昭和61年1月29日は、岡田有希子さん8枚目のシングル『くちびるNetwork』の発売日です。それから37年が経ちました。
カネボウ化粧品のキャンペーンソングに選ばれた歌ですが、何と言っても作詞・松田聖子さん、作曲・坂本龍一さんという豪華作家陣。とにかく大きな話題を呼び、この当時の事は私も覚えています。
特に聖子さんは当時芸能活動を休業中で、そんな中に湧いたニュースはユッコファンのみならず、聖子さんファンも注目したのではないでしょうか。
一大プロジェクトとも言えるこの曲、オリコン1位も獲得しました。ユッコさんにとっては驚き、喜び、安堵、戸惑い…様々な思いが絡みつく一曲となったのかなと思います。
そして一度頂上に登り詰め、これから更に高みを極めることを課せられていたとしたら…弱冠18歳の女の子にとってはこの上ない重圧だったのではないでしょうか。
オリコン1位を獲ったときの感想を話していた記事があります。一部抜粋しましたのでよかったら読んでみて下さい。
「そうですねえ。べつに自分では1等賞ほしいって意識はとくになかったから。あっ、こういうこといっちゃイケナイ。じゃなくてェ、それだけを目的でやってるわけじゃないから驚いたというか。今回の場合は特別ってこともあったでしょう。聖子さんと坂本龍一さんが参加してくれたとか、すごかったですからね。もう出すって決まった時点で新聞とかにも大きく載せてもらったり」
−−−「なにかと話題が多かった。その分プレッシャーもあっただろうな」
「はい、だから1等賞とれてウレシイ!っていうより、ヨカッタ!ってかんじ。正直いって他人事みたいなとこあった」
−−−「でも、いちど1等賞をとると、また!って気持ちになるんじゃない」
「う〜ん、最初っからこういうのは今回限りだなって思ってた部分あるから」
−−−「それじゃ、あまりにも弱気じゃない」
「弱気っていうんじゃなくて、よくわかってるんです。自分はまだそれほどの歌手じゃないって。でもコレがきっかけで、もっと大人の人達とかにも興味を持ってもらえたらウレシイですけどね」
彼女の肉声を聞くことが叶わない今、こうしたインタビューが残っているのはとても貴重かと思います。
「1等賞とれてウレシイ!っていうより、ヨカッタ!ってかんじ」
この言葉にユッコさんの気持ちが集約されているのではないかと思います。
ユッコさんが色んなものを背負いながらも全身全霊を傾けて歌い、残してくれた『くちびるNetwork』は37年の時を超え、今も色褪せる事なく聴き継がれています。