applle-aさんが気づかせてくださいました、「ゆべし」という食べ物の謎。
日本全国に分布しながら、これほど地域によって製法も味も形状も用途も違う、お互い接点がない食べ物ったらありません。
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たとえば島根県・松江の銘菓「ゆべし(柚餅子)」は、柚子を入れた求肥の餅菓子。
これが東北にいくと、柚子が自生していないので「柚」が「油」に変化します。
果実で油分を豊富に含むものといえばくるみ、というわけで「くるみゆべし」。
東北の「くるみゆべし」はこちら
をご覧ください。
ところが石川県・輪島の「丸柚餅子」は、またぜんぜん違うお菓子なんですよね。こちら
でどうぞ。
かと思えば、長崎県・壱岐では柚子の皮を煮たものを「ゆべし」と呼ぶし。
愛媛県・松山の「ゆべし」はお菓子と違ごて珍味やし…。
wikipediaには「全国各地で様々な形状・味のゆべしが存在しており、製造法も異なり、千差万別である。中には各地のゆべしを食べ歩く事を趣味とする通もいる」と書いてあるんですがほんまかいな。
で、熊本の「ゆべし」は。
今まで紹介したものと、またぜんぜん違うのよ。
熊本県球磨郡あさぎり町・まるやなぎさんの「田舎の味 ゆべし」です。
【美しい飴色、柚子の香り、上品な甘さとかすかなほろ苦さ】
柚子が橙に色づく12月になると、「柚餅子」づくりが行われます。
柚餅子とは保存食の一つで、柚の中身をくり抜き、皮の器の中に砂糖やクルミ、胡麻等をと混ぜ合わせた「練り味噌」を詰め込み、2時間ほど蒸した後自然乾燥で約2ヶ月かけて一つ一つを丹念に仕上げた、独特の風味と香りがある珍味です。
柚餅子は薄く切ってお召し上がりください。
柚子の風味が口一杯に広がり、お酒のおつまみやお茶請けとしてお楽しみいただけます。
(サイトの商品説明より)
はい、和菓子ではありませんね、はっきりと珍味・おかずです。
私なんぞは、最初から球磨焼酎の肴にするつもり満々でしたから(笑)
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あっ、球磨焼酎いうのは、米焼酎の代表格ともいえる、この地域で造られる焼酎のブランドです。
自慢の名水と、名水がはぐくんだお米で醸される、透明感のある焼酎ですよ。
これこれ脱線しない。
【伝統の味は、素朴ながらも深い味わい】
餅のようではあるが、餅ではない。
羊羹のようでもあるが、羊羹でもない。
柚子の香りともち米の素朴な甘みがふわっと広がるお菓子です。
(サイトの商品説明より)
このままスライスしていただくだけで、焼いたり炙ったりする必要はありません。
もっちりとした食感、でも歯に心地良くさっくりと切れ、歯ぁにくっついたりもしません。
お味噌の風味と柚子の香りが馴染んで、えも言われぬ芳しさ。
練り込んであるピーナッツと胡麻の香ばしさがそれぞれ交代に出てきて、こしょうのピリッとした辛さが最後を引き締めます。
どんなに高級食材を積み上げても、どんな三ツ星シェフとて、この複雑な味わいのオーケストラを生み出すことは、できません。
自然の恵みと人間の語り合い。
先人が積み上げてきた食の知恵。
その集大成こそが、この「ゆべし」なのですから。
他の地域の「ゆべし」もそれぞれに歴史があり、知恵があり、味わいがあります。
ほんまに食べ歩きをするほどの価値は、ありますね。
※こちらもご覧ください
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