京都には数多の社寺があり、有名な塔が点在している。
中でも現存する木造塔として最高の高さを誇る東寺五重塔は、寛永【41】によって再建された。
京都府内現存最古の木造建築物である醍醐寺五重塔、
天暦5年建立の創建当初の建築である。
又、鎌倉期の塔の遺構として貴重な海住山寺五重塔は裳階(ショウカイ)の付いた美しい塔で【42】の一周忌に建てられたものである。
室町期の塔の遺構である法観寺五重塔は八坂の塔の名称で通っている。
平安期の伝説で、八坂塔が傾いた際に【43】が法力で立て直したと云う。
三重塔としては、京都府下最古のものは【44】寺の塔であり、その近くにある【45】寺の塔では天邪鬼が塔の垂木を支える姿が見られる。
塔にも種類があるが、多宝塔では珍しいものに、伏見にある【46】天皇の御陵に建つ塔が在る。
又、舞鶴市の【47】寺には亀腹(カメバラ)に瓦を葺き、
上重の高欄に鳥居を持つ多宝塔がある。
石塔の類があるが、宇治川の中洲にある浮島十三重塔は高さ約15mで日本最大の石塔で、宇治橋再興の時に【48】が建立した。
高層建築としての塔は、時の権力者によって、権力を象徴するモニュメントとしても建てられ、とりわけ白河法皇は壮大な法勝寺(ホッショウジ)を創建し、そこには八角九重の塔が建てられた。
室町期、相国寺には高さ109mと云う巨大な七重の大塔があった。又、平成28年これに並ぶ幻の大塔の「相輪」の一部と見られる青銅製の破片が【49】寺の境内から発掘された。
残念ながら、
これらの巨大な塔は何れも現存していない。
モニュメントとしての広義の塔と云えば、
現在では京都タワーであろうか。
これは日本武道館も手掛けた建築家【50】の設計で、
海の無い京都の街を照らす灯台をイメージして建造されたと云う。