【7日間ブックカバーチャレンジ・5日目】
かれこれ20年弱の付き合いになろうとする友人からのご指名で回ってきましたブックカバーチャレンジ。
彼女は、メディアの文芸担当で、昔聞いた夢は本の装丁をしたい!などと言っていた。そんな文学畑の人から、超理系の私?とびっくりしたし、私、本は頭脳と思っているので公開したくない。。。けどこれもひとつのきっかけ?少し自分を自分の脳を作ってくれた本たちを振り返ってみようとありがたくお引き受けした次第。だからあまり目的に貢献できないかもしれないけど、今は超理系ではなく調理系の人生の数冊にお付き合いくださいませ。楽しんで次の方へバトンを渡します。毎日おひとりではなく最後におひとりにバトンという友人の作ったルールを引き継ぎます。
<5冊目 バーラジオのカクテルブック >
初めて伺ったのは、神宮前のお店でした。恐ろしく緊張したことを覚えています。1972年にオープンしたそうです。そこではお酒のことというより”粋”を教わりました。サービスマンとしての粋。安くなく、大人の店なので、ひよっこが行くには勇気とお金が必要で、だいぶ長い間、お給料日に月に一度背伸びをする場所でした。この本には店主尾崎さんのコレクションのオールドグラスと、想像力を掻き立てられる名前のオリジナルカクテルが美しく注がれ並んでいます。実際にお店に伺うと、気絶するほど美しいそれと同じものが目の前に出てきます。繊細で、とても高価なそのグラスのお酒を頂くのですから、絶対に酔ってはいけません。神宮前のラジオ、青山のセカンドラジオ、今はサードラジオになっているようです。ある時頂いたお葉書が、ウォーホールのマリリンモンローの唇で、今でも大事にとってありますと尾崎さんに話しました。
尾崎さんは版権を使わせていただいた裏話をしてくださり、「持ってらっしゃる1枚とあわせて額に入れてください」と額装のアドバイスと一緒に最後の2枚をプレゼントしてくださいました。
それからすでに20年ほどたちましたが、今でも、お店に飾ってあります。世界でたったひとつのモンローです。もう一度お会いしたい方をまたひとり思い出しました。