デスティニー 【第1章 7話】 | 『デスティニー』 ~運命の物語~ 

『デスティニー』 ~運命の物語~ 

『デスティニー』という小説を書いています。
どうぞ御気軽にご覧下さい♪

2014/12/01
多忙でしたがやっと余裕ができました!
まだ忙しい生活が続きますが
休み休み更新していけたらと思います!
忘れ去られているとは思いますが
またよろしくお願いします♪

「・・・・はぁ。」

「なに、どうしたの。・・・ため息なんかついて」

「チョコバナナクレープ食べてる時が一番幸せなんじゃないの??」

今日は土曜日。久しぶりに、私と寿々と亜衣でお出かけ。

映画を見に来た。

「・・・・・いや、なんか・・・星野さんとか、拓くんとか、輝とか、優斗とか・・・人間関係って疲れるな、って・・・」

「輝はともかく、なんで星野さんや優斗くんや池中くんがでてくるの」

「んー・・・優斗はあんま関係ないかな・・・」

「じゃあ、池中と星野ってことか」

「寿々・・・えげつない呼び方」

「えー?私星野嫌いだし!うじうじしてて・・・嫌んなっちゃう」

「池中くんは?」

「池中とは接点ないし。なんか軽そうだし。チャラチャラしてそうだし。」

「・・・・寿々、一生彼氏できなくても知らないよ?」

「別に要らないし、そんなもん」

寿々はそう言い切ると、苺スペシャル生クリームクレープを、かぷりと食べた。

「なんか、今日はチョコバナナクレープもおいしく感じない~・・・」

「めっずらしいね、綾がそんなこと言うなんて、さ!ねぇ亜衣?」

「だねぇ・・・これは恋のお悩みでもなさそうだし・・・相談に乗ってあげるとしますか!」

「しますか☆」

「いいいいよおおおもう・・・・」

・・・抵抗しても無駄か。

***

なんか、気付いたらマックにいたんですけど。

何?

瞬間移動?

「あやさーん」

「・・・はい?」

「で、なに?お悩みって」

「・・は?」

「なーにしらばっくれてんの!自分からふっかけといて」

「いや別に・・・私悩みあるなんて言ってないし」

「うっそだあ」

「その顔、・・・絶対何かあるねっ」

「てか、まだ何も頼んでないじゃん・・・頼もうよ」

「まだクレープでいっぱいです」

「速く消化してって腸に頼めば済むよ・・・」

「「待った!!!!!」」

注文しに行こうとして立った瞬間に、マキシスカートの裾をぐいっと引っ張られた。

「・・・・ちょ、それ以上上げると中見えるんだけど」

「いや、綾が何も履かないでマキシなんか着るわけないでしょ」

「・・・・まあね」

「さ、その悩みとやらを話して御覧!」

「・・・・・・・・・・・」

ふう、とまたしてもため息が出る。

「・・・・ま、ふたりには隠す方が愚かかな」

仕方なく、星野さんと拓くんの関係や、八木についての愚痴などをさんざんぶちまけた。

「・・・・・・・・ふっうーん!・・・・しっかし綾もイイコだねえ、あの星野を庇おうなんてさ」

「別に、庇おうなんて言ってるわけじゃない!可哀想なんだもん、あのコ・・・」

「まあ、八木はどうしようもないんじゃない?輝とかにー、こてんぱんにされない限りは」

「・・・まーあ、そう・・・だ・・・け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・?どうしたの―――――――――ぎゃああああっ!?!?!?!」」

「よ、速水に藤谷に――――えーと・・・」

「水瀬寿々ですけど」

「そうそれ!」

「・・・・な、なんでここにいるの?」

「なんでって、俺らもデート」

「「馬鹿か」」

「いって!!」

優斗と輝が、おちゃらけた拓くんに突っ込みを入れた。

「映画見に来たんだよ、あれ・・・えーっと・・・そう、『○ー・ポッ○ーと死の○○』!PART2公開されたじゃん」

「・・・・・・・・えっと・・・何時から?」

亜衣が、顔をこわばらせて言った。

「まだ予約してね―けど、・・・3時からのじゃね?今からだと」

「・・・・・・・寿々、どうする・・・?」

「・・・・・しょうがないじゃん、一緒に観るしかないよ」

「え、何?まさかオマエラ・・・」

「・・・・・・・・観ますよ、その時間、その映画をね」

「えええええええええええええええええ!?!?!?!」

「「おおおおう!!いいじゃん!一緒に観よう!」」

・・・・今悲鳴をあげたのは優斗、ノッたのは拓くんと輝だ。

「へぇ、面白そうだね!よし!さっさと食べて遊んでから予約しに行こう!」

「亜衣・・・遊び好きだなぁ」

「ま、これでも男女混合は面白いから☆ねえ、綾?」

亜衣が、意味ありげな言い方と裏ありげで不気味なほほえみで私を見た。

少し顔が引きつっていたかもしれないが、精一杯答えてもこれしか出てこなかった。

「・・・亜衣、・・・・・・そう・・・だ・・・・ネ(←裏返り」

「よし!じゃあ注文注文っと」

「・・・はあ、選択は亜衣に任せよう・・・」

「・・・・・水瀬・・さん?大丈夫?なんかだるそうだけど」

「・・・・へ?あ、はい・・・大丈夫ですってだるくなるに決まってるでしょっ男子と映画なんて!!」

「拓、こいつ男子大嫌いだから・・・そっとしといてあげたほうが、な」

優斗がなだめるように言った。

なんか珍しいな。人気遣ってる優斗なんて。

「速水は?いいの?」

「・・・・え?あっごめん、何が?」

「・・・・その、俺・・・ってか俺らと一緒で」

「・・・・・うん、私は別にかまわないんだけど」

今の私は、それよりも私服を見られたショックのほうがデカい。

「なんか、綾の私服って初めて見たような」

「え?小学校私服だったよ?」

「あー、記憶ぶっ飛んだから忘れた」

「また変なウソを・・・・(笑)」

「まー、私服らしい私服ってことだろ、な?優斗」

「ま、そんなとこか」

「っておい・・・・・・・た・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「「?どうしたn・・・・・っ」」

優斗の絶句した表情と視線の先には、打ち解けたように談笑している寿々と拓くんがいた。

「・・・・・・・・・・・・な、なんの突然変異なの・・・?これ」

「お、お前が水瀬のこといちばん知ってるだろうが!!」

「そ、そそそうだぞ綾!!!ああ面白い写メっておk――――」

「は・・・速水?」

「な・・・・に?」

「こいつらめっちゃいい雰囲気じゃん・・・」

「そ、そんなのもう見えてるよ・・・!!」

「これって・・・・あのその・・・俗に言う両想いってやつか?」

「・・・・・・・・・・いや、寿々が好きなのかも分かんないし!!ってか今の今まで拓くん嫌いって言ってたし!!」

「・・・・つくづく分かんねえな、水瀬って」

「・・・・・だね・・・・・ってかさ、優斗がカメラマンと化してるんだけど」

私の人差し指の先には、目を輝かせて携帯で連写する優斗の姿があった。

「・・・・ちょ、優斗と亜衣ってそっくりだね(笑)」

「・・・確かに・・・・てか、周りの雰囲気良すぎるな・・・・お、俺たちなんか取り残されてねえ?」

「そ、そう・・・だ・・ね?」

いつの間にか注文をし終えてやってきた亜衣も連写隊に加わっており、拓くんと寿々の談笑はピンクムードに変わっていた。

・・・なんだろう、このぴったり感・・・・

「・・・・・よし・・・終わりにさせようか?」

「・・・そ、そうだね・・・」

「ちょ、みんな・・・藤谷が注文してきてくれたから、金返して食おうぜ?」

「う・・うん、そっそそう!!ちょっといったん終わりにして、ね・・・・」

すると、この場にいた全員の口から「はっっ!!!」と聞こえそうなくらいのリアクションが返ってきた。

「・・・あ、本当だ!食べよう拓!」

「そうだね寿々!!」

「・・・じゃ、亜衣」

「うん、優斗!!」

・・・・・何このできちゃった感!!!

てか進展速くない!?何この人たちなんか怖いっ!!

「・・・じゃ、速水」

「・・・あ、うん(笑)取り残されたどうしでかんぱーい(笑)!」

「なんか淋しいなこれ(笑)」

「いやー・・・意外に寿々が積極的っていう・・・・おもっしろいなあ(笑)」

「そういえば、速水って携帯持ってる?」

「あ、持ってるよ」

「・・・メアド」

「・・・・・・・・・・うっうん!!」

「・・・・じゃ、俺たちは早く食って、みんなの分の席とチケット買ってこようぜ」

「うん、そうだね・・・・亜衣たちの電番は知ってるし」

「あ、来た」

「あ、こっちにも来た」

「よし・・・津川・・・輝、と」

「・・・速水・・・綾・・・と」

「「登録完了!」」

・・・・ハモッた。

「「(笑)!!」

私も輝も、すこし照れくさそうに笑いながら食べ始めた。

予想通り私と輝が先に食べ終わったので、私は寿々と亜衣から、輝は拓くんと優斗から、チケット代を受け取って映画館に行った。

***

「・・・・・・やー・・・・周りが雰囲気良すぎてこそばゆいんだけど・・・」

「ま、俺らもそれなりだろ」

・・・・・・・・へ!?

何今の爆弾発言・・・・!!

「・・・・・あ、別にそういうんじゃなくて、その―――・・・」

「いいよ」

「・・・・・え?」

「べ、別に私はっ・・・輝といい・・・ふ、雰囲気で・・・も・・・嫌じゃな・・いよ?」

・・・・あたしこそ何言ってんだろう!!!

・・・・恥ずかしい・・・・

でも訂正するのも―――――

その時。

輝が、私の頭にぽん、と手を置いた。

「・・・・俺だって嫌じゃねーよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・へっ・・・・?」

ぽかん、と立ちつくしていると、髪をぐしゃぐしゃにして、

「行くぞ!」

と言って、すたすたと行ってしまった。

「・・・・・・う、うん・・・」

その後ろ姿は、明らかに照れていて、柄にもなく可愛い一面を見せられてしまったと思った。

***

「席、どうする?」

「んー・・・・輝、私、優斗、亜衣、拓くん、寿々・・・・ああでも端が男子のほうがいいかなあ?」

「そうだな・・・女子じゃちょっとな。じゃあ・・・拓、寿々、俺、綾、亜衣、優斗・・・とか」

「それいいねっ!!・・・て、私と輝しかあんまりいい思いしてなくない・・・?」

「・・・・何、好きって決めつけてんだよ」

「・・・・え?そ、んな・・・決めつけてなんて無いけどっ!?」

「・・・・・・・・ま、別にいいんだけど」

「・・・・・・・・・・・・・・へっ!?」

「・・・・・・・分かんねーのかよ、意味!!」

「・・・・・・・・・わ、分かる・・・けどっ」

「・・・・・・・分かったんならいいだろ!ほら買うぞ!!」

「あ、うんうんっ・・・財布財布・・・」

えーっと・・・・・・・

「・・・・ろくせんえん?」

「えーっと・・・みんなから1000円ずつもらったよねっ?」

「・・・ああああ!俺もか」

「・・・・・ふう、よかったちゃんとあった・・・・・」

「無くしてたら終わりだな(笑)」

「全額自腹!!(笑)」

「俺そんなにもってねーよ(笑)」

「・・・・よし!支払完了、っと」

「うわ、チケット持ってるのめんどくせー・・・ってかまたマックまで行くのか!?」

「・・・んー、それは勘弁だな!(笑)来てもらおうよ」

「・・・・・・じゃ、電話・・・」

「はいはい、・・・繋がるかな?」

TRRRRR・・・・

『はい』

「チケット買ったから、こっち来てくれない?」

『あっうん、分かった!』

ぶち。

・・・切り方が雑。寿々らしい・・・・

「繋がった?(笑)」

「一応(笑)じゃあそこいらで待ってますか!」

なんか眺めのよさそうな、座れるカウンターがあったので、そこに座ることにした。

「はぁ~・・・・つっかれたあ・・・・」

「な・・・・・・・」

ふと、私はさっきの言葉の意味が気になった。

「・・・・・・・あ・・・の、さっきの・・・・・・・・・・」

「・・・・は?・・・・・・・・・・・・・・・・あ、ああ・・・」

「そ、っそその・・・・す、すすす・・・・っ・・・・」

「好きでいいんだよ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

「だ・・・だ、だからっ・・・・『好き』って解釈してくれて構わないって言ってんだよ!!」

「・・・・・・・・え?う・・・そでしょ?だってこんな短時間で私なんか――――」

「そうだよ・・・。こんな短時間で好きにさせるほど、お前は積極的だったんだよ」

「・・・・・・・・・・え・・・?」

「・・・・ご、ごめん。まだお前の返事聞いてねーのに・・・・」

「・・・・・・・・・え、・・・・・分かんなかったの?」

「・・・・は?」

「・・わ、私だって・・・・輝が、好き・・・だからっ・・・!!」

「・・・・・・え?・・・・マジで?」

「・・・・・っ、」

言うのが恥ずかしくて、こくん、とうなずいた。

「・・・・・・・・マジかよ」

「だ、だから本当だってばっ・・・!」

「・・・ひゃっ!?」

本当に軽く、周りにも絶対気付かれないように、輝が肩を抱いてきた。

「・・・・・・・これで、俺らもあいつらのお仲間入り、だな」

「・・・・・・・・・そう、だね(笑)」

「あーら、グッドタイミングでしたか~(笑)」

「「・・・・え!?」」

声のした方を見ると、亜衣、優斗、拓くん、寿々の4人がいた。


・・・予想通りの組み合わせで、手をつないでいる。

「・・・・おめでたいね、全員今日なんてさ」

「いいじゃん、覚えやすい記念日で!」

「綾、おめでとっ」

「輝、おめでと」

「・・・・・・・・・・あ、ありがとう・・・・、二人とも、おめでとう!」

「・・・お前らも、な」

「ちょ、上映時間上映時間!!あと20分だって!!」

「うわ、やばい!」

「準備準備っ・・・!」

「何の準備だよっ(笑)」

あははは・・・と、笑いがおこる。

こんな楽しい日は、二度と来ないとわかっていても。

それでも、今日という今日が楽しくて仕方なかった。


***

↓「話の展開早くね!?」と思った方は1ポチお願いします!すいません、その通りです。↓