以前のブログ、*「Mさんの瞑想この1年」*「社交不安障害に対する手動瞑想の効果」*で紹介したMさんは面接の中で、
「普通の生活の中でも(洗い物・掃除など)1動作1動作やってると、(手動瞑想と)同じような精神状態になる」「道を歩くとき、一つの目標を集中し見て歩くのではなく、周り全体をみて、その目標も見て歩くのを試したりする。けっこう面白い」と語っていた。
Tさん、36歳 通院歴:3年9ヶ月 診断名:反復性うつ病、恐怖症性不安障害
この2年間に2回、職場復帰にチャレンジしたがいずれも失敗。今回、平成29年11月、出勤訓練を終えて3回目の職場復帰。Tさんは休職中の平成29年3月に手動瞑想を始めた。とても素直で生真面目な青年で、手動瞑想を毎日30分以上、欠かさず続けてきた。
H.30.1.○「仕事は淡々とやっている。手動瞑想をやってる感じで、外のことを気にしないようにしている」
H.30.1.○「手動瞑想をやってる感じの時と、そうでない時があった。その日によって集中度合いが違うんだと気づいた。ダメな時はダメなので、後回しにするか、次の日に仕切り直しした方がいいかなと思った」<自分のコンディションに気づくのは良いこと>。
H.30.1.○「仕事が忙しいときはいいけど、暇になると邪念が入ってくる。集中しているときと、邪念が多い時がある。邪念がまた来たね、とわかる・・・手動瞑想をやりながら、修行をやってる感じで仕事をしている」<邪念とはどんなもの?>「こういう作業は効率が悪いな、とかで、前はどうすれば解決するかを考えてグルグルしていた。今はとりあえず目の前の仕事をやろうと集中することにしている」<邪念(思考)だと気づけるのは、これまでの瞑想の成果なのではないか。前はそれが邪念(思考)だと気づけないで、ずっと考え続け、それで消耗し、おまけに目の前の仕事がストップしていたのではないか。「思考すること」と「思考に気づくこと」は違うということが分かってきたんじゃないかな>と伝えた。
これぞまさに!10か月継続してきた手動瞑想の成果だと思う。Mさんの言う「手動瞑想をやってるのと同じような精神状態」、Tさんの言う「手動瞑想をやってる感じ・・・修行をやってる感じで仕事をしている」は、瞑想の基本練習を続けた成果が、実生活の場に現れたことを示唆するものではないかと思う。
毎日時間を決めてやるヴィパッサナー瞑想(手動瞑想・呼吸瞑想)は、瞑想の基本を練習する場であり、本当の勝負の場は実生活である。実生活の中でなんらかの効果が見えてこなければ、「こんな瞑想は効果がない」と考えてやる気をなくし、途中でやめてしまうひとが多い。実生活の中で効果を上げていることに未だ気づけていない患者さんには、MさんやTさんのような、実際に成果を上げた患者さんの“気づき”を紹介することにしています。