どこにでもいる普通の人……。

 

今までそんなことを面と(見えないから多分だけど)向かって

言われたことは誰からもなかった。

 

もちろん、ワタシに何か特別な才能があるだなんて思ってないし、

現時点で人よりも秀でた何かが具体的にあるわけではない。

 

そんなことは誰よりもワタシ自身がわかっている。

それでも、確かにワタシはその言葉に少しショックを受けていた。

 

すると、スカイピープルはまたもこちらを見透かしたように喋りはじめた。

 

「キミは周りの人たちを『どこにでもいる普通の人』と思っている。

もちろんだからこそ、

『どこにでもいる普通の人』という言葉が出たんだろうけどね。

でもね、ボクが言いたいのはこういうことなんだよ。

キミが周りの人たちを『どこにでもいる普通の人』と思うのならば、

キミもまた『どこにでもいる普通の人』ということなんだよ」

 

「え?どうして?」

 

とワタシが訊くとスカイピープルは、

 

「キミは普段このように考えている。

『自分』という存在がいて、

その外側には他人を含んだ『世界』というものがある。

そうだよね?

まず、その考え方が全て間違っているんだ」

 

と言った。

 

「それの何が違うの?確かにワタシはそう考えているよ。

そして、ワタシはその世界に馴染めずにいつも孤独を感じているよ。

でも、それのどこが間違えていると言うの?」

 

とワタシが言うと、

スカイピープルはおそらく深呼吸をして(少し間が空いたから)、

それからこんなことを語り出した。

 

「……じゃあ、ゆっくりと順番に説明しよう。

キミは今、呼吸をしている。

呼吸とは周囲にある酸素をもらうという行為だ。

そうだよね?誰も呼吸せずに生きることはできない。

異論はないはずだ。

そしてキミは毎日、何かを食べている。

キミが赤ん坊の頃から成長できたのは、

色々なものを食べてきたからとも言える。

キミの身体はキミの食べた物で出来ているというわけだ。

では、頭の中はどうだろうか?

知識も思想も喋る言葉もそれは誰かから学んだものだ。

自分らしさとか言っても、

せいぜい何かと何かを足したくらいなもんだろう。

ちなみにその着ている服も自分で裁縫したわけじゃないよね?

足元を見たって、両足は大地があるからこそ立っていられる。

つまりね、ボクが何を言いたいかと言うと……。

キミは今まで、

世界から切り離されたことはただの一度もないってことなんだよ」

 

「それじゃあ、なぜ……」

 

とまで言い、言葉を失ったワタシにスカイピープルはこう続けた。

 

「そうであるにもかかわらず、

キミは世界に馴染めずにいつも孤独を感じている。

その理由は単純に言うと、

ちょっと笑っちゃうけど、

考えごとばかりしているからさ。

人からどう見られているとか、過去の後悔、未来の不安、

あと今後のスケジュールとかばかりをね。フフフ。

話を戻すけど、いつだってキミは世界から切り離されてはいない。

つまり、キミが世界を醜いと定義すれば、キミも醜いということになるし、

キミが世界を美しいと定義すれば、キミも美しいということなんだよ」

 

話を聞き終えたワタシの頭の中にふと、

口にするのも気が引けるような壮大な言葉が浮かんだ。

 

しかしこれはあまりにも馬鹿げている。

 

そんなことを考えていると、

またしてもスカイピープルはワタシの頭を見透かし、

こう言った。

 

「そう、世界とはキミのことだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

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