今年の夏休みはいざ鎌倉、お墓参りであった。
北鎌倉は浄智寺にフランス文学者で作家の澁澤龍彦のお墓がある。澁澤ファンの私としてはいつかお参りしたい、と下調べしていた。で、今年の夏に機会が巡ってきたわけである。
台風のせいで、天気は不安定だった。前夜はかなり雨も降ったのだが、当日はやんでいた。
浄智寺へは横浜から車で行ったが、駐車場は完備している。北鎌倉駅からだと徒歩10分かからないくらいだろうか。思ったより立派で由緒あるお寺だった。


お寺の方に墓所のことを尋ねると、どなたのお墓?訊かれ、澁澤龍彦さんの…と言うと、お友達?ファンの方?と訊かれ、ファンですと答える。ネットで調べた通り、ファンのお参りは今でもけっこう断続的にあるらしい。
で、これもネットにあった通り、お寺の方は親切に教えてくれて、目指すお墓はすぐにわかった。
私は親族でも何でもない、いちファンに過ぎないからお墓の画像は撮らなかったが、お参りした人は澁澤さんのことをよくわかっているらしいのが伝わってきた。
お墓のお供え物がシャンパンやウイスキーだったり、供花が紅い薔薇だったり…簡素な禅宗スタイルの墓石の前に昨夜の雨で紅い花びらが一面に散っているのが何となく(澁澤さんの愛した)サド侯爵の世界と通じるような気がして、澁澤さんらしいなあ、と感動。
数珠を取り出して手を合わせながら感じたのは、ひたすら感謝の念。
素晴らしい翻訳の数々、晩年の美しい幻想小説にどれだけ文学の愉悦を味わわせてくれたことか…お参りのあいだ、雨にあわずにすんだことも明るい地中海精神を愛した澁澤さんのおかげのような気がした。
さて、浄智寺をあとにして、次は瑞泉寺へ。私の大好きな夢窓国師の庭がお目当てである。
で、瑞泉寺に到着したとたん、驟雨に打たれる羽目に…でも、それもまた良しとしよう。夏の寺院には雨が似合うのだ。



夢窓国師の庭といえば、南禅寺の回遊式庭園のように作り込まれたものも素晴らしいけれど、瑞泉寺のはもっとナチュラルな感じ。上の画像は芙蓉も植えられていて、可愛らしさすらあるんだけど右手に進むと…



こういうの、京都のお寺にはまずない。なんだか、プチ三途の川みたいだった。うん、鎌倉のお寺もやっぱり侮りがたし❗とりわけ瑞泉寺は別格だ。