重症喘息の新しい治療とは?←周りに喘息が多いので… | angel_green888☆blog

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 私は身内に喘息の持病をもっている人が多くて、最近の新しい治療法について教授の先生に聞いたネット記事を見付けたので書き留めておきます。

 

 

重症ぜん息でも症状なしをめざせる時代に

 


https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/sukoyaka/58/medical/

 

幅広く使える生物学的製剤 テゼペルマブ登場 

 重症ぜん息の患者さんに対する切り札として、近年相次いで登場した生物学的製剤。2022年9月には幅広いタイプの患者さんに使えるテゼペルマブ(商品名:テゼスパイア®)が承認され、国内で重症ぜん息に使える生物学的製剤は5種になりました。

 これまで生物学的製剤の対象にならなかった方にも使用でき、すべての重症ぜん息の患者さんが、治療を受ければ症状なく過ごせる時代になったといえます。

 

 一方で、どの薬が合うのかの見極めが大切で、薬価が高い点や、いつまで治療を続けるのか、小児の場合はどう使うかという課題もあります。

 

 帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授の長瀬洋之先生と、群馬大学大学院医学系研究科小児科学分野教授の滝沢琢己先生にお話をうかがいました。 

(本内容は2023年12月現在) 

 

5種の生物学的製剤どう使い分ける? 使用の注意点と課題は? 小児と生物学的製剤

 

薬物治療大きく進歩 20年には3剤配合吸入薬 

 ぜん息の治療は近年、大きく進歩しました(図1)。

 1990年代以降、気道の炎症を抑える「吸入ステロイド薬(ICS)」が治療の中心になり、入院や死亡する患者さんは徐々に減りました。

 2000年頃には、気道の炎症や収縮を抑える飲み薬「ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)」や、気道を広げる「長時間作用性吸入β2激薬(LABA)」が登場し、ぜん息をコントロールしやすくなりました。

 2007年には、吸入ステロイド薬と長時間作用性吸入β2激薬を合わせた2剤配合吸入薬もできました。

 これらの薬を適切に使えば、ぜん息患者さんの8割は、ぜん息をコントロールできるようになりました。

 しかし、残りの2割はコントロール不十分です。このうち薬を正しく使えていない患者さんや自己管理に問題のある患者さんを除いた、残りの約1割の患者さんは高用量ステロイド薬や複数の薬剤を使うなど最高レベルの治療でも症状が安定しません。これが重症ぜん息です。

 2009年に初めて、ぜん息を起こす原因物質を分子レベルで狙い撃ちする生物学的製剤が重症患者さんに使えるようになりました。 

 2020年には2剤配合吸入薬に、気道を広げる「長時間作用性吸入抗コリン薬(LAMA)」を加えた3剤配合吸入薬が登場。1回で3種類の薬を同時に吸入できるため便利になりました。薬物治療の進歩で、内視鏡を使った手術の気管支熱形成術(気管支サーモプラスティ)は2023年末に器具の製造が終了します。 

 

図1 ぜん息治療の変遷

 

ぜん息における臨床的寛解とは

1. 症状がコントロールされている

2. 増悪ぞうあく※(発作)がない

3.経口ステロイドを連用しない

4.呼吸機能の低下がない

 ※「増悪」は以前、発作とも呼ばれており、①経口ステロイドの投与が必要な場合、②救急受診した場合、③入院した場合のいずれかに該当するケースを指す 

 臨床的寛解 ;治療により症状や炎症がほぼなくなり、臨床的にコントロールされた状態

 寛解 ;病気が完全に治った「完治」や「治癒」といった状態までにはいかないものの、病気による症状や検査での異常が消失した状態 

 生物学的製剤が5種になり、重症ぜん息患者さんの治療目標は、ぜん息の症状をなくしたうえで、臨床的寛解をめざすことになりました。

 

原因物質を狙い撃つ生物学的製剤5種に

 一般的な医薬品は化学的に合成された物質をもとにつくられますが、生物学的製剤は生物がつくるタンパク質などを利用してつくられます。関節リウマチやアトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患など多くの慢性疾患や、一部のがんで使われるようになっています。

 ぜん息治療では2009年3月に初めて、オマリズマブ(商品名:ゾレア®)が成人の重症ぜん息の患者さんに使えるようになり、現在では成人で5種、小児では6歳以上で2種、12歳以上で4種が認められています。 ぜん息が起こるメカニズムには多くの物質が複雑に関与しています。生物学的製剤は、そのなかの特定の物質の働きだけを妨害して症状の進行を抑え、ぜん息の症状を全般的に抑制します。このように作用する薬を抗体医薬と呼び、「〇〇マブ」という名がついているのが特徴です。特定の物質の働きを抑えるため、薬ごとに対象になる患者さんが異なります。事前の検査で、ぜん息のタイプを調べ効果があるのかないのかを確認することが必要です。 

 

ぜん息のタイプ 炎症の違いで2つに

 ぜん息には2つのタイプがあります。2型(Type2)ぜん息と非2型ぜん息です。ぜん息では気道に炎症が起きており、この炎症の違いがぜん息のタイプの違いになっています。炎症とは気道や肺に集まってきた白血球が、むくみやただれを起こした状態で、炎症があると気道が過敏になります。

  2型ぜん息では2型炎症が起きています。これは白血球のうち、好酸球、2型ヘルパーT(Th2)細胞と2型自然リンパ球(ILC2)などが関与して起こる炎症で、両者から「2」をとって2型炎症と呼ばれています。これら2つの細胞はインターロイキン(IL)と呼ばれる物質を放出し、これが気道に直接作用したり、炎症に関係する細胞を活性化して炎症を起こします。2型ぜん息は小児の大多数、成人ぜん息でも過半数を占める典型的なぜん息です。

  これ以外のぜん息が非2型ぜん息です。最近、このタイプは2型炎症の関与が乏しいことがわかってきて、T2ロウ(Type2low)ぜん息とも呼ばれます。この分類は患者さんが自分の症状で区別することはできません。呼気検査や血液検査でわかります。 

 

典型的な2型ぜん息

 吸入ステロイドが効果 2型ぜん息と非2型ぜん息の特徴を表1でまとめました。2型ぜん息は副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などを合併することが多いようです。基本的に吸入ステロイドがよく効きます。

  非2型ぜん息は、好酸球とIgE、FeNOなどが低い場合などに診断されます。呼吸機能検査で最初の1秒間に吐き出せる1秒量の低下が速いこともあります。吸入ステロイドが効きにくいため、コントロール不十分な患者さんが多いようです。特効薬はなかったのですが、テゼペルマブが承認されたことで生物学的製剤を使えるようになりました。 

 

表1 ぜん息のタイプ

 

 ↑血液中の好酸球数が300/μl以上 か FeNOが50ppb以上 あるいは、ハウスダストやダニ特異的IgEが陽性で2型喘息

 特徴 副鼻腔炎(ちくのう)合併が多い

 増悪リスク 血液中好酸球が多い 

非2型喘息は、アトピー性皮膚炎合併

 

5種の生物学的製剤どう使い分ける? 

 

対象患者の広いテゼペルマブ

 テゼペルマブは、12歳以上のぜん息患者さんに使われる薬です。空気に触れる気道の上皮細胞から放出され、免疫細胞を活性化させる物質の働きを抑えます。この物質は胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)という名前で、この働きを抑えるため抗TSLP抗体と呼ばれます。 TSLPは2型炎症の原因のTh2細胞とILC2の機能を増強します。Th2細胞はIL-4、IL-5、IL-13という物質の産生を増やし、ILC2はIL-5、IL-13の産生を増やします。IL-4、IL-5、IL-13は気道炎症を悪化させ、ぜん息の発症や増悪を起こします。また、非2型炎症にかかわる17型ヘルパーT(Th17)細胞を増強させたり、気道の平滑筋細胞や線維芽細胞も活性化させるといわれています。このため、ぜん息におけるいくつかの炎症経路の始まりになっている物質といえます(図2)。 

  これまでの生物学的製剤は、IL-5など特定の物質の働きを抑えて症状を抑制していました。しかし、テゼペルマブは、ぜん息の炎症を悪化させるいくつかの物質の起点になるTSLPの働きを抑えます。そのため、2型ぜん息だけでなく非2型ぜん息も含め幅広く効果があると考えられます。また、気道上皮から放出されるTSLPを抑えるため、気候の変化や受動喫煙など外部の環境変化に敏感な患者さんにも有効とされます。 

 

図2 TSLPとテゼペルマブ

 出典:『喘息診療実践ガイドライン2023』の2ページをもとに作成

 

好酸球数や呼気中のNOで分類 

 5種の生物学的製剤は承認された順に、オマリズマブ(抗IgE抗体)、メポリズマブ(抗IL-5抗体)、ベンラリズマブ(抗IL-5Rα抗体)、デュピルマブ(抗IL-4Rα抗体)、テゼペルマブ(抗TSLP抗体)となります。

 それぞれの薬の特徴は、表2でまとめています。 

 

表2 5種の生物学的製剤の特徴

 

抗IgE抗体 オマリズマブ(ゾレア®)/6歳以上

IgE抗体とマスト細胞が結合するのをブロックする。花粉やダニが体内に侵入すると増えるIgE抗体に、マスト細胞とアレルゲンがくっつくとヒスタミンなどのアレルギーを起こす炎症物質を放出する。この反応を食い止める。 基本的な対象 アトピー型重症ぜん息(通年性吸入抗原感作例)で血清総IgE値30~1,500IU/ml 増悪抑制効果 ◎ ステロイド減量 ○ 呼気機能改善 ○ 併存症への保険適用 特発性慢性蕁麻疹・季節性アレルギー性鼻炎 重症ぜん息への投与法 体重と血清総IgE値から投与量と間隔を決定 自己注射 ○ 

 

抗IL‐5抗体 メポリズマブ(ヌーカラ®)/6歳以上

 IL-5の働きを抑える。ぜん息を重症化させる原因の一つの好酸球は、IL-5により活性化し気道の炎症を起こす。IL-5の働きを抑えると好酸球が減り、炎症を抑えることにつながる。 基本的な対象 重症ぜん息で血中好酸球数150/μl以上または過去12カ月間に300/μl以上 増悪抑制効果 ◎ ステロイド減量 ◎ 呼気機能改善 ◎ 併存症への保険適用 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(300㎎) 重症ぜん息への投与法 100㎎、4週毎 小児(6歳以上12歳未満):40㎎、4週毎 自己注射 ○

 

抗IL‐5Rα抗体 ベンラリズマブ(ファセンラ®)/15歳以上 

好酸球の表面にあるIL-5を受け入れる部分の受容体と結合する。IL-5と好酸球が結合するのを邪魔するため好酸球は活性化されない。さらに好酸球と結合したベンラリズマブは、好酸球を攻撃するNK細胞を呼び寄せる。 基本的な対象 重症ぜん息で血中好酸球数150/μl以上または過去12カ月間に300/μl以上 増悪抑制効果 ◎ ステロイド減量 ◎ 呼気機能改善 ◎ 重症ぜん息への投与法 30㎎を当初3回4週毎、その後は8週毎

 

抗IL‐4Rα抗体 デュピルマブ(デュピクセント®)/12歳以上 

IL-4とIL-13の働きを抑える。IL-4とIL-13は直接、気道に作用して炎症を起こすほか、アレルギーに関係する物質を刺激して、さらに多くの炎症物質を放出させる。この一連の反応を抑える。 基本的な対象 重症ぜん息で血中好酸球数150/μl以上またはFeNO25ppb以上、血清総IgE値167IU/ml以上 増悪抑制効果 ◎ ステロイド減量 ◎ 呼気機能改善 ◎ 併存症への保険適用 アトピー性皮膚炎・鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎 重症ぜん息への投与法 初回600㎎、その後は1回300㎎を2週毎 自己注射 ○ デュピルマブ

 

抗TSLP抗体 テゼペルマブ(テゼスパイア®)/12歳以上 

気道上皮から放出されるTSLPの働きを抑える。TSLPは2型炎症を起こすIL-4、IL-5、IL-13を増やすほか、非2型炎症に関係するTh17細胞を増強するとされる。このため幅広い患者に有効と期待されている。 基本的な対象 バイオマーカーには関わらず重症ぜん息 増悪抑制効果 ◎ ステロイド減量 △ 呼気機能改善 ◎ 重症ぜん息への投与法 210㎎、4週毎

 

  出典:『喘息診療実践ガイドライン2023』の30ページなどをもとに作成 

 

 これらの特徴に応じて、おおよその使い分けをグラフ1で示しました。

テゼペルマブは、重症ぜん息であれば、すべての患者さんに使うことができます。残りの4種を含めた使い分けのポイントが血中の好酸球数です。好酸球数が150/μl以上であれば、基本的に5種すべての生物学的製剤が適応になります(オマリズマブにはIgEの値による制限があります)。また、呼気中のFeNOも目安になります。好酸球数が150/μl未満でFeNOが25ppb未満の場合はテゼペルマブ、ダニなどの通年性吸入抗原に感作していればオマリズマブも使えます。 テゼペルマブを含め5種の生物学的製剤は、2型ぜん息に有効性が高いです。2型ぜん息ではいくつもの薬剤が適応になっており、実際にどの薬を使うかは、費用、投与間隔、併存症、自己注射の可否、長期安全性を考慮して、患者さんと主治医が相談して決めることになります。 

 

グラフ1 5種の生物学的製剤の使い分け

 出典:『喘息診療実践ガイドライン2023』の32ページをもとに作成

 

効果は増悪の抑制と呼吸機能の改善

  生物学的製剤の効果は、増悪の抑制、呼吸機能の改善、症状の改善、経口ステロイドの減量で評価され、いずれの薬も臨床試験で効果が確認されています。なお、テゼペルマブはステロイドの減量について、全体では有意な減量は示せませんでしたが、好酸球の多い患者さんでは減らすことができました。 

 

使用の注意点と課題は?

重大な副作用はなし

 最初に承認されたオマリズマブの登場から10年以上経ちますが、いずれの生物学的製剤でも重大な副作用の報告はないようです。軽い副作用として共通にみられるのは注射を打った部分が、痛む、腫れるです。 

 生物学的製剤の長期的な安全性は、使われ始めてからの期間が短いためわかっていません。 自己注射は病院で指導

 いずれの生物学的製剤も注射薬で、上腕部、腹部、太ももなどに打ちます。オマリズマブ、メポリズマブ、デュピルマブは医師からの処方箋により薬局で入手して、自分で打つことができます。通院の手間が省けるなど便利な点があります。使い始めの時期は、いずれの薬も医療機関で打ってもらいます。効果が確認され継続できそうであれば、自己注射できる薬では、看護師などの指導を受けた後、自己注射に移行します。 

自己負担を軽くする方法も 

 生物学的製剤はいずれも高額です。大人の場合、注射する量は30㎎から600㎎、投与間隔は2~8週間に1回で幅があります。オマリズマブ以外は薬価が異なっていても、1カ月に15万円ほどかかります。患者さんの負担は、住んでいる自治体や年齢、収入などで異なりますが、健康保険で3割負担の場合は1カ月に5万円前後になります。一方、オマリズマブはIgEの値によって投与量が変わるため、IgEが低ければ3割負担でも1カ月に1万円を下回る場合があります。また、自己注射できる薬は3カ月分を一度に処方してもらうと、高額療養費制度を使って自己負担を軽くできます(図3)。生物学的製剤は長期にわたり継続的に使うため、経済的負担の大きさが導入への戸惑いになることが多いようです。 

図3 自己負担額軽減の例 

 1カ月の自己負担額の上限(3ヵ月分を一度に処方してもらった場合)

 

やめる時期は主治医と相談

 生物学的製剤をいつまで使うかは、はっきりした基準がありません。まずは、半年程度使ってみて効果があれば、経口ステロイド薬を減らしたり中止するなどしたうえ、生物学的製剤と吸入ステロイドを続けます。効果があまりない場合、血液検査や呼気検査で再度、ぜん息のタイプを確認し併存疾患も考慮して、他の生物学的製剤に切り替えます。

 何年か継続した後に中止した場合、よい状態が続く患者さんもいれば、悪化する患者さんもいるようです。何年か続けてみたら、いったん中断し、その後の状況をみて、再開するか中断を続けるかを主治医と相談します。 

小児と生物学的製剤

重症が少ない 小児ぜん息患者

 小児ぜん息の患者さんの多くは、より小さなときにアトピー性皮膚炎があったなど2型ぜん息がほとんどで、吸入ステロイドがよく効きます。そのため重症の患者さんは多くはありません。生物学的製剤の対象となるのは、大人と同様に最高レベルの治療を施しても、普通の生活が送れない子どもで、「部活動が思い切りできない」「夜眠れない」などの場合に使用が検討されます。 

 子どもに使える生物学的製剤は、6歳以上ではオマリズマブ、メポリズマブの2種。12歳以上になるとデュピルマブ、テゼペルマブが加わり4種となります。15歳以上は大人と同じでベンラリズマブも加わり5種になります。投与方法は大人と同じ注射です。ぜん息では、6歳未満に使える生物学的製剤はありません。 薬剤の選択は年齢優先のことも 小児の重症ぜん息のほとんどが2型ぜん息なので、すべての生物学的製剤が有効といえます。このため、どの薬を使うかの選択は、症状よりも年齢が優先されることが多いようです。メポリズマブはオマリズマブで改善が乏しいときに変更すると有効だったとの報告があります。テゼペルマブはこれまでの4種の薬では対応できなかった患者さんへの効果が期待されます。一方、副作用は大人と同様、注射した部位の痛みや腫れで、大きな副作用の報告はありません。長期的な安全性については大人と同様にわかっていません。 

導入の妨げは注射の痛み

 子どもの場合、注射の痛みが導入の大きな壁になります。どの生物学的製剤も、一般の予防接種のワクチンと比べると注射量が多く痛みが強いうえ、定期的に打たなければならないからです。1回の注射量が少なく、投与回数も少ないメポリズマブは導入しやすいとされます。どの生物学的製剤も対象は6歳以上、つまり小学生です。当初は痛いから嫌がっていても、「楽になった」「運動ができるようになった」などの効果を実感できると続けられるようです。 自己注射できる薬では、本人に代わって母親が打つケースが多いようです。ただ、思春期を迎えると「母親に打ってもらうのは恥ずかしい」などと考えることもあるので、一定の年齢を迎えたら本人が打つことも考慮するべきでしょう。 薬価は大人、子どもも変わりません。大人では経済的負担が大きいですが、重症ぜん息で18歳未満の患者さんが生物学的製剤を使う場合、小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象になり、自己負担は大幅に軽減されます。 

皮下注射の場所

 うで(上腕部)、お腹、太ももなどに注射します。 皮下注射の図 1 へそ周り以外の腹部 へそ周り5cmは避けて注射します。 2 太もも 3 上腕部(二の腕)の外側 やめどきはイベントを外す 導入のタイミングは生物学的製剤の適応年齢の6歳、あるいは12歳になるのを待って使うことが多いようです。一方、いつまで使えばよいかは大人と同様、わかっておらず、3、4年使ってみて中断し、症状が悪くなれば再開するなど主治医と相談しながら決めることになります。子どもの場合、小学校の入学、卒業、中学校の入学、卒業、受験など多くのイベントがあります。この時期に症状が悪化しないよう、例えば、中学1年の夏にやめてみるなども、一つの方法といえるでしょう。…

 

長瀬 洋之 先生 帝京大学医学部 内科学講座呼吸器・アレルギー学 教授 

1994年東京大学医学部医学科卒業。96年東京大学物療内科を経て、2003年帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学、16年から現職。日本アレルギー学会気管支喘息ガイドライン専門部会作成委員。 

読者へのメッセージ 3剤配合吸入薬の登場で、ぜん息の基本治療は向上しました。1日1回の吸入ですみます。ぜん息のため生活に何らかの支障がある人は、我慢せずに主治医に相談してください。また、ぜん息のタイプを問わず、すべての重症ぜん息の患者さんに生物学的製剤が使えるようになりました。これにより、重症患者さんの治療目標として、治療をしていれば症状や増悪がない「臨床的寛解」をめざせるようになりました。これまでより高いレベルで普通の人と同じ生活をめざせるようになったのです。臨床的寛解には、白内障、骨粗鬆症、糖尿病などが増えるリスクがある経口ステロイドをやめることも含まれています。経口ステロイドをできるだけ中止して、副作用のない幸せな未来につなげてほしいです。 

滝沢 琢己 先生 群馬大学大学院医学系研究科小児科学分野 教授 

1995年群馬大学医学部卒業。奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科助教、群馬大学大学院医学系研究科小児学分野准教授などを経て、2021年から現職。 読者へのメッセージ 経口ステロイドは明らかに身長の伸びを抑えますし、吸入ステロイドでもわずかに鈍ります。これに比べると、生物学的製剤の副作用は少ないといえます。運動誘発ぜん息が起きるのは中学生以降が多いですし、「私はぜん息だからやめておこう」と考えるようになるのも思春期以降でしょう。こういうことにならないよう早めに生物学的製剤を使い、小学生のうちにぜん息のコントロールを十分にしておくことの意義は大きいです。子どもたちには未来があり、いろいろな選択肢があります。ぜん息でそれをせばめてはなりません。保護者の方は、中学生を万全の状態で迎えられるよう、生物学的製剤の使用について担当医と相談してはいかがでしょうか。 

 

独立行政法人 環境再生保全機構 〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310番 ミューザ川崎セントラルタワー8階 独立行政法人環境再生保全機構 予防事業部 事業課

 

 

※ 重症でない、ぜん息は、吸入ステロイドの治療がメインです↓

 

ぜん息の治療

 

 

 

https://www.allergy-i.jp/zensoku/tiryou/

 

治療ステップ で治療していくようです

 

ほぼ同じ表ですが…こちらの方が見やすいかも?

 

 

 

 

 

https://www.kasai-yokoyama.com/bronchial-asthma-treatment/