動物病院の血液検査はどう読むの?

動物病院の血液検査はどう読むの?

動物病院で血液検査をしてもらったけど、説明がわからない。この記号は何? これが高いとか低いとかよくわからない。 あちこち話が飛びますので、「ブログ内検索」をうまく使ってください。(まだまだ未完成です)

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BUN 血中尿素窒素


食べ物の中に含まれる「たんぱく質」は、消化・分解されて、

最終的に「尿素」という形で体の外に排泄されます。


体の中の尿素は、腎臓を通って尿の中に捨てられて排泄されます。


腎機能が落ちている場合、尿素が体の中にたまってしまうため、

血中の尿素窒素が上昇します。



(検査の目的)

腎機能の検査


腎機能の検査には、クレアチニン という指標も同時に評価します。


食事中のたんぱく質の影響を受ける場合があります。

(食後の測定の場合、数値が高めに出る場合があります)

腎臓病の経過観察の場合は、空腹時に測定して比較した方が良いです。


腎機能検査には、

クレアチニン・無機リンなどの生化学検査や、尿検査、超音波画像診断などをあわせて行います。



TG TRIG トリグリセリド トリグリセライド 中性脂肪



食事中の脂肪分は、消化酵素で分解されて体の中に吸収されます。


脂質の代謝異常がおきている場合、血液の中に中性脂肪が大量に含まれます。



(検査の目的)

脂質代謝異常の検出

脂質代謝異常が生じる病気には、糖尿病や甲状腺の病気、

遺伝的な高脂血症が生じる犬種も知られています。



食餌の影響を受けますので、空腹時に採血を行います。

コレステロールや、血糖値、肝・腎機能のチェックもあわせて行います。


NH3 アンモニア



食べ物の中に含まれる「たんぱく質」は、消化・分解されて、

最終的に「尿素」という形で体の外に排泄されます。


尿素に変化する場所は「肝臓」なのですが、

吸収されたたんぱく質が、肝臓を通らないという「門脈シャント」という病気があります。


門脈シャントが疑われる場合、NH3の測定が行われます。


(検査の目的)


門脈シャントの検出



アンモニアは非常に不安定な物質なので、

採血や測定に手間取ってしまったり、

長時間血液が空気に触れたり、

極端な場合、検査機器の近くにマジックペンがあったりしただけでも、

上昇した数値になる場合があります。


数値の判定に迷う場合には、

何度か採血をさせて頂く場合もあります。


門脈シャントの最終的な診断には、

X線撮影や造影検査、超音波診断など画像診断を組み合わせて行います。



T-Bil ビリルビン



赤血球に含まれるヘモグロビン には寿命があって、


古くなったものは、ビリルビンという物質になって、便の中に排泄されます。



便に排泄する際に、肝臓と胆管を通過するのですが、


胆管に閉塞がある場合、捨てられないビリルビンが体の中にたまってしまいます。



ビリルビンは黄~茶色をしていて、これが体に溜まってくると、


体が黄色っぽくなり、「黄疸」という症状になります。




ヘモグロビンは赤血球の中に存在するため、


赤血球が壊れる(溶血)と、肝臓の病気とは関係なく、


ビリルビンが血液の中に出てくる場合もあります。




(検査の目的)

肝~胆管の病気の検出


溶血性疾患の検出



貧血の有無や、他の肝臓の病気の検査と組み合わせて、


総合的に判断します。




P PHOS リン



体の中のリンは、ほとんどがカルシウムと一緒に分布しています。


8~9割は骨や、歯の中に含まれています。


DNAなどの核酸の原料でもあり、体内での役割は重要です。



カルシウムと共存しているので、必ず、カルシウムの数値も同時に測定します。



カルシウムだけ上昇(減少)しているときや、


リンだけ上昇(減少)している場合、


どちらも上昇(減少)している場合で解釈が変わってきます。



(検査の目的)


カルシウム代謝異常の診断補助


腎臓病の重症度の指標


上皮小体の病気の診断補助



カルシウムの検査や、腎疾患の検査など総合的に診断します。