デスティニー 【第1章 6話】 | 『デスティニー』 ~運命の物語~ 

『デスティニー』 ~運命の物語~ 

『デスティニー』という小説を書いています。
どうぞ御気軽にご覧下さい♪

2014/12/01
多忙でしたがやっと余裕ができました!
まだ忙しい生活が続きますが
休み休み更新していけたらと思います!
忘れ去られているとは思いますが
またよろしくお願いします♪

・・・・・・・・・・「1組の教室の空気って、2組や3組とか・・・他の組と大違い!」

・・・・あの言葉がよみがえる。

そりゃ、いじめがあったりしたら・・・・違うにきまってんじゃん。

平和な奴らには分かんないんだよ。

「・・・5時限目の、体育が・・な、なくなりました」

「なんでないんですかー」

「・・・3年生の、都合・・・らしい、です」

「聞こえませーん」

ひゃひゃひゃ、と冷やかし笑いがおこる。

・・・・星野さん、・・・可哀想・・・。

だけど、私は星野さんが少し苦手だった。

なんか、小学校でもきらいだったし。

「星野さん、分かったよ」

「・・・う、うん」

星野さんは、私の言葉に助けられたというような顔をして、席に戻った。

「・・・・綾」

「・・・え?」

「星野さんなんかかばって・・・危ないよ?」

「好乃、そんなこと言っちゃ可哀想だよ・・・まあ好きではないんだけどさ・・・私も」

「そりゃ、みんなに嫌われてるからいじめられてるんじゃないの?」

「好乃も痛いとこ突くね(笑)」

「へ?(笑)」

「・・・あ、先生」

「5,6時限目のことは、星野から聞いたな?」

「はい、」と言いかけた、その時―――。

「聞いてませーん」

・・・・・・・・・・・・え?

まさか、星野さんを・・・!?

「・・・・星野さん・・・・」

好乃が、ぽそりとつぶやいた。

「何だと!?星野、伝えなかったのか!?」

「えっと、伝えました――――」

「いーえ先生、僕らは何にも聞いてませーん。星野さんはウソをついていまーす」

「そ、そんな・・・!!」

「星野・・・、お前のことは見損なった。もういい。私が伝える」

「・・・・そ、そんな、織田先生・・・!?」

「なんだ、速水」

・・・・・・

「・・・な、なんでもありません・・・」

・・・そんな、星野さんにそこまでするなんて・・・!!

すると、そのとき。

ガラガラガラ、と教室の引き戸が開いた。

「授業中すみません―――・・・織田先生、USBメモリー貸していただけませんか」

・・・・輝?

すると、輝は私が見ているのに気付いて、他の皆には気付かれないように、口元を緩ませた。

私も少し笑って、なんだかさっきの嫌な気持ちとは一転、ほんわかした気持ちになった。

「・・・・失礼しました」

ぴしゃり、と引き戸が閉まる。

「・・・八木ってば、津川のことずっと睨んでたよ」

好乃が、こそこそ話で伝えてきた。

「・・・うん・・・」

八木とは、星野さんをいじめている奴らの、中心になっている奴だ。

「・・・・・・早くクラス替えしたいな」

そう言った好乃の声は、かすかにふるえていた。

***

「はぁ・・・」

トイレから出てきて、一番先に出たのはため息。

あの教室に戻るかと思うと、気持ちが重く沈んだ。

「よ、綾ちゃん」

「・・・ん?ああ、拓くん」

「あれ、そっちまでよそよそしい呼び方になってるよ」

「いや、そっちが綾ちゃんなんて呼ぶから、私もなんとなくで」

「・・・さっき輝が言ってたんだけどさ・・・・・1組どうなのよ」

「え?どうって?」

「なんてゆーか・・・こう・・・・状況てゆーか・・・」

「・・・八木が猛威ふるってるかな(笑)」

「・・・星野?」

「うん、星野さん―――――・・・って拓くん、星野さんと仲いいの?」

「・・・・・うん、ちょっと、ね」

「・・・・ふーん・・・・あ、授業始まっちゃうや・・・・じゃあまたね!」

「あ、うん。また」

・・・・拓くん、どうしたんだろ?

星野さんに、なにか思い入れがあるとか・・・?

・・・・・・・・なんだろう。

***

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