弁護士西脇威夫/企業法務・スポーツ法専門の法律事務所のブログ

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東京・六本木にあるリップル法律事務所代表弁護士によるブログです。企業法務を専門としながら、スポーツ振興に力を入れています。

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作成を始めたのは約3年前の「スポーツ事故対策マニュアル」がやっと発行までたどり着きました!!30人以上の弁護士が書いたもので、私は編集と執筆をさせていただいています。

 

事故は起こってしまえば、いくら損害賠償をもらっても取り返せないものがあります。予防しなければなりません。買ってね。

 

台湾の台北の弁護士会との交流会のため、台湾に行って来ました。2日目の今日は台北の高等裁判所等を見学しました。高等裁判所では刑事事件の法廷を見たのですが、書面の電子化をはじめとした裁判手続きのIT化が日本よりもずっと進んでいます。各席にはモニターが設置されていて、証拠の提示がその画面で行われるだけでなく、裁判の記録も同時に見られるようになってます。日本では、予算だけでなく、ぐちゃぐちゃ文句を言う人がたくさんいそうだけど、完全に抜かれたように強く感じました。


明けましておめでとうございます。


ここ数年、国内及び欧米地域の案件に加えまして、カンボジア、シンガポール、韓国などの会社から訴訟や契約交渉の依頼が着実に増えております。中国経済の減速の影響が懸念される昨今ですが、私としましてはまだまだ東南アジアの勢いを感じています。そのような中、さらなる関係強化の為、昨年はカンボジアとシンガポールの弁護士会を訪問して参りました。今年1月には台湾の弁護士会を訪問する予定で、新たな地域での関係構築を目指しております。このように、従来からの欧米地域に加え新たな地域との関係強化により、多方面に渡るサポートを可能とすることで、日本の会社の皆様の海外進出をはじめとするビジネスの新たな発展を積極的にご支援させていただきたいと考えております。

国内では、会社関係の他に新たな活動としてスポーツ仲裁の仲裁人を初めてやらせていただきました。中立な立場で判断をしたことは、スポーツ関係だけでなく、一般的に紛争をうまく解決に導くためにはどうしたらよいのか考えるよい経験になりました。スポーツ関連では新聞社からコメントを求められる機会も多くいただくようになりました。日々進化する会社関係法務に研鑽をつむのはもちろんのこと、ライフワークでもあるスポーツ関係でもさらなる発展をめざし、皆様のビジネスの発展にお役に立てるよう本年も精一杯努めて参りたいと思っております。


本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

スポーツ施設の指定管理者の方から、施設が老朽化していて改修が必要なのに県は「何か事故があっても国家賠償で対応するから」といって対応してくれない、という趣旨のご相談がありました。法律の理解が間違ってるし、そもそも金の問題ではなく事故を起こさないことが重要なのだという意識もないことが、大きな問題だと思います。事故が起こった場合、お金で全部元に戻るのか。事故は防止しなければなりません。

下級審の判決についてこんなのあったら外で遊ばせられないと思っていたので、妥当な判決だと思います。判決では言及されていないですが、むしろそういうところを走る側が予見できた(注意すべきであった)のではないかと思います。

□最高裁第一小法廷(山浦善樹裁判長)、責任弁識能力のない未成年者が他人に損害を加えた場合にその親権者が民法714条1項の監督義務者の義務を怠らなかったとして、両親に賠償を命じた2審の判決を破棄し遺族側の請求を退ける判決(9日)
 http://r26.smp.ne.jp/…/8jgl05g8Dv3G_2…/329994_150410061.html

ナイキやアディダスも同じ再販価格拘束で立ち入り検査を受けたことがあります。

会社がやらせたというよりは、セールスの人とか現場の人が会社に良かれと思ってやっちゃうのかもしれません。どういうところに法律が関わっているのか、よくわかっていない社員の方も多いと思うので、わかってもらうよう努力しなければなりません。

 

米国の人気キャンプ用品メーカー「コールマン」の製品をめぐり、小売店などに安売りをしないよう強制した疑いがあるとして、公正取引委員会は17日、独占禁止法違反(再販売価格の拘束)の疑いで、同社の日本法人「コールマンジャパン」(東京都港区)の本社などを立ち入り検査した。(朝日新聞デジタル)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150317-00000028-asahi-soci


日本に住所を有する代表取締役のいない株式会社が可能になりました。今まで、日本に子会社を作るために、日本に住所を有する代表取締役になれる人を探すのに苦労している会社をいくつか知っているし、そもそもこの制度自体??だったので、改正/改良だと思います。


昭和59年9月26日民四第4974号民事局第四課長回答及び昭和60年3月11日民四第1480号民事局第四課長回答の取扱いを廃止し,本日以降,代表取締役の全員が日本に住所を有しない内国株式会社の設立の登記及びその代表取締役の重任若しくは就任の登記について,申請を受理する取扱いとします。

株式会社の取締役は、会社法上、取締役個人の責任が規定されています。


そのような責任を問われることがないよう、どのような場合に会社に対して責任を負わなければならないか考えてみたいと思います。


会社法上、株式会社の取締役は、その任務を怠ったときは、会社に対して、これによって生じた損害を賠償する責任を負います(会社法4231項)。


取締役が任務を怠ったとされるのは、取締役と会社の関係は、委任に関する規程に従うので、会社に対する善管注意義務・忠実義務の違反があった場合です(会社法330条・355条)。


それでは、いかなる場合に、任務を怠ったとされるのでしょうか。


そもそも経営判断には、決まった公式がない場合がほとんどであり、次どうなる

のか不確実な段階で判断をする必要がでてくる場合や冒険をする必要がある場合も多くあります。



そのような場合の判断にまで任務が怠ったとされ、責任が課せられるとなると、取締役は萎縮してしまい、かえって適切な経営判断を行うことができません。これは株主の利益にもなりません。



ビジネスジャッジメントに対して、それぞれの分野の専門的知識が必要となるため、裁判所がその評価をするべきではないという考えも原則にあると思われます。

 

 そのため、取締役の責任の有無を裁判所が判断する基準として、判例上、経営判断原則というものがあります。


これは、


1、判断の前提となる事実の認識に不注意な誤りがなく、かつ

 2、判断の過程・内容が著しく不合理でない

場合には、取締役はその判断について善管注意義務違反の責任を問われない。」


というものです。



すなわち、取締役にはその判断に広い裁量が認められており、経営判断をした時点で一定の要件を満たす限り、結果的に会社に損害を負わせたとしても法的責任を負わせません。



つまり、事後的、結果論だけの評価がなされてはならないというのが原則的な考えです。


この原則に従うと、取締役が善管注意義務違反を理由に損害賠償責任を負う可能性は低いと言われています。


そのような中、最高裁判所で、取締役の任務懈怠を認めた興味深い判決(福岡魚市場の株主代表訴訟(平成26130日判例時報2213123頁)が出ました。


本件では、親会社Aの取締役3人が、取締役または監査役を兼任している子会社Bが多大な不良在庫を抱えているのを知りながら十分な調査もせず、合計224000万円を貸付けました。しかし親会社は子会社から十分な返済を受けることができず、最終的には188000万円の損失を被りました。


本件における取締役の責任については、一審でも控訴審でも、経営判断の原則の適用が主な争点の一つでした。

すなわち、Bに貸付をすることは経営判断なので、Aの取締役は、法的な責任を問われないかということです。



第一審では、被告となったAの取締役が、AおよびBの在庫の増加の原因を解明すべく具体的かつ詳細な調査をし、又はこれを命ずるべき義務があったにもかかわらず、何ら具体的な対策をとることがなく、BひいてはAの損害を拡大させるに至ったものとして、調査義務を怠った点に、取締役の忠実義務及び善管注意義務違反を認めています。



控訴審でも業績に回復の具体的目処もなく、経済的に行き詰って破綻間近となっていたことがあきらかなBに対して、貸金の回収は当初から望めなかったとして、同様な判断がされました。


最高裁では、遅延損害金に関する上告受理申し立ての理由のみが判断の対象となり、控訴審までで認めた取締役の責任の存否に関する主張は受理されませんでした。

すなわち、最高裁でも取締役に責任があるという判断は変わらなかったということです。


本案件では、明確に経営判断原則の定式に沿った判断がなされているわけではないですが、それを意識して検討されていると考えられます。


一方で、そもそも経営判断の原則が適用されるべき事案でないとの考えもあります。


すなわち、そもそも経営判断原則の趣旨は、上記の通り、次どうなるのか不確実な段階で判断をする必要がでてくる場合や経営上の冒険をする必要がある場合に積極的な企業経営を行うインセンティブを与えることにあります。

しかし、本案件では子会社を倒産させないというリスク回避の場面であるため、そもそも経営判断の原則が適用されるべき事案でない、という考えです。


一般的には、経営判断の原則に従うと、取締役が善管注意義務違反を理由に損害賠償責任を負う可能性は低いかもしれません。

しかし、取締役が業務を行うにあたっては、本案件にみられるように責任を負う場合があります。



法的責任を負わないのであれば何をやってもいいという結論にはなりませんが、どのような場合に法的責任を負うのか、しっかり理解し、責任を問われないための対策も意識して業務を行う必要があります。


次回は、取締役として注意すべきポイントについてもう少し考えてみたいと思います。




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チャリティマラソン大会の運営部の会議に出席させていただきました。


マラソン大会は運営に四苦八苦しているところも多いのに、この大会は数千万円のチャリティを集めて寄付しているので、どういう仕組みなのか是非知りたいです。


参加者も多いので安全面も含め課題は増えていますが、みなさん楽しんで前向きに取り組んでいらっしゃいます。


我々が期待されているリスクマネジメントについてはどちらかというと後ろ向きの感じがしてしまいますが、ボランティアでやっているから、というのは責任逃れの言い訳にはならないし、何がおこってもきちんと対処できるように対策を練っておく必要があります。


考え方によっては前向きと言えなくもない。


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