『山河令』を間に挟んでの…。
中国語検定受験・救済企画、三回目。
結局、普通の長さで書いてしまい、救済にも何にもならなかった(笑)
違いは、内容が薄すぎることだけ。
え…? それはいつものことだってか
公開される日にはもう、受験は終わっているけれど…。
多分、「ちゃんと勉強すれば良かった」という後悔を抱えて、落ち込んでいるに違いない。
「血の不夜天」から…。
画像引用元:©Shenzhen Tencent Computer Systems Co.,Ltd.
魏嬰を連れ去った藍湛が向かった先は、夷陵の山の洞窟の中。
【『陳情令』ではなく、原作『魔道祖師』のエピソード】
「藍湛……藍湛は、いったい何をしたんですか?」
「何をしたか、もし君が覚えていないのなら、おそらく忘機が自ら君に教えることは永遠にないだろうし、君も聞こうとはしないだろう……わかった。ならば、私が話す」
そう言うと、藍曦臣は真剣な目で話し始めた。
『魔道祖師』第4巻116ページより引用
曦臣ら姑蘇藍氏の人々が藍湛と魏嬰を見つけ出した時、藍湛は小声でずっと魏嬰に話しかけていたという…。
その内容を教えてはくれない原作。
気になって気になって仕方がない。
きっと、同じように考えている人は大勢いて、二次小説を書いてる人もいるのだろうけど…。
人それぞれの物語があっていいのではないかと思ったりして、自分でも好きなように書いちゃった
『君の名を呼べば…。愛が聴こえる』
画像引用元:©Shenzhen Tencent Computer Systems Co.,Ltd.
魏無羨の手を握り、霊力を送り込みながら、藍忘機は低い声で呟いた。
「……魏嬰。戻ってこい……。君は悪くない。だから、一緒に帰ろう……」
「滚(失せろ)」
「君は嫌かもしれないけれど、私は君と一緒に帰りたい……」
「滚(失せろ)」
何を言っても、どう言葉を紡いでも、魏無羨の口からこぼれる言葉は、そのひと言だけだった。ひんやりとした空気が流れる洞窟……。
ここに隠れてどの位経つだろうか。
岩の上に座り、心ここに在らずの状態の魏無羨は、ただ藍忘機の言葉の音にのみ反応して同じ言葉を繰り返す。
「たとえ世界中の人が君を責めたとしても……私は知っている。君がどんなに優しい人かを」
「滚(失せろ)」
「魏嬰……。君を必要としている者の元に戻ってこい」
「滚(失せろ)」
「魏嬰! お願いだ……私の声を、言葉を聞いてくれ……。あの笑顔を……また、見せて欲しい……」
「藍湛!」
耳を澄ませば、あの頃の無邪気な彼の声が……、魏無羨が自分を呼ぶ声が聞こえるような気がする。
気がするだけで目の前にいる彼は、冷たい表情のまま、全ての感情、感覚を閉ざしたかのように呟き続ける。「滚(失せろ)」の一言を。
彼が何らかの理由で霊力を損なっていることには気付いていた。剣の道に戻る術を一緒に考えたいとも思っていた。いらぬお節介を焼いたのも、「魔道」を修める彼が、遅かれ早かれこうなるだろうことを恐れていたからだ。
言葉をどれだけ注いでも、今の魏無羨には決して届かない。彼の心は魔に囚われてしまったのだ。それがわかっていても、藍忘機は声をかけ続けた。
父が母を雲深不知処へと連れ帰り、静室へと閉じ込めた気持ちが今は、痛いほど理解できる。もしもそれが許されるのならば、無理矢理にでも彼を姑蘇へと連れ帰っていた。
だが、彼が犯した罪は……。
世間が「罪」だと決めつけた事は決して、姑蘇藍氏でも受け入れてはくれないだろう。二人で帰れる場所は、雲深不知処には……ない。
それがわかっていてもなお、藍忘機は彼の名を呼び続けた。
(正気にさえ戻ってくれたら……。彼と共に罪を償い、どこかでひっそりと余生を過ごすことも出来るかもしれない)
「魏嬰。私の声が聞こえるか? 戻ってこい、ここへ。私の元へ……一緒に行こう。君が君らしくいられる場所はきっと何処かにあるはずだから」
「滚(失せろ)」
画像引用元:©Shenzhen Tencent Computer Systems Co.,Ltd.
洞窟の外に大勢の気配を感じて、藍忘機はまぶたを伏せた。魏無羨の姿を焼き付けるかのように、ゆっくりと。
「魏嬰。一緒に帰ろう……。何処でもいい。君さえいれば、他には何もいらない。ただ、君が私の名を呼んで、笑ってくれればそれだけでいい」
「滚(失せろ)」
「魏嬰」
最後に一度、魏無羨に呼びかけると、藍忘機は静かに立ち上がり、背後に立つ人物に向き直った。
「……叔父上。何も説明することはありません。ご覧になった通りです」
<終>
ふふふっ。
私らしくもなく、真面目に書いちゃった
時間がないって、怖い(笑)
お笑いを期待していた方々…。
申し訳ない<m(_ _)m>
また今度ね
…しかし…。
真面目に書く方が時間がかからないって、どういうこと!?