八甲田山 | アニマルネットワークのブログ

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私は小学生の時に初めてスキーに行った。

少し時間は掛ったがしばらくすると滑れるようになった。

山頂から滑り降りると爽快で「これは野球より楽しいかも」と思った。

 

そして二日後の最終日には山間コースを滑ることになった。

グループで山の間を滑っていくのだけど、私はまだ下手なのでグループから遅れてしまった。そしていつの間にかコースを外れてしまった。

 

気が付くと林の中に入り込んでしまっていた。

滑り降りてきたので、元に戻るためにスキーで登るのは不可能だと思った。

仕方がないからスキーを脱いで歩こうと思ったら、小学生でまだ小さいから腰の近くまで雪にはまってしまった。

 

それでもなんとかスキーを担いで、雪をかき分けて林の中を下りていると段々暗くなってきた。そして少し前に見た映画の八甲田山が思い出された。

 

八甲田山ではみんな雪山の中で次々と力尽きて死んでしまっていた。しかし私は剣道や水泳で鍛えていたので「オレはこんなところで死なないぞ」と根性を出して歩いていった。すると遠くからリフトの音が聞こえた。

 

「あの方向にはスキー場があるのだ」と思った。

途中で何度か休憩しながらその音に従って降りて行った。そして無事に出発したスキー場とは違うスキー場に出られた。

 

もう暗くなっていたので近くの旅館の人に事情を話したら、泊まっていた宿舎まで車で送ってくれた。ツアーの引率の先生にそれを話したのだけど、事故の発覚を恐れたのか、その後何のフォローも無かった。

 

子供心に「冬の山は命の危険があるところなのだ」と思った一件だった。