大覚寺・五大明王像は、

像高が坐像52センチ・立像60~75センチと小振りだが、

彫技は極めて洗練された優品である。

 

 

 

作者・制作年代は台座裏の墨書によって、

仏師・明円が安元2年から翌年に

かけて制作したと判明している。

 

明円は、

仏像制作の和様化に貢献した

院政期の仏師・定朝の弟子・長勢(チョウセイ)に始まる

三条仏所の英才で、名前に「円」の付く仏師が多く

「円派」と呼ばれた五代目である。

 

五大明王像は平安期に於ける

円派の明らかな作例として貴重。