改めて思います。岡田有希子さんは本当にたくさん仕事をしていたなあと。
テレビやラジオはもちろん、雑誌の取材ももう数え切れないほどではないかと。
数か月前にユッコさんのインタビューが載った雑誌を新たに発掘しました。
17歳のユッコさんが当時何を考え、何を語っていたのか・・・よろしかったら読んで頂けたら幸いです。

月刊DoLiVe 1985年7月号より
−ドリブ生インタビュー
岡田有希子−



  小説を読んでいると、自分が主人公になったような気がしてきちゃうんですよ

わたし、性格がおかしいってよく人に言われるんですよ。気がすごく強い反面、ちょっとしたことにおびえちゃうし、せっかちなんだけど変なところでのんびり屋でね。スタッフからも「お前にはついていけないな」とあきられているの。

将来のことを考えるとなぜか、怖くなっちゃうんです。アイドルはいつまでもやってられるわけないし、人気もどうなっているかわからない。大人の歌手への変身にも失敗しているかもしれないし、好きな人ができてつらい目にあっているかもしれない−−−−−−なんてね。それで考えてる途中で怖くなってきてしまうんです。

それからこんなこともありました。昨年の冬、雪のなかを歩いてて、ツルンとすべってころんだんです。しりもちをついただけだから、全然痛くなかったんだけど、そのままの格好でジッとしてたの。だって転んだのは久し振りだし、空を見上げたら、降ってくる雪がものすごくきれいだったから。5分くらいしたら、スタッフが来て怒るんです。「足を折って動けないのかと思った」って。こういうわたしの性格、人には理解できないのかもしれませんね。

本やマンガを読んでいるときも、「頭がおかしいんじゃないの?」とよく言われます。下を向いてマンガを読んでいると、みんな不思議そうにわたしの顔をのぞき込むんですよ。キャーキャー笑っていたかと思うと突然泣き出したりして、まわりにいる人はビックリしちゃうらしいんです。

それに、どういうわけか、小説とかマンガを読んでると、自分が主人公になったような気がしてしまうの。このクセ、昔っからなおらないんですよ。


  ときどき芸能界がイヤになって名古屋へ帰ろうって思うこともあります

「歌手になりたい」「スターになりたい」一心で名古屋から上京して2年になります。この2年間は振り返ってみると、心の葛藤がずいぶんありました。

「あー、いやだ、いやだ、こんな世界、明日にも荷物まとめて名古屋へ帰ろう」と思ったり、

「芸能界って最高にステキ。一生歌い続けるんだ!」と思ったり。

泣いたあとは笑い、笑ったあとは泣く、この繰り返しでした。まだまだ子どもなんですよね。でも、1ヵ月に一度くらい、仕事で名古屋へ帰ると、中学校のときの友だちが「すごくしっかりしてきたね」と言ってくれるんです。

わたしには姉がひとりいるんですが、子どものころから「お前は妹なんだから」と、おさえつけられて育ったんですよ。「お姉ちゃんがよくて、どうしてわたしはダメなの?」と反発しても、なかなか言い分が通らなかった。「ライバルのはじまりは兄弟から」とよく言われますけど、私の場合もお姉ちゃんとの戦いが、芸能界で挫折しない力をつけてくれたみたいな気がします。

今は、姉が19歳、わたしも17歳になって火花を散らすなんてこともなくなりましたけど、ひとりっ子で甘やかされて育っていだら、たぶん歌手になれなかったでしょうね。


  ごく自然な姿でも輝いている人は努力を惜しまないで生きている人ね

舘ひろしさんと藤竜也さんがステキだなと思います。2人とも野性と知性がうまく調和されて、キラキラ光っているでしょう。

女のコってこの男性の「輝き」に弱いんですよね。顔とかスタイルじゃなくて、ひとつのことに懸命に取り組んでいる姿に思わず見とれてしまうってことありますよ。

とくに、25歳を過ぎると男の人は輝いてくるみたいですね。生意気な言いかたですが、若い人はどうしてもカッコウつけてるだけになっちゃっている気がするんです。ごく自然な姿なのに、とてもステキな人は、やっぱり努力を惜しまないで生きている人かもしれませんね。


  菊池桃子ちゃんなんかと映画や食べ物の話をするのが一番の楽しみです

今年は、歌だけでなくドラマにも出る予定です。前から女優という仕事にすごく興味を持っていたから楽しみにしているんです。

わたし、のめり込んでしまうタイプだから、逆に気負わずにやりたいな、と思っています。

菊池桃子ちゃんや田中久美ちゃんという親しい友達もできたことだし、充実した1年間にしたいと思っているんです。芸能界は、親しい友だちができないと言われているけど、そんなことないですよ。仕事から一歩離れれば、食べ物とか、映画とかの話に夢中になっちゃう。スケジュールが合ったときは、一緒に遊びに行ったりしますから。自分の時間も大切に過ごして、楽しい思い出をいっぱいつくりたい。




言うまでもなく、もう今は岡田有希子さんの声を聞くことも姿を見ることもできません。なので、当時のインタビューが掲載された雑誌などがこうして残存しているのはとても貴重だと思うのです。

他界してからユッコさんを追いかけ始めた私のような者にとってはユッコさんの気性やお人柄を知る上で非常に参考になるのです。

このインタビューについても、思っている事を割と包み隠すことなく話しているのではないかと思います。性格の自己分析、理想の男性像、仕事のこと・・・。

取材の時期はデビューして丸一年からそれほど経っていないと思うのですが(Summer Beachの発売から間もなくぐらい?)、既に自身の将来に関して不安を口にしているんですね。


“アイドルはいつまでもやってられるわけないし、人気もどうなっているかわからない”

“大人の歌手への変身にも失敗しているかもしれない”


私は特にこの部分が印象に残りました。

ユッコさん、頭が良いから先々の事を深く考えてしまうんだろうな。それもネガティブ寄りに。


うーん、こんなに繊細な女の子なんだからしっかり守ってあげてほしかったよ、ってやっぱり思う訳で・・・独り言ですがね(ー_ー)


ここまで読んで下さった方、長々としたブログにお付き合い頂きありがとうございます。インタビューの文章に目を通して頂いただけでもありがたいですし、読んだ後に何か感じた事があったならば尚嬉しいです。


岡田有希子さんの事をどうぞもっと好きになって下さいね〜!

(陰の宣伝部長兼平社員より)