ノーカラーの所謂シャネル風ジャケットは、根強い人気がある。私も大好きなアイテムなのだが……これが悩ましい。


女たちに大人気のシャネル風ノーカラージャケットは中堅ブランドから無名のプチプラメーカーに至るまで、とにかく色々な所が出している。そのほとんど(9割くらい)はかすかにウエストが絞られている。パッと見、よくはわからないが、凝視するとわかる。何より着てみればわかる。

で、これが気に入らない。なぜ、すとんとストレートなカッティングではいけないのだろう⁉️と、怒りに近い疑問を抱いたが、改めて本家本元のココさんの画像を調べてみた。





私はとりわけ晩年のシャネル女史、ココさんの衣装やたたずまいが大好きで画像を集めているのだが、晩年の彼女はやっぱり、ストレートなボックスシルエットのジャケットを身につけていた。死ぬまで精力的に働いたココさん、動きやすく楽なものが良いからだろう。



↑スーツスタイルで、このラフなムードは本当にすばらしい。抜け感のお手本である。




くわえタバコで大物女優に着付けをするのがスゴい。現在なら大問題になるところだ。良い時代だったんだね。




あの、イネスもタバコを片手にランウェイを歩き、スチール撮影をしていた。これも現代では考えられない。
ちなみに…



本題とはズレるけど、イネスとジェリー・ホールの珍しいツーショット。
これ、私的には公開処刑にしか見えないんだけど。
つまり、真紅のシンプルなシャネルスーツはあか抜けたパリジェンヌとテキサスの田舎娘という二人の属性を浮き彫りにしてしまった❗ジェリー・ホール好きなんだけどなあ。

ココさん亡きあとのメゾンは、時代の流れもあって、細身のぴったりしたジャケットを作り続けているようだ。まあ、クチュールでは定番のボックスシルエットジャケットのスーツも作っているのかもしれないが、我々庶民が目にすることはまず不可能。で、雑誌やweb上で見ることの出来る昨今のシャネルのジャケットは、総じてピタピタ。だから、他のメーカーもその影響でウエストを大なり小なり絞るのだろうか?
ウエストを少しでも絞った方がスタイルがよく見えるのだろうか?
私のように元々ずん胴だと、いじましいというか、余計なお世話としか思えないが。

さて、少し前に某中堅ブランド(若いOL向け)が、ウエストを絞らないノーカラージャケットを出しているのを見つけた。謳い文句は“パリジェンヌ気分”だそうである。
そうか、ノーカラージャケット(とスカートのスーツ)は入学式卒業式七五三等のためのものだから、ウエストを絞るのだな、と妙に納得した←理由になってないw
ボックスシルエットのジャケットという物は、体に沿わず動き易く、どこかしらお気楽で自由な気分にさせてくれる。それが、現代にそぐわないのかもしれない。