喰霊-零-」は、2010年5月から、BS11のANIME+でディレクターズカット版が放送されています。

既に、概要と第8話までの感想を「喰霊-零-(がれい ぜろ)の内容と感想」で、第9話の内容と感想を「喰霊-零-(がれい ぜろ) 第9話の内容と感想」で書きましたが、ここでは、2010年7月17日に放送された第10話について触れたいと思います。


第9話の最後で、土宮神楽が席を外した合間に、諫山黄泉は三途河カズヒロによって殺生石を埋め込まれて怨霊と化し、そのまま病室から姿を消しました。

そして舞台は、あの悲劇、第2話へと続きます。

第10話のタイトルは「悲劇裏(ひげきのうら)」。
見るまでは、第2話の裏で起こっていたことだけを放送するのかと思っていました。

しかし、実際は少し違い、あの悲劇の一部始終と、その裏で起こっていたことの両方が描かれていました。


カテゴリーBが現れたことを受け、現場に急行した対策室のメンバーを待っていたのは、環境省の人間を切り裂いている、諫山黄泉の姿。
「はっろー♪かーぐら」の声とともに現れた黄泉を、一騎が銃弾で先制攻撃。
逃げた黄泉を飯綱紀之と神楽が追い、その後は別々に黄泉を探すことになりますが、最初に黄泉に出会ったのは、紀之。
乱紅蓮にやられた一騎とともに現れた黄泉は、黄泉自身を「殺して」と何度も言い、一騎も「もう手遅れだ」と叫ぶものの、紀之は何もできず。

「殺して」と何度も叫ぶ黄泉には、何かあるなとは思っていましたが、一騎にとどめを刺そうとしたその瞬間、黄泉の目には涙が。
怨霊と化した身体に、まだ心が残っていたからでしょうか。


結局、紀之は何もできず、話は第2話の最後、「私を、姉と、呼ぶな!!」のセリフとともに、黄泉が神楽を斬ってしまう(ように見える)シーンに行くわけですが、やはりというか、斬られてはいませんでした。
あの時点で斬られていたら、話は終わってしまいますからね。

そういうアニメ的確信の問題ではなく、あれは演出によるものでした。


神楽のピンチに登場したのは、神楽の父親である、土宮雅楽。
雅楽は、神楽が斬られるまさにその瞬間に、黄泉に向けて武器を放っていました。
黄泉はそれを破壊するために刀を振り下ろしており、そのおかげで神楽は無事でした。
第2話では、武器が飛ぶその瞬間が描かれていないため、神楽が斬られたようにしか見えませんでした。
まったく、上手い演出をしてくれたものです。
アニメによくありがちな、明らかに画が書き換えられているような演出とは違いました。


「よもや、そなたが迷うとは」と言う雅楽に対し、黄泉は「迷いなど、とうに消えましたわ」と言いますが、紀之に再会した時に流した涙は、迷いからくるものだと思えます。
迷いというよりは、まだ殺生石に100%支配されていない、黄泉の心の精一杯の叫びではないかと。



1年半前の放送では第2話以降見ていないので理由はまだ分かりませんが、ずっと疑問なのは、なぜ黄泉は神楽に対し「大っ嫌い!!」と言ったのか。
「私を、姉と、呼ぶな!!」と、なぜ言ったのか。
あんなに可愛がっていた、実の妹のように思っていたはずの神楽を、なぜ黄泉は突き放す?
(怨霊になってしまったから人間全部が憎い、というのはないと思いますが)


まず思うのは、黄泉は神楽が羨ましかったのではないか?
黄泉は神童と呼ばれたほどの剣の使い手ではありますが、それは努力に努力を重ねて得た力。
そして、黄泉は諫山家の養女。(この部分、「なぜ黄泉は諫山家の養女になれたのか」という経緯も知りたいところではあります)

一方、神楽はというと、黄泉が努力して手にした力を、壁を、たやすく乗り越えていく。
その上、神楽は土宮家の直系。いずれは土宮を継ぐ者。(黄泉も諫山家を継ぐ予定ではありましたが)

その決定的な差、自分との差が、父親の存在が、羨ましかったのか?(或いは父親を殺された瞬間からそう変わったとか)

羨みが、いつしか憎しみに変わるというのはよくある話。
その羨ましい気持ちが、殺生石の力によって憎しみへと変わった?


次に思いつくのは、嫌いな感情は元々なくて怨霊になってもそれは変わらず、あのセリフは全て、
「神楽に自分を斬らせるため」。
大嫌いだと言って自分を嫌いになれば、怨霊と化した自分を斬る躊躇いが減る。
神楽は、怨霊と化した人間を斬るのに、未だに躊躇いがあるから。
黄泉に残った黄泉の心が、そう考えた?


もう一つ、別の観点としては、そもそも神楽が諫山家に来た時から、黄泉は神楽の相手をするのが面倒だったが、(黄泉は養女なので)いい子にしていないと諫山家から追い出されてしまうかも知れないと思い、きちんと面倒を見るようにしていただけ、とか。(最初から、憎しみを隠していた)
・・・いや、いくら何でもこれはないだろうと思いますが、考え方の一つとして。(でなきゃ第9話で「ごめんなさい神楽」と携帯に連打しながら大泣きしたりしないだろうし)


先を見れば分かることですが、こういう分からない点をあれこれ考えるのも、名作ならではの醍醐味ですね。



気付いていながら書きませんでしたが、第9話のエンディングから画が変わりました。
これまでは、エンディングの最後、黄泉のところに神楽が走り寄ってきて・・・というエンディングでしたが、第9話からは、最後に黄泉の足元が描かれるだけで、黄泉はそのまま歩いていってしまうという・・・運命が乱れたこの物語の哀しさが、痛烈に伝わってくるようです。


最近は「Paradise Lost」が頭の中で延々とループしていて大変です。
第8話くらいまで見て、やっとはっきりと分かりましたが、オープニングやエンディングの歌詞が物語と連動していて、この作品は本当に全てが完成されているなと感じます。

早く続きが見たいと思う作品は今までもいくつもありましたが、これほどまでに先が見たくてたまらない作品はそうはありません。

では、なぜネットで先を見ようとしないか?・・・ディレクターズカット版だから、ですかね。
(注:1年半前に地上波で放送された時は第2話までしか見ていません)


哀しみに暮れるこの物語も、残すところ、あと2話。
最後は「愛を信じて、愛するものを殺せるか」の通りになってしまうのでしょう。
とても哀しいけれど、稀に見る名作だと思います。


生徒会役員共」は、2010年7月よりU系で放送されている週刊少年マガジン連載のアニメ化作品です。


テレビ愛知で7月15日に第2話を見ましたが、なかなか面白いですね。これ。
変な作品だなぁと思っていましたが、いや、なかなか面白いです。

多分、自分が、あの生徒会のテンションに慣れてきたんだと思います・・・(まだ第2話なのに。)


ヒロインである天草シノを演じるのは、「けいおん!!」で秋山澪を演じる、日笠陽子さんです。
そして、七条アリアを演じるのは、同じく「けいおん!!」で田井中律を演じる、佐藤聡美さんです。


天草シノは、秋山澪と同じような口調で、しかも黒髪のロングヘアです。

「大変な仕事だが、よろしく頼む。」といったような口調が多く、同じ日笠陽子さんだからというわけではないと思いますが、天草シノと秋山澪は同じような口調です。
それだけに、生徒会役員共を見た後でけいおん!!を見ると、変な違和感があります。


秋山澪と決定的に違うのは、下ネタ全開で、しかも全く恥ずかしがりやではなく、何の恥じらいもなくバンバン下ネタを発言するということです。
というか、下ネタを下ネタとして理解してません。(これは七条アリアも同じく。)
桜才高校がずっと女子高だったからでしょうか??


第2話では、「今後、性行為をする際は、常に・・・●出しだーーっ!!」って、全く臆することなく叫んでいました。
いくら声優だからって・・・。
これが、DVDではP音外れてしまうわけですから、日笠陽子さんも佐藤聡美さんも大変だな・・・としみじみ感じました。(でもある意味嬉しい。)


変なテンションですが、もう慣れました。
これは面白い作品です。
特に、けいおん!!ファンにはお勧めしたいです。

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エンディングを歌うのは、あのangelaです。
もう、さすがです。今回もですが、その舌の回転の速さに感服する歌です。

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喰霊-零-」は、2010年5月から、BS11のANIME+でディレクターズカット版が放送されています。

既に、概要と第8話までの感想は「喰霊-零-(がれい ぜろ)の内容と感想」で書きましたが、ここでは、2010年7月9日に放送された第9話とその先について触れたいと思います。


第8話で、諌山奈落の仇敵の正体が、殺生石によって怨念に支配された諫山冥であることを知り、復讐に燃えて諫山冥を斬った諫山黄泉。
その直後、黄泉の元に三途河カズヒロが現れます。黄泉は体中の神経、右目、喉を刺され、瀕死の重傷を負います。

その時点で想像していたのは、刺されて瀕死になった時点で三途河カズヒロによって殺生石を埋め込まれ、第2話のあの時点に至る、という流れ。


しかし第9話では、諫山黄泉はまだ息があり、駆けつけたメンバーによって病院に運ばれ一命はとりとめます。
しかし、全身の神経や右目、喉をやられていて、もう話すことも歩くこともできない状態になってしまいます。

長い昏睡状態から意識を取り戻した黄泉を待っていたのは、周囲の冷たく悲惨な対応。
諫山冥殺しの疑い、飯綱紀之との婚約破棄。
唯一、神楽だけは今まで通り優しく接しますが・・・
そして、哀しみに暮れる黄泉の元に、再び三途河カズヒロが現れ、殺生石の力によって強制的に身体と力を取り戻した黄泉は、三途河カズヒロに誘惑され、怨念に囚われた存在に・・・。


もう、これだけ書いていても、ドロドログチャグチャの昼ドラのようです。実写じゃなくてよかったです(苦笑)。
想像していた流れとは違いましたが、それでも、結果としては殺生石の力によって黄泉も怨念に囚われた存在になってしまいます。


1年半前に地上波で放送された時は第2話までしか見ていませんでしたが、今回、こうして第9話まで見て思うのは、とても哀しく、重い話ということ。
近年のアニメでは稀に見るストーリーだと思います。

起こるべくして起こった展開といえばその通りだと思います。三途河カズヒロの存在そのものを否定することしかできないくらい、登場人物の行動に不可思議な点はないと思います。(アニメでよくありがちな、「そこでそういう行動はしないだろう!」というようなシーンがない。)
それ以外では、三途河カズヒロが現れるあの時に神楽が病室を離れなかったら・・・とか、諫山冥に呼び出されたあの時に黄泉が一人で行動しなければ・・・とか、そんなタラレバが頭をよぎるくらいです。


最後は、「愛を信じて、愛するものを殺せるか」のサブタイトルの通りになってしまうのでしょうか。
(既に放送終了しているので、検索すれば分かってしまいますが)


第2話のラストシーンで、「私を、姉と、呼ぶな!!」の黄泉のセリフとともに、神楽は黄泉に斬られている(ようにしか見えない)ので、果たして最後に神楽が「愛を信じて、愛するものを殺せるか」の通りに、愛をもって黄泉を斬るのか?
だとして、斬ることができるのか?

はたまた、とてもここで終わっていいとは思えないような、いかにも続編あるぞ!みたいな結末しか待っていないのか?(第2期がないということは、あれはあれで完結しているとは思いますが)


それに、第1話で登場した人たちとの関わりも気になります。
第3話以降、一度だけ、画だけで登場していますが、公式サイトには名前が一切載っていません。前野智昭くんは第1話の主人公として観世トオル役で出演しているのに、何で?(既に放送終了しているので、検索すれば分かってしまいますが)


続きがすごく見たいですが、それでも、ネットで検索しようとは思いません。
現在のBS11での放送がディレクターズカット版だからということもありますが、重いストーリーだからかも知れません。

Angel Beats!」のような感動する名作ではないですが、これはこれで秀逸な作品だと思います。