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なんか、・・・・ぼおっとする。
んなの、いつものことなんだけど・・・
「・・・・・・・・・・・綾?」
「あ、ん?」
こうして気がつけるのが、この前までの「空想ぼやぼや」とは違うとこだ。
「・・・・あのさ、輝好きなの?」
「は?」
んなこと唐突に言われましても・・・
「ん、どゆこと?」
「いや、ほんとのことちゃんと聞いてなかった、か・・・ら?」
「・・・・・・・・あ、んー・・・・好きではないんだ」
「え!?」
「ま、信じないだろうけど。輝は、私にとってただの特別な友達」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・信じないけど」
「ふーん、信じないならいいけど?後悔しても知らんから」
「・・・・ふーん」
まったく信じてないな、亜衣め。
「・・・・・・さってと、昨日の御礼でもしてきますか」
私は、読んでいた本をぱたりと閉じ、ごとりと机に置いた。
教室の扉から廊下をのぞくと、・・・・・思った通りか・・・。
非常に話しかけやすいメンツでありがたいが、輝がいた。
隣には、話慣れた優斗と拓。
優斗と拓なら、隣にいても話しやすいかな・・・
「・・・あの、輝」
「ん?・・・あ、速水か。めまい平気なの?」
「ん、大丈夫!それより、ありがとうございました」
「だからもういいっつうの!!しつけーな」
「何!?何なんかあったの綾ちゃんとぉ、輝!!」
・・・・やっぱ、輝のまわりにいる人たちは軽く見えるなぁ・・・
「・・・違うんじゃない?綾の好みは裕とかでしょ」
「・・ゆ、優斗!?!?!」
「おお!?そのあわてようは!?」
「知らない癖にうるっさいなぁっ、拓!!」
「うっわぁ痛いとこ突かれたっっ!!!!!」
輝が、ぶっと吹いて肩で笑い転げている。
「え、そこ痛いの?んじゃあ綾、もっと突いてやろうぜ――――」
「ヤメテヤメテヤメテ!!!!!ちょっと輝!!!この人たちドSっぷり半端無いんだけど!!」
輝がもっと笑った。
すると、笑いを抑えながら、
「まあ優斗は俺よりも拓よりもSだからな(笑)」
「なんか背の高いやつらにいじられるのっていい気分じゃねーなぁもう・・・」
拓が呆れたように言う。
「え、綾って何cmなの?」
「16・・2?」
「うっわぁぁぁっ・・・速水お前女かよ!!!!!!」
「女だよ!!牛乳飲みすぎたというかなんというか・・・・」
私がごにょごにょと言い訳する。
「牛乳って関係ないって知らなかったの?綾ちゃん」
「え、知ってるけど私的には牛乳のせいだと思う」
「え、拓も俺も輝も牛乳大嫌いだぞ?」
「知らんがなっ(笑)」
「えーと・・・輝は何㎝なの?」
「171」
・・・・・巨大少年・・・・((巨大少女
「さっすが輝サマ・・・」
「何言ってんだよ拓(笑)」
「優斗は?」
拓がさもうらやましそうに言った。
「168」
「お、ギリ勝ったわ」
「拓は?」
「169」
「あああああこの3人の中で俺が一番チビって!!!!!」
なんか、優斗って完璧主義っぽいな・・・
「でもいいじゃん。まだ速水がいるし」
「え?」
「あ、そうだな。お前が一番チビだなっ!」
「いや別にいいけどさ(笑)私がいなくなったら結局優斗が一番チビなんだよ?」
「またしても痛いとこを突く女だな綾ちゃん・・・」
「なんで拓って『ちゃん』付けなの?(笑)」
「や、接点ないから」
「でもさ、速水のこと『ちゃん』付けで呼ぶのって・・・・いなくね?」
「いないね~・・・うん、後輩くらいかな?」
「で、本題に戻ろう」
「「「?」」」
「綾ちゃん、昨日何があったの」
「え、っとー・・・あ、めまいで倒れて・・・・っと・・・・・・・・・、その・・」
「俺が運んだの」
何故か得意げに言う輝。
「え、すげーな輝!!!こんな重いやつを!!!」
「50キロ行ってるの!?」
「行ってないよっっ!!!これでも行ってません!!」
「まあ速水痩せてるし、行ってるようには見えないけどな」
「いや・・・?まあ一応行ってないってだけで、・・・・」
「てか、運んでるふんいきでよくこ――――――――――――・・・・ならなかったね」
・・・・・・・・・・・・これだからこいつらは・・・
「なるわけないでしょうが」
「イテーとこ突くなよ拓・・・・・」
「え、痛いの!?じゃあもっとえぐろう――――」
「拓だってドSじゃんっ!!!」
「確かに?(笑)」
と、その時。
きーん・・こーん・・・・・
「あ、チャイムなっちまったな」
「なにかと楽しかったわ(笑)じゃあな、速水」
「ああうん、じゃあね」
「じゃな」
「じゃね」
「ばいばい」
・・・正直あいさつをするのもためらったが・・・・
「はぁ・・・。」
なんか疲れたな・・・
でも、あいかわらず冷たい空気の教室に入ったとたん、あの3人と喋っていたあの時間が、無性に恋しくなった。
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