上層の高欄に4カ所鳥居を造作している点が

珍しい多宝塔が、舞鶴市の【47】円隆寺にある。

 

 

 

内部は8角形の心柱を立て、

周囲を折上小組格天井とする。

 

四天柱を花頭窓風の頭貫で繋ぐのが近世的とされ、

この多宝塔には宝暦元年の無名札が残っている。

 

円隆寺は真言宗の寺院で、

寺伝では奈良期に行基が開創、

長徳年間の再興とされる。

 

中世には寺勢を誇ったが、

現在の伽藍は享保17年の火災後の再建である。

 

多宝塔の他、

鎮守社・総門・鐘楼・本堂が18世紀の再建であるが、

鎮守社以外は林田姓の者で、

特に伝之丞房章が本堂・鐘楼・総門を担当している。