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動物病院の血液検査はどう読むの?

動物病院で血液検査をしてもらったけど、説明がわからない。この記号は何? これが高いとか低いとかよくわからない。 あちこち話が飛びますので、「ブログ内検索」をうまく使ってください。(まだまだ未完成です)

LIPA リパーゼ


AMYL アミラーゼ の項目も参照ください。



リパーゼは、消化酵素の一つで、主に脂肪の消化に関係しています。


ほとんどがすい臓から排出されます。



すい臓が障害を受けると(すい炎など)、血液中のリパーゼの値が上昇します。


血液中でリパーゼはすぐに分解されてしまうため、


検査の感度はあまり高くありません。



(検査の目的)


急性すい炎の診断材料のひとつ



特殊検査になりますが、すい炎を疑う場合には、



膵特異的リパーゼ(PLI)という項目を測定する場合があります。



GLU 血糖値 グルコース



血液中の糖分(血糖値の検査です)



(検査の目的)


栄養状態の把握(特に幼齢動物)


糖尿病の検査



血糖値は、ストレスによってかなり変動します。


猫の場合、採血に手間取ると、血糖値が200を超えることも、しばしばです。



糖尿病を疑う際には、他にフルクトサミンやHbA1cなどの、


ストレスに影響されない指標を、同時に測定します。


また、尿検査や他の血液検査項目の結果を慎重に判断します。



GGT γGTP ガンマグルタミルトランスペプチターゼ



GGTは胆道・胆管の病気の目印で測定されますが、


体内でこの酵素が一番多いのは、腎臓です。



ただ、血液中にGGTが出てきた場合は、


肝臓や胆道由来のものです。



胆石や胆泥、胆管炎などで胆管の流れが悪くなった場合、


GGTが上昇します。


また、肝臓に悪性の腫瘍がある場合に上昇する場合があります。

(必ずではありません)



(検査の目的)


肝臓・胆汁の流れを検査


肝臓がんの診断補助



必ず、他の肝臓の検査を併用して診断します。





CREA クレアチニン



クレアチニンは、腎臓の病気の際に頻繁に測定される項目ですが、


腎臓に存在する酵素ではありません。



クレアチニンは、筋肉を動かしたときにできる老廃物で、


腎臓で尿中に排泄されます。



便や汗などからは排泄されないので、腎臓の機能が悪くなると、


体の中にどんどんたまってしまいます。



(検査の目的)


腎機能の検査



CREAの上昇がある場合は、腎機能の低下を強く疑いますが、


同時に、BUNなど他の項目を測定したり、尿検査を行って、


腎臓の機能を評価します。




CK CPK クレアチンキナーゼ



CKは、筋肉の細胞の中で、筋肉が収縮する時に働いている酵素です。


CKの上昇は、筋肉の働きに障害が起きている時に見られます。



(検査の目的)


体の筋肉・心臓の筋肉の障害の有無を診断する補助



筋肉に障害があると上昇しますが、


極端な例では、筋肉注射を繰り返し受けていた動物でも上昇しますので、


血液検査だけではなく、入念な診察が必要です。