交響曲第10番ホ短調 Op.93レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指揮)
収録時期:1976年3月3日(ステレオ)
収録場所:レニングラード・フィルハーモニー大ホール(ライヴ)
エンジニア:セミョン・シューガル
ムラヴィンスキーの第10番は、格別の存在で、他の演奏とはかけ離れた孤高の演奏であると、私なりに予備知識を持って挑みました。
同時に聴いたバルシャイ盤の聴き易さに比べればその違いは、殆ど初心者の私にも直ぐに理解できます。
最初の出だしから圧倒的な緊張感と暗鬱な響きにこの演奏のただならぬ迷路に放り込まれ出口を求めて恐怖と戦うような境地に陥ります。
それまでの交響曲に比べてより室内楽な響きを感じます。そういえば聴き慣れた弦楽四重奏曲のフレーズが、しばしば聴き取れます。
第3楽章から曲調が変わります。圧倒的に素晴らしいピーク部は何度も聴いてみたいと思える箇所です。
この演奏が特別の存在である事はよく解ります。この演奏を聴く事自体が『体験』ですね。
しかし聴く方も相当のパワーが要ります。
暗愚舎利『矢車草の歌』です。遅ればせながらこの曲もアクセス数が1000回になりました。


