【46】近衛天皇の安楽寿院南陵が本坊の南に在って、
そこに多宝塔が建っている。
現・多宝塔は慶長11年の再建で、
豊臣秀頼が片桐且本を奉行に再建したとされる。
二層・本瓦葺・高さ約16m。
安楽寿院は保延3年に鳥羽上皇が
鳥羽離宮の東殿を寺に改めたのに始まる。
鳥羽上皇は三重塔を本御塔としたと云われ、
崩御後は御骨を納める塔所とされた。
上皇皇后・美福門院も新御塔を建立し、
後に近衛天皇の遺骨が納められた。
近衛天皇は鳥羽天皇の皇子で、
御遺骸は舟岡の西野で火葬し、
遺骨は紫野知足院に安置されたが、
長寛元年に鳥羽殿の新御塔に改葬されたと伝わる。