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アニメ批評

日本のアニメを考えます。

 モーニングに連載というのは知っていたのですが、マンガではなかなか読む気がしなかった作品ですね。「宇宙兄弟」は。

 なぜ今ひとつ読む気になれなかったかというと「きのう何食べた?」という作品が登場してから、モーニングという雑誌自体に手を触れることがなくなったことが大きかったです。お金を出して買う雑誌なのに、こんな作品は読みたくないなあという動機が強かったです。

 もう一つ動機を挙げるとすれば、Dreams Come ture的な物語には、魅力を感じないからなのです。苦難を乗り越えて、人が成長していくといういわゆるビルドゥングスロマン(教養小説)は、それこそ巷にあふれているわけで、さらにもう一つの物語に手を出そうという気にはなれないものです。

 ですから、「宇宙兄弟」も当初は視聴リストには含めていませんでした。しかし、不思議なことに、アニメで見てみると妙に心惹かれるのです。本当に奇妙な話です。

 いろいろ理由があるのでしょうが、思い当たるものとすれば、OPとEDが作品に非常にうまく適合していることを挙げることができます。スキマスイッチの「ユリーカ」、それにアンジェラアキの「告白」が、作品にきちんとはまっているので、個人的には苦手な個人の成長物語でも、比較的見やすいのだろうと思います。

 それから、「宇宙兄弟」の元の作品のもっている「語り口のうまさ」を挙げることができるでしょう。ムッタの身に降りかかる様々なプレッシャー、緊張が、本人の意思によって徐々に解決されていくところが、見所の一つだと思うのです。もちろん、宇宙への強いあこがれがベースになっていることは言うまでもありません。しかし、会社を辞めた社会的には中途半端な状態、夢を追いかけるという面では、弟に先を越されているという兄としての焦り、自分の日器用な生き方に対する後悔の念、これらを宇宙への希望によって乗り越えていくのは、やはり見ていて気持ちの良いものですね。これは、原作者の罠にかかってしまったなあと、しみじみ思います。


 Hellsingとは、文字通り「地獄が謳う」ということなのでしょうか。たまたまYoutubeでupされていたので三田のですが、やはり映像の迫力には圧倒されます。

 特に第5回から第6回にかけてのロンドンでの決戦は、強い説得力があります。

 それにしてもヒラコーのこの作品とはいったい何なのでしょうね。ヘルシング卿の対バンパイア部隊とバチカンのイスカリオテ機関、それにナチスの残党たちのミレニアムと、まさしく三つどもえの争いが繰り広げられるのですが、最近の版は、前回のアニメ化されたものに比べても格段に良くなっていますね。

 ヘルシングとのつきあいは、知り合いからマンガを借りたのがきっかけでしたが、アニメ化されてさらに化けるとは思いませんでした。

 この作品のおもしろさは、バチカンの狂気、全体主義の狂気、あるいは言い換えれば戦争への妄執にあるといえるでしょう。証左の「私は戦争が好きだ」演説も、ことある旅に繰り返しMADの題材として取り上げられていることから、その人気ぶりも理解できるでしょう。

 宗教にせよ、その亜種である全体主義にせよ、ヨーロッパが生み出した怪物と言って良いでしょう。それを迎え撃つのが、イギリス国教会の吸血鬼を主力とする対バンパイア機関だというのですから、おもしろ9くないわけがありません。ロンドンは廃墟と化すものの、英国人の大陸への不信感が最終的に勝利を収めるという結論になりその点でも興味深い作品に仕上がっています。もっとも、これは私がそう読み込んでいるだけですが。

 下手なスプラッター映画よりも、血は流れますし、残虐なシーンにあふれた作品ですが、それでもなおこの最終版のアニメは、日本が世界に誇れる作品であろうと思います。そして、表題にもあるとおり、ヘルシングほど、特殊技術などを用いて実写版で見てみたいと思う作品もないのです。セレス役はだれがやるのでしょうか。バイオハザードのように、ジョボビッチでしょうか。また、アンデルセン神父役でブルース・ウィリスが登場してくれれば、もう言うことはありません(笑)。