「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」

(伝産法1974年制定)は、

伝統的な技術・技法によって製造されている工芸品を

「伝統的工芸品」に指定し、

技術の継承と産業振興を図る事を目的としている。

 

指定は経産大臣が産業構造審議会の意見を聞いて行う。

 

指定対象は、

○主として日常生活の用に供され

製造過程の主要部分が手工業的であり

○伝統的に使用されて来た原材料を用い

○一定地域に於いて少なくない数の者が製造に従事している

・・・とされている。

 

 京都からは昭和51年の指定で、

(1) 西陣織

(2) 京鹿の子絞

(3)京仏壇

(4)京仏具

(5)京漆器

(6)京友禅

(7)京小紋

(8)京指物

(9)京繍

(10)京くみひも

が選ばれ、その後に、

(11)京焼・清水焼

(12)京扇子

(13)京うちわ

(14)京黒紋付染

(15)京石工芸品

(16)京人形

(17)京表具

が加わり現在、指定工芸品は17種。

 

 その殆んどが平安京の宮廷文化に発し、

社寺文化や茶道文化に欠かせない工芸品として、

一層の洗練を加えて来たものである。

 

西陣織は豪華絢爛な糸使いによる

文様の精緻さで京都を代表する織物。

 

京くみひもは帯締めや羽織紐をはじめ、

調度・祭礼にも使われている。

 

京仏壇・京仏具は仏教各宗の本山が多くある

京都ならではの立地が生み出した工芸で、

全国屈指の品質を誇っている。

 

京指物は板や棒を組み、指し合せて

調度類や茶道具を作る木工芸の頂点として知られる。

 

京表具は掛軸・屏風・額装などの総称で、

仏教を通じて平安期に伝えられ、

日本建築のインテリアとして欠かせない。