【心を裸にした月と池】
月が池に映る時間になると
あなたが鑑に映し出された。
池は揺れて
美しかったはずのあなたの顔が
最も醜く現れていく。
感じることを停止させ
ありのまま見ていく勇気が
出たときは
「月明かりには
すべてが明るみに出て
適わない」
と
月に降参したとき。
「私の心は
私の魂は
美しいと勘違いしていた」
と
愕然と来たとき
あなたは
純粋の少女に
やっと戻る。
そのとき
天使が祝福し
大きく月が
包み込むだろう。
それは
初めから
美しさも
醜くくさも
存在していなかったと
悟ったときだから。
やがて
どす黒い不可解な池が
まるごと
美となる。
あなたのおかげで。
まりあ