現在の葵祭は、

行列(行粧(ギョウショウ)と呼ばれる)である「路頭の儀」と、

下・上両社で行われる「【33】社頭の儀」から成り立っている。

 

本来は「路頭の儀」の前に

「宮中の儀」が行われていたが、

現在は「進発の儀」が行われている。

 

午前10時半、

御所の【32】建礼門前を出発する行列は、

総勢500人余、長さは約1キロに及ぶ。

 

行列の先導役は乗尻(ノリジリ)

と呼ばれる騎馬隊で、

これは上賀茂神社での

競馬会(クラベウマエ)神事の騎手が務める。

 

これに続き、

男列とも云われる本列で、

行列中、最高位はこの近衛使(コノエツカイ)である。

 

次に斎王代を中心とした女人列が続く。

 

下社・上社で行われる「社頭の儀」は、

基本的に同じ内容である。

 

供え物(御幣物(ゴヘイモツ))を神前に献じ、

勅使が祭文を奏上する。

 

これが社頭の儀のメインで、

この後、宮司が返祝詞(カエシノリト)を奏上し、

葵桂(キッケイ)を勅使に授けて、

2頭の馬が舞殿を3周する「牽馬(ヒキウマ)の儀」、

6人の舞人による「東游(アズマアソビ)」の奉納が行われ、

最後に馬場での「走馬(ソウメ)の儀」で、

社頭の儀は終了となる。