モーツァルト・トリオのモーツァルトK.563とピアノ四重奏曲 | angsyally1112のブログ

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モーツァルト
ディヴェルティメント変ホ長調K.563
モーツァルト・トリオ
ジャン=ジャック・カントロフ(ヴァイオリン)
ウラディミール・メンデルスゾーン(ヴィオラ)
藤原真理(チェロ)
録音:1983年3月

『モーツァルト・トリオ』と名乗る以上、この曲に自信があるのでしょう。この曲を演奏する為の三重奏団なのでしょうから。

この曲には多くの名盤がありますね。
古くは、パスキエトリオの清楚でキリッとした演奏、フランストリオ、グリュミオートリオ等のロマンチックで最もこの曲の原イメージに近い演奏、何とも意味深で形而上学的とも云える美しいデュメイ盤、完璧過ぎて形容のしようのないシェーンベルグトリオ等の忘れられないディスクを一杯思い出します。アマデウス四重奏団盤やクレーメル盤も良かったですね。

それらの名盤に対して特別な個性も感じられず、良く聴いて来なかったのですが、取り出して聴いて見ると、その無個性の所がかえって爽やかに感じられ、我ながら何ともわがままな聴き手であると呆れております。
第2楽章の美しさにはとても引き込まれました。有名な第4楽章の変奏曲もその丁寧な演奏に耳を洗われる思いです。



モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番ト短調 K.478
モーツァルト:ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調 K.493
モーツァルト・トリオ
ジャン=ジャック・カントロフ(ヴァイオ リン)
ウラディミール・メンデルスゾーン(ヴィオラ)
藤原真理(チェロ)
ジャック・ルヴィエ(ピアノ)
(1985年録音)


続いてこれも有名な2曲のピアノ四重奏曲です。
この曲のディスクもけっこう所有していますが、好みの盤は、僅かです。かつてはアマデウス四重奏団のモノラル盤を良く聴いていましたが、ジャン=フィリップ・コラール&ミュイール弦楽四重奏団の盤を聴いてト短調の第1番はこの演奏が最も私のお気に入りになっています。又、変ホ長調の第2番は、最近のフォーレ四重奏団の演奏が好みです。

特に第1番は、第1楽章展開部最初のピアノソロが、この曲で最も重要な箇所だと思っていますので、その静寂感に満ちた神聖な美しさが聴き取れる事が、大きなポイントなのです。
今回ここに聴くモーツァルト・トリオの演奏は、残念ながらその箇所は不完全燃焼の感がありますが、K.563同様に何となくカジュアル感に満ちた親しみ易さがあって、最後まで聴き通しました。

ヘッドホンは、AKG K501です。