こちら前編に引き続いて、ベンが語った内容を続けます。

 

big big channel - 大台網 のYoutube公式チャンネルにアップされているこの映像だと3:47ごろからの内容で、ジャッキーに間接的と直接的に怪我させた2度の経験の、「直接的」の方のお話。

 

 

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(では2度目にジャッキーを怪我させたのは?)
 
2回目に直接的に怪我をさせたのは、「サンダーアーム」の撮影で、エンディングの方で、4人の黒人女性のシーンがありますね、そのアクションで、彼女達は映画撮影の基礎が無い人達で、
 
(力加減がわからないですよね)
それで、私達がダブルをやった。私の足は成家班の中で... それは全部足のアクションだったのですが、あるシーンで、私が黒人女性役で、飛び出して、柱があるんですが、ジャッキーがリアクションをして、柱に寄って、そして私が蹴って、ジャッキーが頭をさげて、カメラから離れる、そんな感じで撮影すると。位置テストの時、蹴りを入れる、でも、私は力を押さえていた、とてもギリギリの位置で、本当にギリギリで、本当に蹴ってしまいそうだから。そうすると、ジャッキーが「もっと本気で蹴れ」と。私が「アニキとてもギリギリですよ」。「蹴れ!!!」さらに粗口(汚い言葉)もつけて。ではわかりました。でも、当時、あの柱、柱なんですよ。私はソフトパッドで足を包んで、さらに固いパッド、そして鋼棒を入れて保護したら、私の足が6-7ポンド(3Kgぐらい)になって、とても重くなります。そのうえ、私はさらに何か箱の上に載って、飛び蹴りに行く。高い位置でないといけないから。そうなると基本的に力を押さえられなくなる。
 
私はジャッキーに「アニキ、この位置ですね」 そしてカメラスタート、1: あなたがよけて、2:私が蹴って、3: あなたは逃げる、という感じでタイミングを合わせて。撮影開始、アニキ、自分で位置を探してよ、1、2、3、跳んで、力を入れないとけない、そして、パン!  蹴ったら、頭に蹴りが入った。ジャッキーの頭が、パン、パンと跳ね返って、柱にぶつかり、弾かれて、地面に倒れた。当時、ジャッキーは気絶して、わあ~、私はびっくり。その時はもう成家班に入っていました。そして、走って行って、ジャッキーのこの場所(耳の後ろ)を見ると、裂けていました。この場所が裂けて、1インチほどか、そこが動いて、血があふれていました。私はとても驚いて、すごく怖かった。この人はボスですよ。ほんとうに、誰の過失と言っていいかわからないけど。
 
(このことがあったから、成家班を離れたのですか?)
いえいえいえ、違います。
 
(方信中が冗談ぽく、「そういうのは時間を置くものですよ、すぐにではないです」で、皆笑う。)
 
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ベンがジャッキーを怪我させた話はここまで。
 
柱に向かって本気で蹴りを入れるのに、ベンが足を防護するのは当然で、それで重くなってコントロールできないのも、ベンの過失とは言えないだろうけど。このシーンの撮影って、ジャッキーの頭蓋骨骨折より後の撮影ですよね。頭蓋骨骨折から1年もたってないそんな時に、誤ってジャッキーの頭に蹴りを入れて、頭部が裂けてたら、それは本当に怖かったでしょうね。ジャッキーもスタントマンも本当に大変だよね。
 
でも、こんな失敗なら、NGシーンに入ってもよさそうだけど、「サンダーアーム」のNG集に入ってないよね。やっぱり頭蓋骨骨折が凄すぎて、この映画にとっては、これぐらいの事故はかすんでしまったのかなあ。
 
それで、「サンダーアーム」NGシーンを見返した時に、クレジットの中に 
製片: 陳可辛
副導演: 關錦鵬
を見つけた。今は香港を代表とする映画監督もこの映画に参加してたんですね。