ほんの息抜きな呟き二次小説(笑)
…でございます<m(_ _)m>
『魔道祖師』
~雲深不知処の平和な一日。<その④>
雲深不知処で今、その報を知らぬのは彼らだけだった。
もちろん、藍思追と藍景儀は努力したのだ。
機会を慎重に計り、静室の扉の前に立つこと十数分……。
ただ一言「失礼します、含光君、魏先輩」と声をあげれば良かっただけなのに。
しかし、まだ年若い二人は、とうとう一歩を踏み出す勇気を持てなかった。
陽も高く昇っているこの時刻に閉ざされた扉――。
それが意味する真実は、ここではいつもひとつである。
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脱ぎ散らかされ、床に散らばった衣を寝台の上から眺めつつ、布という戒めから解き放たれた魏無羨は、満足げに吐息した。
「藍湛」
「何事」
「お前があんまり頑張るから、あいつら引き返したみたいだぞ」
寝台の傍に立っていた藍忘機は、いつもと変わらぬ涼し気な表情のまま、首を軽く傾けた。
先ほどまで魏無羨の体の上を滑らせていた、そのしなやかな指先についた、白いものを手巾で拭きとる。
「……君があまりにも暴れるから……」
「お前が有無を言わさず、不意打ちしたからだろ。今までで一番、激しい脱がせ方だったぞ」
体中にできたいくつもの紅い痕に息を吹きかけながら、先刻の事を思い出したかのように魏無羨が苦笑する。その肌は濡れたように、艷やかだ。
「おかげで疼きは収まったけどな」
魏無羨の衣を拾い集めていた藍忘機の手がふと止まった。
「どのような行動をすれば、そのように全身虫に刺されるという結果にたどり着くのか、是非ご教授願いたいのだが……」
「そんなの俺だってわかんないよ。その辺にあった衣をちゃちゃっと着た途端、ちくちくっときたんだからさ。でもさすが姑蘇藍氏の薬は効くな」
「……魏嬰……」
「何?」
「どうやらこの衣は、私が用意したものではないようだ。一体、どこから……」
両手で衣をぱんっと広げ、目の前にかざすと、藍忘機は困惑したように寝台上の魏無羨を見下ろした。
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「もう一度、言ってくれ」
何のことやら呑み込めず、魏無羨は右手を上げて、藍景儀の言葉を遮った。
袖元からのぞいた腕に散らばる紅い痕に、ほんの一瞬、藍思追が視線を動かす。
(内出血の痕? と考えているのは明白だな)
しかし……。
先刻の静室の件など、なかったかのようにふるまう藍思追と藍景儀に、魏無羨もあえて真実を説明しようとはしなかった。
大人の秘事を掘り返すほど、姑蘇藍氏の年若い徒弟たちは野暮ではないだろう。実際は秘事でもなんでもなかったのだが。
「だから、沢蕪君が川で洗濯をしていたら……」
「ちょっと待て。なんで、姑蘇藍氏の宗主たる沢蕪君が、川で洗濯なんかしてるんだよ」
「そんなこと俺が知るわけないだろ。沢蕪君に聞いてくれよ」
「……確かに」
蘭室の前でばったりと出会った四人――魏無羨、藍忘機、そして藍思追と藍景儀は、ほんの数秒、一斉に押し黙った。
正確に言えば……。
その中の約一名は、初めから押し黙ったままであることは言うまでもない。
「……で? 川で洗濯してたら何だってんだよ」
「川で洗濯をしていたら、大きなモノが流れてきたそうです」
「……は?」
己の耳を疑った魏無羨があんぐりと口を開く。
「大きなモノが」
藍思追が繰り返した。
「いや、それは聞こえてるよ、思追。【大きなモノ】って何だよ。どこぞの昔話なのか。お尻みたいな果物から、ぽんっと【何か】が出てきたって言うのか!?」
「……落ち着け、魏嬰……」
「いや、逆にお前は落ち着きすぎだろ、藍湛。お前んとこの兄君、とうとうイカれちまったのか」
怖れることを知らない魏無羨の言葉に、藍思追と藍景儀が顔を見合わせる。
「失礼なこと言わないでください、魏先輩。沢蕪君は、正気です!」
川で洗濯をしていたら【大きなモノ】が流れてきた。
ただそれだけの出来事が、何故こんなに大騒ぎになるのだろうか……。
黙して語らぬ藍忘機の心中を推し測ろうとするものは、ここにはいないようだった。
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これ…。
続きを書いた方が
いいのかしら
(ΦωΦ)フフフ…
いまさら『魔道祖師』とか(笑)
ちゃんと続きを書いてからにしようと思ったんだけど、これはこれで【平和な一日】シリーズとして大丈夫かと思って
そう言えばさ…。
アニメ『魔道祖師』公式Twitterで毎日、<完結編>Blu-rayの発売日までのカウントダウン出てるよね。
正直、なんでこの画像なんだろうってヤツばかりだけど…。(なので保存もしなかった)
私…。
予約して、お金も払ってるんだけど、すっかり忘れてたわ
『陳情令』スペシャル2は…
6月1日だったかしらん。
Amazonから送られてくるので、忘れていても没問題なんだけどね。