【44】浄瑠璃寺のもので国宝になっている。
緑深い山中に開かれた境内には園池が在り、
園池を挟んで西に本堂、東に三重塔が建つ。
各重共3間四方で
尾垂木(オダルキ)付の三手先組物を用い、
二軒繁垂木(シゲ・密集させた垂木)とする。
高さ約16mと小規模で、心柱も2重目で止まり、
初重内部に四天柱・心柱はなく、
平安期としては異例とされる。
この三重塔は『浄瑠璃寺流記』
によれば平安末期の治承2年11月に
京都一条宮から移築されたとあるが、
創建については定かではない。
しかし、
形式手法から見て移築の時期をあまり遡らない
建立と推測される。