[お姉ちゃん、春先に警告の地震が来るよ」

 

 それは三十年近く前の1995年、阪神大震災が起きた年の事である。ひょんな事から知り合った当時まだ大学生だったお嬢さんが語った前述、驚愕の一言は未来地獄絵図入り口の話だった。

 

 その後、当該女子大生は会う度に私や私の身の回りで近未来に起きるであろう種々様々な出来事を親切にレクチャーしてくれた。

 私は、どちらかと言えば、その類の対極に位置する考え方を持っている人間で、「ふ~ん、ふ~ん」と、失礼にならない程度生返事?をしながら聞いていた。

 ところが何日か経つと、彼女が話していた事象が次々と、しかも明確な形で現実となる事に驚愕したことを覚えており、何時しか彼女の事を心の中で霊感少女と呼ぶ様になった。

 前述の様な、奇異な体験の中で、いまだに忘れられないのは東京を襲う超巨大直下型地震を含む各地震予知の話だ。

 随分以前の事なので、一言一句を正確に記憶している訳ではないが、あらすじは覚えている。

 彼女曰く、「北海道の離島で地震がある、津波でたくさんの家が消失する。次は関西。まだ夜が明けない真っ暗な寒い日の早朝、神戸を中心に大地震が起きる。昼間、真っ黒な煙が空一面を覆い、たくさんの人が死ぬんだよ」。

 これを聞いたのは奥尻島の地震と津波、阪神大震災後だから「ふ~ん、ふ~ん」、と言った受け答えをご理解頂けると思う。

 

 彼女は続けて言った。

 「次は東北地方中心に大きな地震が来る」

 

 これは、2011.3.17.発生した東日本大震災のことだが、話を聞いてから十数年後現実となった。

 「雪のチラつく寒い日、大津波で町が消えちゃうんだ。多くの犠牲者が出るよ。そして最後は東京なんだ。蒸し暑い日の雨上がりの夕方、東京に超巨大地震が来るんだよ。地下鉄の中でいっぱい人が亡くなるんだ、新宿の高層ビルが幾つも横になっていたり、東京湾に近い首都高速が全滅している。人口の三分の一が死ぬんだ」

 

 阪神淡路大震災以降の地震予知は、その時点では起きていないどころか、東日本大震災は十数年後の発生であり、今回テーマの東京直下型巨大地震は未だ起きていない事を念頭に置いての話。

 

 その時、私が尋ねたのは、「それってどこかの国の原爆か水爆を積んだミサイルが落ちるんじゃないの?」に対し、「ううん、だってXXがそう言ったんだもの」、が彼女の答えだった。

 「XXって何?」、の問いに、「私の部屋に置いてある動物の等身大ヌイグルミの事で、そのXXがね、お姉ちゃんお姉ちゃん、今度こうなるよって私の耳の後ろで囁くの」

 「東京の地震は何時来るか言ってた?、もしまだなら、ぜひ聞いて」と頼んだが 、「XXとの関係は、私が聞ける立場じゃないの、一方的に向こうが出て来て囁くだけだから……。そう言えば、<春先に警告の地震>が来るって言ってたわ」

 「春先って何月?、場所は東京?」

 「だから分からないって、でも塩と梅干と玄米を用意しておけって言ってた。そんな事より、体の調子が悪そう。身体に憑き物が見えるんだけど、私は取る力が無いの。誰か取る事が出来る人を探して取って貰ったほうが良いですよ」

 それが、彼女と交わした最後の会話だった。

 

 確かに仕事も忙しく飲み過ぎもあり、当時私の体調は絶不調。病院に行くようなこれと言った部位のダメージは感じないのだが、このままでは先が長くないのでは?、と思う時もあった。

 

 今なら、ネットでそれらしき「除霊」とでもキーワードを打ち込めば簡単に検索出来ただろうが、三十年近く前の話。そんなツールも無く、また、真偽や根拠不明の怪しげな話。如何ともし難いモヤモヤした気分で過ごしていたことを思い出す。

 

 その数か月後、仕事の関係で顧問をお願いしていた大先輩に偶然その話をしたところ、君がその類を信じるタイプとは全然思っていなかっが、心当たりがあるので紹介しよう、と祐天寺駅の近所にあった不思議な場所を紹介された。

 そこは三階建てのビルで、室内は水路までしつらえてある異質の空間だった。止まり木やカウンターもあり、一見飲み屋?と見間違えるような造りだった。顧客が持ってきたお布施の超高級日本酒なども多く見受けられた。

 TVでその類の話の第一人者?XX、日本作詞家協会の会長XXも良く来る、と話していたのは皆から先生と呼ばれていた中年の男性。

  「おお、一杯連れて来たのう」

  これが私に掛けられた第一声だった。

  

 その場所で聞いた事、して貰った事(体の矯正、整体等)の詳細は省くが、次の日以降、それまでの絶不調が嘘のように解消。今まで経験したことのない爽快感に包まれ、何年間も絶好調が続いた。

 その先生に霊感少女の話をしたところ、似顔絵を描いてくれたが、そっくりなのには吃驚仰天。地震の話をすると、「すぐやないやろ、でもそれを聞いてどうするんや?」

  「決まってるじゃないですか、逃げるんですよ」

  「人間何処かでツケを払わなイカン、逃げても一緒や。地震はすぐやないけど、山の様な大津波が見えてるなあ。でも、それより赤地に黄色い星のマークの旗が付いた潜水艦が近海をウロウロしとる。そっちの方が心配やろ」

  「その国旗は中国ですよ、でも中国は潜水艦を持ってないと思いますが……」

  「東京に大きな地震来た後の話や。アメリカと中国で神奈川県辺りに線を引いて、日本を二分割するつもりやなあ」

 

 これが先生との最後の会話だった。

 

 前置きが長くなってしまったが、地震(未来)予知など当たるも八卦、当たらぬも八卦。実際に当たりは8割も無いと思うが……。(笑)

 私自身も半信半疑(実際は1信9疑)だが、今回、元旦に発生した北陸大震災を霊感少女の言う<春先の警告の地震>と捉えれば「塩や梅干、玄米」は別にして、心と最低限の食糧、水を準備をしておくのも悪くは無いと思った。

 

 今回の地震で一番困ったのは「水」に付随したトイレの問題だ。都下の一部では下水道マンホールの蓋を開けて簡易型テントで囲い便器をセットして直接使えるようにするらしいが、この方式をもっともっと増やすべきではないか。併せて各集落、コミュニティの規模に合わせて井戸を掘り、地下水の活用を考慮すべきだ。また、雨水の貯水や川の水を引き込める簡易装置の設置も必要だ。併せて、太陽光発電も非常に重要で貴重な熱源、エネルギー源になる。補助金を出し、各戸別に設置を推進するのと同時に公共施設や企業は工場、その他自社施設の全て太陽光発電設置を義務付ければ良い。それに鉄道、高速道路、国道に屋根を建設、太陽光発電で地域電力をある程度賄える様にすれば地震による原発問題(放射能被害)も解消するだろう。

 

 地震大国日本の未来を考えるにつけ、自分の利益や身内限定の利益しか眼中にないクス政治屋を排除、心ある政治家の選出が自身や家族、友人、知人を救うことになると有権者は肝に銘じ選挙に臨む事が重要だ。

 

 地震予知の話を信じる、信じないはどうでもよい事。準備の必要性を訴えるために古びた記憶を呼び戻してUPした次第。転ばぬ先の杖になってくれれば幸いである。

 一人一人が冷静に、やるべき事、抜かりない準備をすることが大震災へ一番の対策だ。

          

    「備えあれば憂い無し」、だ。

 

 国も県(石川)も対応が遅すぎる。全く切迫感を感じない。風呂屋の窯(湯だけ=言うだけ)総理と、顔すら出さない石川県知事には呆れる他無い。岸田自民党政権は、今、裏金問題防衛に掛かりきり。自民党政治は自民党政治屋のための政治で、国民は置いてきぼりで眼中に無い。国民も今回の被災者冷遇、軽視を見せ付けられて、自民党政治の実態に気付いた方も多いのではないか?。次は自分の番(地域)と考えて、総選挙での投票は熟考して欲しいと願うばかりだ。

 従来型利権屋ばかりの自民党国会議員達に鉄槌を下し、自・公(踏まれても、付いて行きます下駄の雪政党)政権を分解して、金主政治を破壊。次に政界再編を行い、質の良い政治家達だけで、真の民主政治を確立する絶好の機会到来だ。

 民主政治を初めて実現出来る未来は有権者の手中にある。