「変化」という名のトンネルをくぐったら、
今まで見ていた景色が、
全く違うものに見え始める
ということがある。
青だと思っていたら緑だった、
というような、
四角だと思っていたら丸だった、
というような、
あれ？？
そうなの？？
そうだったの？
という現象。。。
そこで初めて知ることになる。
以前見えていたものは、
自分が、自分の無意識が、
色んなことを加味して
「こうに見ているのが自分にとっては都合が良い」
というところで、
自分を「騙して」いた景色だったのかもしれない、と。
もちろん、
今でもそうかもしれない。
以前とは変わったかもしれないけど、
もっと先へ進んだら、
また全く違う景色に見えるようになってしまうかもしれない。
だからこそ、
「これが正しい」
とは断言などできないと思う。
進めば進むほどに、
私はまだ何もわかっていなかったのだな、
まだまだ未熟なのだな、
と思う。
今までも何度かあったけれど、
それがとても腑に落ちた今日この頃。
先日、懇意にしている日蓮宗のお坊さんに、
久しぶりにお会いでき、
色々とお話できる時間をいただきました。
その中で印象的だったお話。
「わかりました」
という態度は、
実際には何の意味もない、
ということ。
「わかりました」
と言って本当にわかってる人はいないし、
頭で「わかった」というのは、
本質的には意味を成していない。
そんなお話を聞いて、「なるほど」
と思いました。
そう。
わかりました、
という態度で何かを得ることはできない。
それは口だけのポーズ。
本当に腑に落ちていたら、
そんな風には言わないものだから。
もっと違う言葉が出てくるはず。
わかりたくない、わかろうとはしない人が
「わかりました」を繰り返す。
自分のエゴを守るための態度として。
そのような「わかりました」には、
何も意味がないため、
実際には「わかっている」ようには聞こえてこない。
改めて、
言葉というものは、
単に発音しただけでは意味を為さないし、
何も伝わらないのだなと感じました。
そして、
このような態度でいる間は、
「景色」は変わることはないのです。
さて。
お釈迦様の教えに、こんな逸話があるそうです。
真実を教えてくれる人がいた。
でもその人はいわゆる「大悪人」と言われている人だった。
でも真実を教えてくれるのは確実。
真実を求めて、
その大悪人のところに行くべきか否か、
と問われたお釈迦様は、
「もちろん行きなさい」
と言われた。
このお話は2年ほど前にお聞きしました。
その時、
やはり「なるほど〜」と思い、
なんだか腑に落ちた部分がありましたが、
でも、その時はある意味、
「言葉通り」に学んだと思います。
先日もその話を思い出し、
話題になったのですが、
お話しているうちに、
今度は「違う景色」が見えました。
真実を求めていけるなら、
大悪人でも我慢して耐えて学ぶことが大事、
ということではなくて、
大悪人だと思っていたけれども、
真実を知っていくうちに、
実はその人は大悪人ではなかったことを知る、
ということなのかもしれないと。
大半の人が立つ位置からは「大悪人」だと見えていたが、
違う位置から見たら、実は大悪人ではなかった。
そんなこともあるのかもしれない、と。
「私たちは、
自分が何をしているか、わかっていない」
という言葉があるように、
「大悪人」でも「善人」でも、
「（絶対に）この人はこうだ」
と信じて疑わない目線そのものが、
私たちを真実から遠ざけているのかもしれません。
そしてもう一つ大事なこと。
「新しい景色」を素直に受け止められるかどうか。
全く違うものが見えてきた時、
「そういう見方もあったのか」
と、素直に受け入れられること。
今までの見方を否定せず、
「それもあるし、これもある」
と言えること。
見ている景色が変わった時に大事なことは、
その「柔軟性」かもしれません。
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