今回はクレーム錬金術の26話をUPします。


いつも予約でいっぱいとなっている話題の居酒屋さんで起こった出来事をもとに、お客様商売におけるスタッフ発言のあり方について書きました。


「当日キャンセルは受けていません」って言われてもねー・・・。





クレーム錬金術26話

 大人気の居酒屋さんがありまして、予約なしではなかなか入れない盛況ぶり。友人との飲み会で予約していたのですが、当日、諸都合で飲み会は延期となりキャンセルの電話をしました。

ところが電話に出た店員さんの返答は「当日の予約キャンセルは受けてません」と。

座席の予約だけで、コース料理を頼んでいたわけではなかったのですが、人気店ですからご迷惑をおかけしてしまうことには違いなくしっかりとお詫びしました。それでも帰ってくる言葉は「ですからー、当日のキャンセルは受けていないんですよ」と語気も強めに言われる始末。

「ではどうしろと言うことでしょうか?」と尋ねてみると、少しの間考えている様子で結局「どうしても来れないんですね」とあきれたように言ったかと思うと、そのまま電話を切られてしまいました。

 どのように言ったところでキャンセルは変わらなく、であるなら文句の一つもぐっとこらえて 「わざわざお電話いただきありがとうございました、ご予約のキャンセルでございますね。また機会がございましたら是非ご利用下さい」と、逆に相手を気遣い、次回の来店を少しでもうながす返答をするのが最善。もしそのような返答だったなら、次の機会にはきっとその店を利用していたと思います。

ホールにおいても、言いたい言葉をぐっと飲み込んで、感情を逆撫でない表現が求められるシーンが多いはず。いや、むしろお客様商売においてはほとんどのシーンがそうだと言えましょう。

お客様の行いが過ぎた場合であっても、言葉や語気に気をつけ、ご協力をお願いするにような対応を努めなくてはなりません。

例えばプレイに熱くなって台をバンバン叩かれるお客様がいたとします。遊技台が破損する恐れもありますし、何より周囲のお客様が困惑してしまいます。そのような場合でも「ご遊技中に恐れ入りますお客様。遊技台に何か不具合でもございましたか・・・」とお客様を気遣う言い方で、あくまでもご理解をうながす対応が望まれます。

お客様を責めるような言葉を並べたところで、ホールにとってのメリットなどなく、発生するのは遺恨や悪評のみといったところ。「お客様とスタッフ」という関係や立場をしっかり考え、いかなるシーンにおいてもお客様を気遣う対応を心がけましょう。

話は変わりますが、以前この連載の中で、クレームが生じやすいポイントとして「引き継ぎの不手際」について軽くふれたことがあります。今回はどのように対応するのがよいのかを含めて解説したいと思います。

引き継ぎの不手際ではこのようなクレームがありました。

「紙幣詰まりのトラブルがあり修復。しかしその分のカウントがされていないことに気づき、改めてスタッフに説明しました。調査に時間がかかるということなので電話で連絡をもらうことに。

確認がとれたようなので翌日に伺うことを伝えると、カウンターで名前を伝えればすぐ渡せるようにしておくと言っていた。

ところがその件の伝達がされていないのか、事情を把握されていない様子。いちから状況の説明をしましたが、事務所とカウンターを4回も往復し随分と待たされました・・・。」

伝わっていなかった実態も問題ですが、何より「お客様との約束」の重さについて改めて考え、一同猛省した出来事でした。

スタッフ間の伝達が行き届かないと、お客様にとっては同じ説明を何度もすることになってしまいます。「店長の指導不足のせいだ!」とお叱りを頂戴するくらいならまだ良いほうで、ホールそのものの不信感へと繋がりかねないものだという認識を持たねばなりません。

 カスタマーセンターが実施しているお客様対応の研修で「引継ぎ」や「伝達」のトレーニングを行っているのですが、そつなくしっかりできるスタッフは少ないというのが実態でした。

特にアルバイトスタッフは何かのトラブルやクレームを受けた際、対応を役職者に代わるケースが多いと思われます。引継ぎがしっかりできないため新たなクレームを発生させてしまうケースも往々にして発生しています。

引継ぎの際に押さえなくてはならないポイントは「しっかり伝える」ということです。

【お客様にお伝えすること】  

お詫びを含め、対応者が代わる旨

お待ちいただく時間(何分くらい)

お待ちいただく場所

           

  【引き継ぐ者に伝えること】

いつ、どこで、何が、どうしたか

自分自身の行った対応内容や話したこと

お客様の主張や要求

お客様の状態(感情の具合怪我の有無、時間的猶予など)

何分お待ちいただくと伝えたのか

どこでお待ちいただいているのか

ひとつのことを引継ぐのに最低でもこれらの押さえるべきポイントがあります。とは言え、覚えてしまえば難しいことではなく、訓練しだいですぐに身に付き、そつなく実践できるようになるはずです。

もうひとつ重要なことは引き継いだ者の対応力。この対応力は一朝一夕では身につきませんが、「さっきのアルバイトよりひどい」と言われないレベルにはしたいものです。研修時にダメだししたことの多いポイントは「滑舌」の悪さです。

「お待たせしましてたいへん申し訳ございません」、「ご迷惑をおかけしてしまい心よりお詫びいたします」などはほとんどのケースで使われるであろう代表的なお詫びのセリフ。しっかり言えて当然なのですが、皆さんは「噛まず」にすんなり言えるでしょうか。

お詫びの言葉をしっかり丁寧に伝えることができれば、それだけでお客様の心象はぐっと良い方へ向かいます。

有名なアナウンサーが滑舌をよくする訓練方法をテレビ番組の中で紹介していました。箸などを口に咥えた状態で「ブラジル人のミラクルビラ配り」と言う。しっかり言えるようになるまで毎日練習だそうです。

やってみるととても難しい。でも効果は期待できそうです是非お試し下さい。