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アニメ批評

日本のアニメを考えます。

 先日新国立美術館のセザンヌ展に行ってきたのですが、それは色使いが宮崎駿に似ているなあ、ということです。
ナウシカの色使いや筆遣い(?)と比較すれば、ある種の類似性が見られるような気がするのです。
たとえば「カルダンヌの村」
http://www.artliste.com/paul-cezanne/gardanne-1379.html
とナウシカのイラストとよく似ている気がしました。

 

印象派の絵画と日本のアニメが似てしまうのは、日本人に好きな色合いがあるためなのでしょう。
 色彩といえば、「つり球」を思い起こします。こちらはセザンヌというよりは、マティスの切り絵といった雰囲気です。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/artposters/aw2191.html
とはいえ、「つり球」の方は、どうも話の方が単調な気がしてきました。色合いはともかく物語の方が問題なのかもしれません。

 ヨルムンガンドの魅力は、その設定が現実によく対応しているという点です。今日は、海賊と人民解放軍系の企業について触れてみましょう。


<アフリカ沿岸の海賊について>
 ソマリア沿岸の海賊に関しては、よく新聞でも見受けられますね。この海賊が悪質なのは、かなり組織だって活動している節があることです。人質を取っても、しっかり身代金を取りますし、ぶんどった物品はちゃんと流通に流す経路を持っているようです。今回のココたちに対する襲撃シーンも、まったくそのとおりでしたね。実際、フランスの艦船も海賊の襲撃を受けることが多く、フランスの対外情報機関DGSEやフランス軍などが協力して、フランス艦船に乗り込み護衛の任務に就くこともあるようです。


<人民解放軍系企業について>
 鄧小平の娘にデン・ロンという人物がいます。その旦那は元人民解放軍の幹部であった賀平です。その賀平の現在の地位は、人民解放軍系の大企業、保利グループのトップです。
 20世紀の最後の10年間、中国にとっての最大のイベントは香港返還でした。そのために鄧小平は国務院に国家安全部というKGBばりの情報機関を改めて整備したほどです。
 めでたく、香港が返還されると、中国共産党、人民解放軍の幹部が競って香港に自分の息のかかった企業を設立します。こうして、共産党幹部の子弟からなる太子党といわれる勢力が台頭することになるのです。
 保利グループに関していえば、インドネシアの子会社を使ってアメリカ大統領選において当時の候補であった(旦那の方の)クリントンに選挙資金を提供するという事件もありました。いわゆるチャイナゲート事件ですね。
 今回の大星海公司(ターシンハイコンス)にしても、そうした人民解放軍系の企業として設定されています。
 この10年間で中国のアフリカ進出はかなり進んでいます。カダフィ統治下のリビアにも何万人もの中国人がいたことはまだ記憶に新しいでしょう。なぜ、中国がアフリカに進出するのか。それは、中国がアメリカの地位を狙っているからに他なりません。現在の中国は、第一次大戦前のドイツのような存在なのです。


 こう見ると、ヨルムンガンドはいいですね。「やや子供」にとっては毎週の放映がたいへん楽しみです(笑)。

 期待の京都アニメーションによる「氷菓」ですが、まだ評価ができないなあ、というのが正直なところです。
 京アニにしては珍しく、「萌え」的要素が抑制されているように感じます。そして、ストーリーの流れに沿って着実に作品に仕上げているという印象が浮かびます。
 一つには、「萌え」的要素に依存する作品作りからの脱却を狙っているのでしょう。見ている側もいつまでも子供ではないのだから・・・という判断があるのかもしれません。そして、おそらくその判断は正しいのだと思います。
 ただ、難点をあげれば、物語そのものが、若干単調なのです。物語をどこまで劇的なものにするか、は創作の現場では常に意識されることではあるでしょう。というのも、過度に劇的な作品は、しばしば、平凡な作品になってしまうのも事実だからです。キャラクターの能力に重点を置き、あらすじが単調になるというのが、X-menなどのアメリカのアニメでした。ウルバリンにしても退屈でした。
 ですから、単調な物語から見るに値する作品を生み出すのは結構困難なことだといえるのです。
 氷菓に関しては、まだ作品も始まったばかりなので、もう少し期待して見続けたいと思います。