AKG(アーカーゲー)のヘッドホン:私的感想 | angsyally1112のブログ

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人生残り少ない暗愚舎利の日々の思いを綴ってゆきます。



私は、自身自覚していませんが他人から見れば、多分『AKGフェチ』と呼ばれるAKGファンなのでしょうね。
現在、9種11台のAKGのヘッドホンを所有しています。
最近は、たった2種しか所有していないゼンハイザーのヘッドホンにばかり目がいっていましたが、少し落ち着いてきたようです。

左からK240s、K550 、K400の3台です。
キーボード曲の録音時のモニターに使っているK240s、時々開放型の代わりに使っているK550、どんな音がするのか単なる興味で購入したK400の3台を除いて、K501・601・701・702・712proそしてQ701の計6台は、各々固有の個性が有って、クラシック音楽を聴く際に細かく使い分けています。

左からK601、K701、K501の3台です。

左からK712pro、Q701、K702の3台です。

ネット上のレビューでは、余り変わらないかのように扱われている場合もありますが、あくまでクラシック音楽に限って詳細に聴くならば、曲や音源によって大きく違って聴こえます。  
その為にこの6台は、私にとっては手離せない大切なヘッドホン群です。

私のK501は、余りにボロボロだったのでもう1台購入し、計2台所有しています。ピリスのモーツァルトピアノソナタ、ゴールドベルグ/ルプーの モーツァルトやシューベルトのヴァイオリンソナタ、又、バッハやヘンデルの室内楽、チェンバロ曲等は、他のヘッドホンでは聴くことが出来ない抜群の適応性を持っています。


K601は、最初の1台は片方の音が聴こえなくなったので、もう1台購入しました。
ハイドン、モーツァルトやシューベルト、ブラームス等の弦楽四重奏曲を聴くのに無くてはならないヘッドホンです。
ベイヤーT1が、ベートーヴェン、バルトーク等の弦楽四重奏曲を聴くのに使用しているのに対して何よりも繊細でロマンチックな音色が魅力です。


K701は、最もAKGサウンドが濃厚なメーカーを代表する有名なヘッドホンですね。
『モーツァルトホン』と呼んでも良い位にモーツァルトのサウンドに寄り添っています。
初めてランパル/ラスキーヌの「フルートとハープの協奏曲」をこのヘッドホンで聴いたときの震えるような感動は忘れられません。交響曲、弦楽五重奏曲、クラリネット五重奏曲等、基本モーツァルトならなんでも来いです。
フォーレ、ドビュッシー、ラベル等のフランス物の室内楽も曲によっては良く合います。


K702は、最もフラットなAKG開放型のリファレンスホンです。その分個性が少ないとも云えるのですが、6種の中では、最もオールマイティなヘッドホンでもあります。細かい事が気にならないのならこれ1台在れば他の5台は無くても良い位です。
いやー、さすがに私は、そうはいかないですね。  
音色はk501とK400を足した様なサウンドです。ですから、繊細さではK501には及びませんが、音にリアリティがあります。  
K701よりエッジがきついので、クリアに聴こえます。低音も少し多めです。
フランス物のクラシック(フレンチクラシック)に滅法強くて、フランク、ショーソン、ドビュッシー、ラヴェル、フォーレ等の室内楽を中心にとてもフランス風の理知的でクリアそして十分なロマンチシズム溢れるサウンドを聴かせてくれます。ピアノが、K701より得意なのでピアノ入りの室内楽も素晴らしいです。
それらに限らず、オーケストラ曲や弦楽四重奏曲でも結構合う場合もありま す。


Q701は、そのパステルカラーの美しい音色が魅力で、シューベルトを聴く際のリファレンスホンです。
ピアノ曲、ピアノトリオ、「鱒」、八重奏曲、ミサ曲等、又、ロマン派のピアノトリオやピアノ協奏曲を聴くのにもとても重宝しています。
K702のようにピアノが結構得意です。又、K702よりさらに低音が多めに出ますので、ロマンチックな雰囲気や、迫力も十分です。但し、K701の様なキラキラ感や甘美さは幾分薄れます。  


K712proは、上記の5台とは一番違った音色です。
高音のクリア感は相当減少しますが、代わりに迫力ある中低音がこのヘッドホンの特長です。
然し、HD650のようにマッタリとした 雰囲気のサウンドではなく、何処までも乾いた音質に聴こえます。何処かbeyerdynamicのサウンドに似ています。
独特の空気感が、魅力的でオルガンやパグパイプの音質を思い起こさせます。
オーケストラ曲が一番合っていそうですが、実際には他社製のヘッドホンで交響曲等は聴いてしまいます。せいぜいハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン位です。
それよりも私は、バッハをこのヘッドホンで良く聴いています。先日聴いたシュタルケルの無伴奏チェロ組曲も他のヘッドホンより群を抜いて素晴らしく聴こえました。
バッハに限らずバロック音楽全般に良く合っているようです。

AKGのヘッドホンの特長は、繊細で美しい高音です。その音質はバロック、古典派からロマン派迄、器楽曲や、小編成のオーケストラ曲にとても良く合います。
室内楽の大好きな私には、無くてはならない6台です。AKGには、この上にフラッグシップのK812が有ります。正直高価なもので手が出ません。本当はフラッグシップK812を入手してこのAKGのヘッドホンのレビューを書きたいと思っていたのですが、生きている内に叶いそうもないので、今回記事にしてみました。