

時間はかかりましたが、母親が祖母から心理面で自立するよう手助けしたんです。

最初、母と向き合う時、手や顔はぱんぱんに浮腫み「うわー💦身体が拒否して悪いホルモン出まくってる〜😥」っていう風でしたよ。

まずは、母を知る。

生い立ちやその時の気持ちを傾聴する

批判したり評価することもなく、ただひたすら聴く

そうすると娘時代の母が浮かび上がってきました。

ああ、この人は私と同じように苦しんできたんだ。そして今も。

最初は恨み言ばかりだったものが、時々嬉しかったエピソードが入ってきて慕情のような情感も見られるようになってきました。

母も私も揺れていました。

祖母はすでに寝たきりで意識があるかないかの状態でした。母は祖母の入所する施設に通っていましたが、10年くらい前のある日、母は私にこう言いました。

「おばあちゃんの人生ってなんだったんだろうね。」

客観的に見た祖母の人生

もう、甘えられる祖母はどこにもいない

悟りなのか、哀れみなのか、

母の顔は何だかスッキリして、自立した顔になっていました。

その瞬間、私もストンと腑に落ちた気がきました。そのあとは、母との思い出が次々とオセロの黒が白にと変わっていくのです。

祖母が死んでから、気づいた事があります。

私はずっと祖母に嫌われていると思い込んでいました。

祖母の家に行くと、口煩く叱られてばかりで、連れ回される上に「この子はブスだとか、よう肥えとる」というようなことしか言わないのです。孫では私ばかり槍玉にあげられている気がして、女の子に生まれなければ良かったとか暗い気持ちになっていました。５歳の時には伸ばしていた髪を強引に床屋に連れられて行って切られるというショッキングなこともありました。

葬式の日におばさんに、「孫の中で1番可愛がられていたんだよ！」と言われ、嘘でしょ？って本気で思っていましたもん。

娘の七五三の前に母から、祖母から母へ贈られた着物を貰いました。

本当に母に似合う着物を選んでいて、それを見ていたら涙が出てきました。

私も祖母に買ってもらった振袖があるのですが、それまでは「祖母の見栄の象徴」だとしか思っていなかったのに、着物を見て祖母の思いが伝わってきたからです。

見栄だったら、有名な大島とか選ぶと思うのに、さりげないけれど、ものすごく考えられているのです。

口は悪かったけれど、不器用だったけど、本当は愛情深い人だったんだなぁ。そこから祖母に対しても、記憶が次から次へといい記憶が蘇ってきたり、オセロのように黒が白になっていったのです。

親を客観的に捉え１人の人としてライフヒストリーを眺めることで、自分の捉え方をひっくり返す。

長くなりましたが、以上です。

お付き合い、ありがとうございました。