自宅で本格的なラーメンを作ってみたい。
そんな欲望を抱く人は、多いとまでは言わないが、とりあえず思うだけなら、特に男性ならばそう少なくないはずだ。
しかし、本当に実行する人は間違いなく大馬鹿野郎である(笑)

しかし、不肖のDフォレも小野式製麺機を手に入れたからには、もう後には引けないと思い、肉屋に豚骨だけは注文しておいた。



その週末の金曜日の夜、翌日は釣りに行く予定だと言うのに、会社の後輩Nが酔っ払って自宅に乗り込んできた。

このNは酒が入ると22:30くらいに電話を架けてきてDフォレをカラオケに誘うという癖があり、自分も結局なんだかんだで好きなカラオケに興じてしまうのだが、釣りに行く直前までシラフでカラオケを歌うほどの元気は無い。なので、「明日は釣りだから今日は行かねーぞ。」と伝えたのだが、「じゃあ、家行きます!」と、言って徒歩2〜3分先の美人の奥さんと可愛い子供が3人で待つ幸せな家庭に帰らず、我が家にやって来るのである。
全く、「世の中に人の来るこそうるさけれ、とは云ふものの、お前ではなし。」とは誰が言ったんだっけな。

Nの名誉の為に誓って言うが、彼の家庭生活は極めて円満である(笑)

さて、長いこと冷蔵庫の主となっていた缶チューハイを取り出してNに飲ませながら益体もない話をしていると、当然の流れとして(?)小野式製麺機を見せて、これを自慢してしまうのは詮方ないことである。
学生時代のバイト先がラーメン店だったNが「二郎作りましょう!」と言うのも自明の理であった。まずは博多ラーメンが作りたかった自分の意見は挟む余地が無さそうだったので、cookpad先生にお願いして何とかやってみることになった。
その後、何ともアクロバティックな体勢で寝ていたNに果たして記憶が残っているのかが気掛かりではあったがw


日曜日の朝、豚骨を注文しておいた肉屋に行き、材料を揃える。
今回の材料(約10杯分)は以下の通り↓

【スープ】
・豚骨1.2kg(ゲンコツ、背ガラ)
・背脂300g(結果的には少なかった、、、のかな?二郎としては。。。)
豚肩ロース1kg
豚ミンチ300g
豚足2本
鶏ガラ7羽分
手羽先500g
長ネギ2本(青い部分)
玉ねぎ小2個
にんにく2房
しょうが1個

【タレ】
しょうゆ400ml
みりん160ml
味の素(のような業務スーパーの謎の白い粉w)適量

【麺】
強力粉1kg(業務スーパーで130円)
粉かんすい10g
塩10g
水330cc

【トッピング】
もやし4袋
キャベツ1/4玉
刻みニンニク1房分
ダシを取った後にタレに浸けたチャーシュー
味付卵(前日にめんつゆに浸けておいた)

材料費はアバウトに計算すると5000円で、1杯に換算して500円なので、コスパはとても悪い。お店に行って食えよって感じだ(笑)

さてさて、それなりに駆け回って材料を買い込んで来たわけだが、まずは下拵え。



骨を水から煮て、アクを浮かせてから、一度お湯を全部捨て、骨に残っている血を取り除く。




面倒なので、肉の部分まで取り除くことはしない。これもきっと大事なダシが出る。きっと。恐らく。たぶん。

あとは網に入れた肩ロースを、細かいネットにはそれぞれ小分けして豚ミンチ、手羽先、豚足を入れてぶち込み、背脂も一番上に乗せる。
半分に切ったニンニクとショウガもネットに入れて投入。



これは100%煮こぼれるので、沸騰しそうになった段階で別の鍋にスープを移して、蒸発して喫水線が下がったら適時元に戻す作戦でなんとかなった。

そうしていると、昨日釣った魚をあげる約束もしていたNがやって来た。
「なんか、うわぁ。。。って感じですね。。。」と、自分からやりたいと言ったくせに若干引き気味な反応をしてくれたが、部屋の中に立ち込める「ラーメン屋の匂い(臭い)」にどうにも批判しようがないw

ヒラメにマトウダイにアオリイカと、豪華三点盛りを持ち帰って一度家族と昼飯を食いにNが自宅に戻っている間に麺の準備をしておく。
電動インパクトドライバーに塗料を混ぜるための器具を取り付け、シリコンバケツに小麦粉を粉振いして、一昨日から水とかんすいを合わせておいたものを霧吹きに入れて、小麦粉が舞っても大丈夫なように風呂場で水回しの作業を行う。



水回しが終わったら真空フードシーラーで密閉したものを踏み踏みして、しばらく寝かす。

Nから連絡があって、試食会は後輩達を中心に4人が来るということだった。全部で6人だから、麺の量はギリギリだ。本家二郎なら小といったところか。
「家でスープからラーメン作ってるって言ったら、あいつら何て言ってた?」
「いや、単に食べたいから来るって言ってましたよ。」
「思ったより普通の反応だな。あ、あいつらもうDフォレならラーメンぐらい作るのは普通だと思ってるのかな?(笑)」

どうやら、そうらしい。。。

煮込み始めてから2時間弱経過したので、スープから肉類を取り出して、肩ロースだけタレに漬け込んでおく。

再びNがやって来たので小野式製麺機を出して、二人で製麺作業をしたが、写真を撮り忘れてしまった。
少し厚めの麺帯を無理やり2.2mmの切り刃に通したが、かなり二郎っぽい麺に仕上がった。

スープはそのままじっくり煮込んで、当初から5時間経過したところで背脂をすいのうという網で粗めに濾しておく。



仕上げにネギと玉ねぎとニンジンをネットに入れて投入。もやしとキャベツも茹でておく。
6時間経過したところでスープからガラを全部取り出して、濾して液体だけにしておき、試食会の開始に合わせて準備。



初めてにしては我ながら良い段取りだったと思う。

後輩達がだいたい揃ったところで試食会を開始。自家製麺なので茹で時間がわからなかったが、だいたい4分半でOKだった。

手伝ってもらいながら盛り付け。
タレとスープを合わせて、麺を入れて、トッピング。けっこうモタモタしてしまったが、完成。



本家二郎に比べて、野菜が少な過ぎたが、味の方は、、、。

「何これ!?二郎より美味い!!」

なんて言ったのはとある後輩であるからして、あくまで個人の感想であり、これをもしジロリアンの方々が読んで怒ったりしたら大変だ。筆者は責任を取らないが、そういう感想があったというのは、この初めて作った本格的ラーメンは大成功だったということだ。

あくまで趣味の一環であるが、こうしたことに付き合ってくれる後輩達がいるのは幸せなことでもある。

さて、次は何ラーメンにしようか?