後の十三夜の古都 | つぶやいて 一夜一会

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ぼやいて、ひと言。ひとりごちては、ふた言。今日を無事に終える感謝を想いつも、溜めてはおけないアレやコレ。この夜は、この世。ご縁あっての一期一会。一夜かぎりと読み捨てくだされ。人よ・人へ。

二週間ほど前になりますが、
この秋も嫁と日帰りで京都を訪ねました。


下鴨茶寮26


今回の京都行――そもそもは
春頃にいただいた、好きなものをチョイスし
オーダーする、いわゆる
カタログ・ギフトが発端でしてね。

それなりの額の設定のようですが、
それで装身具とか雑貨を選ぶのって・・・


今どきはネットで同じものが

ディスカウントで買えるのに、
みすみす割高な定価設定で
そんな額の品を買うなんて、ねぇ?


下鴨茶寮24


そこで、嫁が告げたひと言。

「なら、温泉の昼食付き日帰り浴とか
ディナー券とかでもいいんじゃない」に、
カタログをめくっていて目が留まったのが
・・・下鴨茶寮さん。


下鴨茶寮9


名古屋の料亭AやレストランBだと
ディナーなんだけど、こちらだとランチ。
なるほど、格が違うってワケね。

何せ、国際観光都市の京都。
日程は可能なら混雑を避けて平日希望で。


下鴨茶寮13

また主要クライアントの業種から水曜日に・・・
(住宅系は休みの企業が多いため)
と考えていたところ、思い出したのが
今年の名月は稀有な3回バージョンということ。

では、「後の十三夜」となる11月5日の水曜、
せっかくだから171年ぶり、3回目の名月を
古都の宵空を仰ぎ見て・・・
といった思惑からこの日に決定。


下鴨茶寮17


            **


ところで、下鴨茶寮さんのランチ前に、
嫁の希望で「ふたば」さんの豆餅を買うことは
あらかじめ決めていました。

ただ、私の計算ではその時間を差し引いても、
30分程度は半端に時間が余るはず。

当初はお店の近くまで行って、
近くの下鴨神社の糺の森でも散策して
時間調整しようと思っていました。

・・・が、「今出川」駅から歩いて
「ふたば」さんに向かう途中、ふと
そう言えば御所って訪ねたことがないよな~
と、気がつきましてね。


下鴨茶寮23


京都を訪ねると、折々に前は歩いていたのに
いつも、ただ通過するのみ。

灯台もと暗し。

そこで、今回はちょこっと
寄り道ていどにと散策してみました。

あちこちで、樹々の葉も
少しずつ色づき始めていましたっけ。


下鴨茶寮27


何かを拾っていた嫁が・・・

御所のどんぐりだよ~と。


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さて、ふたばさんに着くと・・・さすが。

平日の昼間の半端な時間にもかかわらず、
客の行列が折れて
私たちがちょうど3列目のアタマに。


下鴨茶寮1


御所で過ごした時間と
この待ち時間の読み違いで・・・

賀茂川沿いを歩いて
下鴨茶寮さんに着いたのは、
結果、ちょうどいい予約10分前でした。


下鴨茶寮2

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さて、下鴨茶寮さんのランチ懐石コース。

席は畳にテーブルで、ある時期から
ランチ用にしつらえたんでしょうね。

まぁ、内容については、私ごときに

何だかんだ言えるような見識があるはずもなし。


一々どうこうは申しませぬ。


下鴨茶寮3


いずれも美味。


下鴨茶寮4


出しはもちろんのこと、甘いところは
驚くほどしっかり甘く味付けがしてあって

・・・意外でした。


下鴨茶寮5


季節の素材と飾り細工で、
目も鼻も舌も喉も楽しませていただいて。


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料理を運んでくださる女性の説明に
突っ込んだり何だかんだで、
間違いなく他の卓より進行は遅かったはずです。


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椀物(煮物代わり?)の海老しんじょで、
この秋二度目の松茸を満喫。


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その後、てんぷらに代わる
揚げ物の鮎のうるか(ここでは卵巣)抱きとの間に、
金網に載せて出されたひと口大の可愛い口取り。


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そして最後のデザートに続いて出された

おつまみに意外性があって。


旧来のトラディショナルな

料理だけでないのは、さすが。


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それと共に、老舗と言えど気が抜けない、
飲食業のある種のきびしい側面を
垣間見たような気もしました。

          **

で、下鴨茶寮さんを出たのがすでに3時頃。

食事は12時半からのスタートで、

早ければ2時、遅くて2時半前かな~

思っていたら・・・何の何の。


お店の方と話していたり写真を撮ったりしてる内に、
すっかり遅くなってしまいました。


下鴨茶寮18


向かうは宇治。

関心ある市内の主なスポットは、
この数年でかなり訪れたけど、
これまで市中心部から離れた宇治には

足が向きませんでした。

歩いて数分の「出町柳」駅から
京阪~JR奈良線と乗り継いで、
「宇治」駅の改札を出たのがすでに4時前。


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ここは、下鴨茶寮さんからの交通便と
嫁がお茶好きであるところから選んだのですが、
たいていの神社やお茶の体験施設系は、
入場あるいはLOが4時半まで。

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こりゃ、計画の半分も消化できないぞぉ~
と、足早に表参道から

改修を終えたばかりの平等院へ。


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ご利益賜りますように・・・って、
貯まるのは10円玉だけだったりして。

阿弥陀像のおわす鳳凰堂の入場はすでに
いち早く受付終了、外からだけ眺めました。


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お顔が見えませぬなぁ~と思っていたら、
正面からカメラを構えていたその時、
ぱっと光が当たったかのように
お顔が金色に輝いて・・・


反射的にシャッターを切りました。


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が、そのすぐ後に、振り返って
背後の嫁に教えつつ再び振り向いて見たら・・・


あり?真っ暗???
(どうやら、折々にスポットライトが点灯されるようで)


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続いて、せめてあと1箇所、

宇治上神社だけでもと、アミダ状に架かった

朱塗りの橋を渡って中ノ島経由で
・・・ぎりぎり4時半入場、セーフっ!


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その後、通過した宇治神社にもお参りしました。
(もとは宇治上神社とひとつの神社だったとか)


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本当はもう少しゆったり散策し、
宇治十帖の舞台となった源氏物語ゆかりの
風情を味わいたかったのに・・・


ま、今回のメインディッシュは

・・・ランチでしたからね。


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宵の刻には雲が張り出して、

ここ宇治からと狙った「後の十三夜」の月は

おがめなかったけれど。


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帰途、名古屋経由で最寄りの駅ホームに
降り立った8時過ぎには、
頭上にくっきり明るいお月様が。


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自宅で留守番のパラ次男をピックアップして
夕飯を食べて帰った後、ポン酒のアテに
持ち帰った「ふたば」さんの栗餅をほお張りながら、
窓の外を見上げてお月見としゃれこみました。


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とまれ・・・


ま、いい休日ではありました。



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