コインを投げた時
表が出るか裏が出るか
どちらが出るかハーフハーフだ


それが世の中の常識
常識人がそういうから常識

でも私はそんな常識が許せなかった。
ありきたりな模範解答が許せなかった。

そう感じたのは違和感…
違和感がある以上納得しない。
違和感さえ消えればいい、
消すためならなんでも良い。

数学教諭という肩書が言った。
「試行回数を増やせばハーフハーフに収束するぞ」
私は即答した『嘘だね』
そしてその理論が嘘であることを証明した。
コインはいつでも不公平、都合よく収束はしない事を証明してやったのだ。

2-1
『まーた始まった』と一同あざ笑った。

そう…ただ放り投げた硬貨がこうなる事はない。
投げたのではなく立てたのだ。

ただし…話はココでは終わらない。

私は笑い声を止めさせるべく机を叩いた。
硬貨は倒れて表が出た。
それを私は5回繰り返した。
4回表。1回裏だ。

そして結論。

この硬貨の場合。
ハーフハーフにはならない。
表が出る確率が高い。

そう言い捨ててコインを投げた。

人生はいつもそうだ
一見公平に見えるだけで
いつだって不公平。

カラクリを知る者だけが常に得をして
それを知らない常識人ほど騙される…

私はあの日を最後に、
コイントスで一度も勝てなくなった。