『①池亭記(チテイキ)』 は、
慶滋保胤(ヨシシゲノヤスタネ)が記した漢文作品で、
平安期に京の西域にあたる右京の地が
衰退して行く様子を描いており、天元5年に成立した。
保胤は平安中期の貴族・官僚・儒学者で、
後に出家し、「内記入道」とも呼ばれる。
念仏結社「勧学会」などの結成にもかかわった。
『池亭記』は右京の池のほとりに
結んだ庵で隠遁生活に入り、
そこで寂れ行く右京の地の様子など
京の世相を描くと共に、自身の心境や思いも綴っている。
文人貴族の風流を表現した作品とも云われ、
源通親(ミチチカ)『久我草堂記』
や鴨長明『方丈記』に影響を与えたとされる。